たとえ世界が音を失ったとしても

ランクイン履歴

総合24位(2026/09/05)

青春・恋愛5位(2026/09/04)

青春2位(2026/09/04)

青春・恋愛

豆茶*/著
たとえ世界が音を失ったとしても
作品番号
1788623
最終更新
2026/08/26
総文字数
86,079
ページ数
40ページ
ステータス
完結
いいね数
66
ランクイン履歴

総合24位(2026/09/05)

青春・恋愛5位(2026/09/04)

青春2位(2026/09/04)

夢を失った君と、自分を失っていた私。
十七歳の私たちは、もう一度「自分」を探し始める。
——十七歳のあなたは、どんな自分を選びますか?
あらすじ
母の理想を演じ続け、自分の気持ちを押し殺して生きる高校三年生・旭川瑠夏。
春休み、学校の音楽室から飛び降りようとした彼女を救ったのは、天才ピアニスト・風間晴政だった。昼休みを共に過ごすうち、少しずつ心を通わせていく二人。しかし、高校最後の梅雨、風間は事故で左手に麻痺を負い、人生そのものだったピアノを失ってしまう。
夢を失った少年と、自分を失った少女。
これは、二人が自分だけの明日を見つける青春物語

目次

この作品のレビュー

この作品には、まだ投稿されていません。

この作品の感想ノート

これまで青春恋愛ものは避けてきたのですが、最後まで楽しく読ませていただきました。
瑠夏と風間くんの不器用な恋が癖になり、次どうなるんだろうとページをめくる手が止まりませんでした。家庭不和や事故など読者を飽きさせない工夫もよかったです。
作者様は心理描写がとても上手な方ですね。光る表現が散りばめられていて、作品にぐんと引き寄せられました。深いところまでなされていたり、身体を有効的に使っているシーンもあって、瑠夏がまるで自分の友人であるかのように親近感をもてました。
これは書くか迷ったのですが、最後に気になったところを書かせていただきます。
せっかく瑠夏の心情を掘り下げているのに、「焦燥感」「慈愛に満ちた」など使い古された表現で説明してしまうのはもったいないと思いました。作者様にしか書けない表現をもっと見たかったという気持ちでいっぱいです。
素敵な作品ありがとうございました。

2026/09/05 09:06

読んでいてどこか懐かしい、けれど切ない、胸がキュッと締まる、そんな気持ちになりました。
初めの、風間君のピアノの『音』の表現が、短い文章でありながら、頭の中で流れるような表現がとても素敵だと思いました。

個人的にくまちゃん先生がお気に入りで、私が学生だった当時似たような先生がいて、その当時の事を思い出し、ホッコリしました。
物語の中で、くまちゃん先生の何気ない一言が風間君と瑠夏の架け橋になっているのもとても『教師』らしくていいと思いました。

家出少女さんが、この後佳奈の家でどんなお話をして。
心にどんな変化が訪れるのか、楽しみです。

月並な感想で申し訳ございませんが、応援しています。

2026/08/23 20:17

穏やかな学校生活の中に、言葉にできない孤独や危うさが静かに溶け込んでいるような、どこか物悲しい雰囲気が印象に残りました。

瑠夏には友達がいて、勉強をして、周囲に合わせて笑うこともできます。一見すると何の問題もない日常なのに、その内側では「自分は誰にとっても特別ではない」という寂しさを抱えている。カラスや空、水たまり、誰もいない朝の教室といった日常の景色を通して、本人にも説明しきれない空虚さが滲んでいるように感じました。

特に印象に残ったのは、風間くんの「何も知らないのはお前だって一緒だろ。自分だけが特別だと思うなよ」という言葉です。瑠夏の痛みに寄り添うような優しい台詞ではなく、むしろ突き放すような厳しさがあります。それでも、風間くんもまた他人には見えない何かを抱えているのではないかと感じさせられました。

平凡であることに苦しむ瑠夏と、特別な才能を持つがゆえに「普通」から離れていく風間くん。正反対に見える二人が、お互いを何も知らないところから少しずつ相手の内側に触れていく関係が興味深かったです。

また、言葉にできない感情をピアノが代わりに伝えているところも好きでした。瑠夏にとって、遠くから聞こえる風間くんの音色は、自分の存在を許してくれるようなものだった。しかし間近で演奏を聴いたことで、その美しい音が、彼の焦りや憧れを削り出して生まれたものだと気づいていく。その場面には、音楽を通して初めて相手の心に触れたような静かな親密さを感じました。

まだ互いを理解しているとは言えない二人だからこそ、風間くんの「また、聞きにこいよ」という不器用な誘いが心に残ります。ピアノを介して二人の孤独がどのように交わっていくのか、先が気になる物語でした。

2026/08/20 23:52

この作品のひとこと感想

すべての感想数:43

この作品をシェア

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

pagetop