第2回モキュメンタリーホラー小説コンテスト

結果発表

【 総評 】

第二回モキュメンタリーホラー小説コンテストでは、フリマアプリや没入型イベント、小説投稿サイトといった現代の身近なツールやプラットフォームを起点とした作品が多く集まりました。前回コンテストでは“それっぽさの再現”に優れた作品が多かったのに対し、今回は「なぜ記録するのか」「誰が物語を作っているのか」といった、モキュメンタリーの構造そのものに踏み込んだ作品が目立ちました。

特に印象的だったのは、日常的なプラットフォーム(フリマアプリ・SNS・投稿サイトなど)と、閉鎖的な風習(村・血縁・儀式など)を結びつけた作品です。これにより、遠い場所の怪異ではなく、今この瞬間の自分の生活に侵食してくるような恐怖として提示できていました。また、バラバラの記録を繋ぎ合わせるなど、ただ「読む」だけでなく、「記録を追う」「情報を繋ぐ」「真相を補完する」といった読者参加型の体験になっていた点も素晴らしかったです。

一方で、インパクトがある反面、後半の展開が説明的になってしまうケースや、謎の正体をすべて明かしきってしまう、あるいは逆に回収できずに終わってしまうことで、読者の感じる恐怖が減衰してしまう傾向も見受けられました。モキュメンタリーは、徹底したリアリティがあるからこそ、より身近で生々しい恐怖を描くことができます。そのため、謎のさじ加減や終盤への繋げ方には、工夫の余地があると感じました。

ですが、いずれの作品も、現代事例ならではのキャッチーな設定を存分に活かし、現実と仮想世界(虚構)の境界線があやふやになる感覚や、日常のすぐそこにある狂気を見事に描いていました。

改めまして、素敵な作品をありがとうございました。

大賞

『【NEW‼︎】あなたが出品されました』狂実《くるみ》/著

【 講評 】

フリマアプリやストーカー事件を模した展開など、現代事例ならではのキャッチーな設定で読者を引き込む力が非常に高い作品でした。「フリマアプリ」という日常的なツールと、主人公のルーツである「謎の村・風習(配送事業の闇)」を掛け合わせた点や個人のプライバシーが商品化されていく恐怖を描いた着想が素晴らしかったです。

真相を探る中で頼りにしていた恋人らに次々と裏切られ、最終的には自ら手を下した両親の遺体までもが「解剖用献体」として出品されてしまうという終わらない連鎖によって、「日常のすぐそこにある狂気」と絶望感がしっかりと描かれていました。素敵な作品をありがとうございました。

長編賞

『ノベライズ版「祝祭村からの脱出」にまつわる記録』さとうきいろ/著

【 講評 】

宿泊型イマーシブ・ミステリーイベントでの失踪事件を、SNSのタイムライン、クラウドファンディングの記録、内部告発のDMといったバラバラな記録を繋ぎ合わせて解明していく構成にワクワクしました。

ゲーム設定が非常にわかりやすく、「謎の村・風習×イマーシブ」という要素が効果的に機能していました。運営陣の狂気に触れ、読み進めるうちに現実と仮想世界の境界線があやふやになっていく感覚が素晴らしく、究極の「没入」へと傍観者(読者)をも引きずり込むような展開を、最後まで面白く読み進められる作品でした。

短編賞

『初投稿です!読んでくださいm(_ _)m』加川アサギ/著

【 講評 】

小説投稿サイトに投稿された素人風の「犬による日記」という、視点が非常に独特で新しく、面白い作品でした。

序盤のほのぼのとしたエッセイ風の雰囲気から次第に不穏な空気を纏い始め、実は飼い主本人が「おばあちゃんを守るために人間としての全てを無くし、犬になりきってしまった(あるいは洗脳された)」という八方塞がりの現実が浮かび上がる構成が見事でした。短い文章の中に、身の毛のよだつような狂気と歪んだ愛情にゾクッとしてしまいました。

コワゾー賞

『初投稿です!読んでくださいm(_ _)m』加川アサギ/著

【 講評 】

「犬の日記」という語り口の可愛らしさの裏で、ある日突然やってきた肉親が日常を静かに侵食し、抗えないまま自分が「犬」へと塗り替えられていく恐怖。現代人の孤独と家族の呪縛を、逃げ場のないじわじわとした心理的消耗として描き出しており、その“読み心地の悪さ”が癖になる一作です。膀胱炎の排尿痛や虫が浮く水皿など、身体感覚の生々しい描写も効果的で、ラストの「看取ってきた」の一言が事後的に凍りつく構成も秀逸。読後に長く残る、Jホラー的な余韻を持つ作品として高く評価いたしました。

