童ノ宮奇談

和風ファンタジー

童ノ宮奇談
作品番号
1762593
最終更新
2025/12/04
総文字数
185,100
ページ数
74ページ
ステータス
未完結
いいね数
0
「神孕みの外法」

火が揺れ、
鳥居の影が二人の身体を裂くように伸びていた。

一人はこの世に成ったばかりの稚児。
一人は自らの血肉を捧げ、痛みと引き換えに神の加護を請うた娘。

稚児は白衣に血を滲ませ、
その手で、倒れた娘の肩をそっと支えていた。

稚児は何も語らない。
娘も何も語らない。

だが神が見つめる先にあるものと
娘の意識が途切れる寸前家がいた者は同じだった。

それは想いとなり言葉となって
神孕みの外法を成り立たせた。

炎の向こうでおぞましく、どす黒いモノたちが
耳障りな嘲笑をあげ、騒ぎ立てている。

この世には神の救いも仏の慈悲もないのだと。

そうかも知れぬ、と稚児は応える。
しかし、ならばこそ。
お前たちの前にこの天狗が立つのだと。

オン スマンキ テング アロマヤ ソワカ。
オン ヒラヒラ ケン ヒラケン ケンノウ ソワカ。

――語りに沈めてください
あらすじ
これは呪いの物語。
そして、祝いの物語。

怪異が日常を蝕む街・童ノ宮。
そこでは、語りに選ばれた者たちが、祟りと祈りの狭間で生きている。

物語の中心にいるのは――、塚森キミカ。
怪異に見込まれ、傷つきながらも他者を思いやる優しい女子中学生。
彼女のそばには、童形の神・稚児天狗が寄り添い、静かに見守っている。

血まみれの恐怖。
祈りの残響。
そして、語りの器を開く者はあなたかもしれない。

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