
- 作品番号
- 1758075
- 最終更新
- 2025/08/27
- 総文字数
- 104,578
- ページ数
- 32ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 7
- ランクイン履歴
-
青春24位(2025/11/03)
「ふーん。じゃあさ、東大、一緒に目指さない?」
「……へ?」
冴えない自分を変えたいと思っていた高校3年の日和は、全国模試1位の天才、翠から突然こう誘われる。目指すのは医学部最難関・東大理三。正反対のふたりは、ぶつかり、支え合い、互いに変わっていく。青くて、痛くて、でも言葉にできないほど熱い一年の記録。
——これが、私たちの青春なんだ。
少年少女よ、青く青く、燃え上がれ!!
- あらすじ
- ときに、青春とは何だろうか。「青春」と聞くと、普通は部活やら恋愛やらを思い浮かべる人が多いと思う。
私の青春はその二つのどちらでもなかった。でも、間違いなくこれが私の青春だったと言える。変わりたいと叫び、もがき、手を取り合って進み続けたこの経験は、未熟だからできたこと。
青い炎は赤い炎と比べて、温度が高いんだと聞いたことがある。これは私に訪れた、まさしく青く燃え盛る炎のような1年間の話だ。
この作品の感想ノート
作品を読ませていただきました!
紫織さんの作品にまたひとつ圧倒されて、いつの間にか夢中になっていました。
悩む進路、シャーペンをノックする音、取捨選択する回答、etc……。それらはフィクションだと分かっているのに、まるで目の前で見ているようにリアルでした。
わたしは受験を選ばなかったけれど、ひとつだけ熱中できる科目を見つけられたことを思い出しました。その懐かしさを感じながら感想を書いています。
”
お互いがお互いを合格のために使うなんて当たり前。
”
この一文が印象に残りました。
ふたりは親友であり、ライバルである。関係性が伝わるのもすごいし、一見すると相手を蹴落とすんじゃないかという不穏な言葉だけど、この作品にとてつもなくマッチしているのがすごい。ぶつかっても認め合う姿はとてもかっこよかったです。
だからこその、エンディングは納得のいくものでした。
ふたりだけが実感する友情。
これもひとつの青春。
ほかに類を見ない意欲作、ありがとうございました!!
作品拝読しました。
最初から最後まで夢中になって読みました。それぐらい面白かったです。
私も、同じ難関大学を目指して受験したので、あの頃のことが鮮明に甦ってきました。翠ちゃんと日和ちゃんの青春。私にとっても、青春=勉強だったので、本当に共感しながら読みました。ライバルだけれど、大事な友達として心を通わせていく二人を見ていて、過去の自分を垣間見るようでした。東大や試験に関する解像度も高く、紫織さんだから書ける作品だと思います。いま、感極まりすぎて涙が止まりません……。こんなに感情が昂ったのは久しぶりだというぐらい、私の胸にグサグサ刺さりました。
受験は確かにひとつの要素でしかないけれど、受験勉強を通してできたかけがえのない友達と、努力して手にいれることができた栄冠はきっと、日和の今後の人生を輝かせてくれると信じています。
本当に素敵な作品をありがとうございました。
全力で推します!!
忘れられない作品になると思います。
(1/2)
お久しぶりです、空心菜です(覚えていなかったらごめんなさい🙇)。「アカウントが残っているだけで励みになる」なんて勿体ないくらいの言葉を頂いたのに、結局いなくなってしまって申し訳ないです。たまーに泉さんのポストを拝見させて頂くのですが(ネトスト疑惑)、そこで新作の情報を聞きつけて、無事に一気読みしました!以下、感想となります(文字数超過により二分割になりますm(__)m)
主人公である日和と、日和のお母さん、塾長である佐々木さん、仲間でありライバルの翠。この四人の関係性のバランスが絶妙だと感じました。「胡散臭い」というレッテルを日和から貼られれてる可哀想な佐々木さんですが、これからどのようにして株を上げるのかが楽しみです。翠もクール&ドライな性格で、とてもキャラが立ってますね。日和と翠の化学反応もとても楽しみです。お母さんも基本的には肯定的な姿勢をとっていて、心が温まります。同じ作り手としては、ここから親子の衝突などを描くと、より深みが増していくのかなぁと思います(意地悪)。
さて、最初は東大を目指すことに乗り気ではなかった日和ですが、「変わる」ことを決意する過程の心理描写がとても素晴らしかったです。泉さんの真骨頂は、やっぱり心理描写ですよね。強いてアドバイスを挙げるとすれば、志望校の欄にペンを走らせては消しゴムで消して、を繰り返すシーンがとても重要だと感じたので、「ちょっとぐしゃぐしゃになりかけた紙」をもっと誇張的に描写してあげると良いのではないかと感じました。時間の経過を表す風景描写を追加してあげるのも良いかもしれません。
他に気になった点としては、日和が「変わること」に対して恐怖を感じている理由についてでしょうか。平たく言えば、「親友だった相田さんが精神疾患を患ってしまい、自分もこうなるのではないかと案じたから」だったかと思いますが、ここはシンプルに「親友だった相田さんが自殺してしまって、そのような人を救いたいと思ったから」でも良いのではないかと思いました。それに付随して(かなりの手間になりますが)、「変わりたくない理由」を別で考えてあげて、それを序盤で提示すると良いかも?と思いました。序盤を読んでいる時、「『変わりたくない理由』をもっと明示的に書いてほしい!」というモヤモヤがあったので(笑)。
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