(コワゾー)

最終審査選出作品

< 長編部門 >
< 短編部門 >

応募要項

背筋が凍る、新しい“モキュメンタリーホラー” を募集します。

モキュメンタリー(ドキュメンタリー形式で書かれたフィクション)という形式は、「記録」「証言」「SNS」「レビュー」「会話ログ」「地図」「間取り」「映像の文字起こし」など、一番“客観的”に思える情報だけで恐怖を描ける、手法です。


本コンテストでは、フィクションと現実の境界線がじわじわ溶けていくような、“日常”を侵食する恐怖をテーマに募集します。


ゆっくりと日常が崩れていく。

私たちが当たり前だと思っている身近な「日常」の ○○ が――

結婚、家族、幸せ、仕事、会社、隣人、推し活、バイト、マンションの掲示板、当たり前の通勤ルート、SNSの通知、エレベーターの階表示、“そのどれか”のほんの一部が、少しだけゆがむ。


最初は「気のせい?」で済ませられた違和感が、徐々に説明不能な形で増幅していき、気づけば読者の現実にもゆっくり、確実に入り込んでくる――

そんな“得体の知れない恐怖”をお待ちしています。


一見ホラーと無関係なキーワードとの掛け合わせを歓迎します。

今回は特に、日常の幸福やポジティブなキーワードとの組み合わせを推奨します。

  • 温かい家族
  • 和気あいあいとした家族のような会社
  • 理想の結婚生活
  • 引っ越し・新居・マンション生活
  • バイト先の仲間
  • 推し活・友人グループ
  • SNSで見かける幸せ報告

…など、「絶対にホラーとは結びつかないはずのもの」が、ある瞬間を境に“何か”に取り憑かれたように様子がおかしくなっていく。幸せそのものの意味すら揺らぐような、“明るさ × 異常” のコントラストを活かした恐怖をお待ちしています。

キーワード

#フェイクドキュメンタリー #結婚 #家族 #幸せ #会社 #仕事 #行方不明 #都市伝説 #怪異 #呪い #呪いのビデオ #遺品 #儀式 #死 #異界 #探しています #浸食 #封印 #情報提供を待っています #怪談 #厄災 #樹海 #自己責任 #安否不明 #地名 #エレベーター #禍 #事件 #闇バイト #SF #恐怖 #ミステリー #先入観

これらはあくまで皆さんにイメージしてもらいやすくするためのヒントにすぎません。必ずしも上記に縛られる必要はありません。


目に見えないもの・説明できない現象が入り込んでくる作品を

  • ありふれた家族Vlogの裏で起きていた、祝福とは真逆の異常
  • 都市伝説取材のはずが、自分のログに“知らない人物の足跡”が残っていく
  • ノベマ!の通知欄に、なぜか“読んでいないはずの自作小説の削除連絡”が届く
  • いつものマンションの掲示板に、投稿者不明の「探しています」が増えていく
  • 引っ越し先の間取りをよく見ると“そこに存在しないはずの部屋番号”が記されている
  • 取材映像の文字起こしと、実際の音声内容が一致しない
  • バイトの業務日報が、ある日を境に“書いている人が違う”

など、日常と地続きであるからこそ“避けられない”恐怖を表現してください。


“読む”だけではなく、読者が“巻き込まれる”ような仕掛けを盛り込んだ作品も大歓迎です。


日常が揺らぎ、先入観が壊れる物語を、あなたが「実際にありそう」と感じた身近な恐怖、説明のつかない違和感、論理では補えない“目に見えない何か”を、モキュメンタリーホラーという形式で物語にしてください。


あなたの物語を読んだあと、読者の日常にどんな“ほころび”が生まれるのか――

その仕掛けを楽しみにしています。

▼募集テーマや評価ポイントについて、スタ文編集部が「座談会」で解説!

▼コワゾーさん×スタ文編集部「座談会」

映像化にあたってのコワゾーさん的評価ポイントとは?

前回コンテストからの書籍化作品

『ある映画の異変について目撃情報を募ります』海藤文字 /著

『四ツ谷一族の家系図』沼堂幼太郎 /著

『この本の拡散は防止不可能です』小林力 /著

大賞(1作)

スターツ出版から書籍化確約+コワゾーによるショートドラマ化確約+賞金30万円


長編賞(作品数未定)

スターツ出版から書籍化検討+賞金5万円


短編賞(作品数未定)

スターツ出版から書籍化検討+賞金5万円


コワゾー賞(作品数未定)

