
- 作品番号
- 1754665
- 最終更新
- 2025/06/26
- 総文字数
- 84,102
- ページ数
- 26ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 14
- ランクイン履歴
-
総合33位(2025/10/23)
和風ファンタジー8位(2025/10/25)
帰ってすぐに志貴に殴られ、月のものがはじまっていたことが志貴にばれる。琥珀を穢そうとする志貴の様子に恐ろしさを覚えて、助けてと叫んだその瞬間、闇を裂くようにして、蘿月が現れた。
「琥珀は、俺が五百年待ち望んだ花嫁だ」
これは、時を超えて紡がれる愛の物語。そして虐げられた少女が、愛を知り、愛のために生きる自由を選ぶ物語。
※R-15っぽいゆるい性描写があります。
この作品のレビュー
すらすらと読める文なのに、ふと止まって撫でたくなってしまうような柔らかくて優しい言葉で紡がれた物語。読み終えた時、涙があふれていました。
琥珀、つらかったね。でも強くなったね……虐げられ怯える日々を送っていた琥珀が、蘿月と出逢い歩き出すようになり、最後は人前で踊れるほどまでになってよかったです。少女から女性へと変わっていく琥珀。骨を拾う場面では、これまでの出来事の映像がすーっと流れてくるようで、気づいたら泣いてしまっていました。救われてよかった……。
何故か悪役だった志貴のことが嫌いになれませんでした。暴力も暴言も嫌ですが、それほどまでに愛していたのだと思うと辛くて……。共に暮らしていた日々の中でも、心の底から愛し慈しんでいた瞬間もあったのではないかな、と思いたいです。来世はまともな人になってくださいまし。
五百年後の世界でも、琥珀と蘿月が出逢い、笑い合ってくれますように。
この作品の感想ノート
作品を読ませていただきました!
生家や結婚相手に虐げられる毎日と、運命の人との出会い。そしてクライマックスの大一番。
王道のシンデレラストーリーを語り口調のような地の文ですらすらと読ませてくれる、完成度の高い作品と感じました。
「子が出来ないのは、世が江戸から明治から変わっても、女の責任です。~わたくしという人間を愛してくださっている」
このあたりの文章が印象に残りました。
明治という時代(そして、ある程度昭和になっても残っているだろうけれど)、少女や女性の立ち位置ってこうだった。身分の違いがとてつもなく差があり、告げられた相手のところに身を委ねるだけなのだろう、と。
だからこその、心から好いている人と添い遂げたいという心情がとても綺麗でした。
こういう文章をこぼさずに入れるのは、ただ時代劇を書いて終わりではなく、作者さまが下調べをきちんと反映した姿勢なのでしょう。
終始、愛に溢れる作品だと思いました。
これからもずっと、ふたりが幸せに溢れていますように。
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