コワゾーによるショートドラマ化確約

応募方法

  • 事前にノベマに会員登録の上、作品を投稿してください。
  • 【作品編集】の【表紙】のキーワード設定で「モキュメンタリー」をキーワードに追加してください

STEP1

エントリーしたい作品の【作品編集】から、【設定】画面のコンテスト応募第2回モキュメンタリーホラー小説コンテストを選択します。

STEP2

エントリーする部門を選択し、あらすじを入力してください。

  • あらすじとは、ストーリーの全容、登場人物の設定や大きな流れを簡潔に明記したもので、この内容を元に審査を進めさせていただきます。
  • このあらすじは、他のユーザーには公開されません。(エントリー締め切り日まで編集できます。)
  • あらすじの文字数(400字程度)は、審査時はカウントいたしません。

※以下は参考イメージです。

STEP3

ページ最下部の【設定を保存する】ボタンを押すとエントリー完了です。

作品文字数

「ノベマ!」上で、以下の文字数におさめてください。

■ 短編部門 20,000字以内

■ 長編部門 40,000~100,000字

(1ページの最大入力可能文字数は10万字です。)

画像アップロードについて

ノベマ!では、画像をアップロードし、作品の表紙や、本文内に挿入してご利用いただけます。コンテスト応募作品についても、画像使用可能となりますので、ご活用ください。


◆画像のアップロード方法

  1. 作家メニュー >(該当作品の)作品編集 > 本文 にて、テキスト入力欄上の画像追加アイコンをClick
  2. 「新規アップロード」ボタンを押し、画像を選択、アップロード。
  3. アップロード済みの画像が表示されるので、「ページに追加」ボタンを押すと、本文内に画像が追加されます。
  4. 「保存する」ボタン → 「プレビュー」ボタンを押すと、文中にアップされた画像が確認できます。


◆アップロード可能な画像形式・容量

  • 画像形式:jpg, png, gif
  • 1枚あたりの容量上限:6MB

※アップロード後、長辺750pxのjpgに変換されます。


※著作権者・肖像権者からの許諾なしに画像をアップロードすると、罰金を課せられる場合があります。

※画像はアップロードされた時点で運営局の確認対象となり、著作権、肖像権など、権利侵害の可能性がある場合、運営局によって通告なく削除させていただきます。


画像アップロードについてのヘルプを見る

スケジュール

  • 2025年12月9日(火) エントリー受付開始
  • 2026年2月27日(金)13:00 エントリー締め切り
  • 2026年4月下旬 結果発表

※スケジュールは変更になる可能性があります。

応募資格

不問(プロ、アマ、年齢等一切問いません)

但し、専属マネジメント契約等を交わしている場合は、担当会社様への事前のご確認をお願いいたします。

対象

小説投稿サイト「ノベマ!」に投稿された作品。

コンテストテーマに沿った作品であれば、複数エントリーしていただけます。

以下に該当する作品のエントリーは不可となります。

  • 「ノベマ!」の規約に反するもの
  • 過去に書籍化されたもの
  • 書籍化の予定があるもの
  • 本人以外に著作権及び著作隣接権があるもの
  • 現在開催中である他の文学賞に応募しているもの
  • そのほか当編集部が不適切と判断したもの

注意事項

  • 複数作品のエントリーを可とします。
  • 新作を推奨しますが、テーマに沿った作品であれば、既存作品の応募も可能です。
  • 他の公募コンテストに応募中の作品は、選考対象外となります。 
  • 電子書籍も含め書籍化されていない、もしくは書籍化の予定がない、また小説、映画、コミック、アニメ、ゲーム等商業用途で二次利用されていない、日本語で書かれたオリジナル作品に限ります。
  • シリーズ作品や続編、サイドストーリーなど、その作品だけでは物語が完結していない場合、原則として審査対象外となります。ただし「第1巻」などとして、その巻だけでもストーリーが完結している場合は審査対象となります。
  • 締め切り後の作品内容編集は、誤字脱字の修正のみ可といたします。番外編等の追加を含む大幅な内容の編集をされた場合、失格となります。なお、締め切り後に作品掲載ポリシー違反が発覚した場合も同様に失格となります。
  • 選考対象外になる事実が認められた場合、結果発表後であっても受賞が取り消される場合があります。
  • 文字数不足など当社出版基準に満たない場合は、出版できないことがあります。
  • 出版の際には、当社編集方針により作品を編集させていただくことがあります。

審査について

審査員

スターツ出版 書籍編集部


審査方法

すべての作品を読んだ上で、総合的観点から審査いたします。

諸権利

受賞作品の出版権、雑誌掲載権、インターネット上への掲載権、コミカライズ権、映像化権等はスターツ出版株式会社に帰属します。受賞作品の全部または一部を、スターツ出版が発行・運営する紙面、インターネット、スマートフォン向けサイトに掲載することがあります。

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