その聲は電子の海で永遠に響く、君がいなくなったこの世界でも。

青春・恋愛

水卜みう/著
その聲は電子の海で永遠に響く、君がいなくなったこの世界でも。
作品番号
1734336
最終更新
2024/10/07
総文字数
104,747
ページ数
22ページ
ステータス
完結
いいね数
3
足立晴彦はコミュニケーションが苦手な高校生男子。唯一曲を作ることだけが得意で、その才能を相模陽菜世に見出される。
陽菜世は同級生でドラム担当の金沢紡、晴彦の古い知り合いであるベース担当の小牧凛を巻き込んでバンドを結成する。高校生アーティストの日本一を決めるコンテストに臨むため曲作りと練習というバンド漬けの日々を送ることとなった。
当初はバンドメンバーともコミュニケーションがうまく取れなかった晴彦だったが、陽菜世のアシストもありだんだん周囲と打ち解けられるようになった。
コンテストの予選ライブを迎えたが、あえなく落選が決まった。そのタイミングで、陽菜世は自分の余命があと半年であることを晴彦へ打ち明ける。
陽菜世は余命を知ったとき、自分は人生で何もできていないと感じ、自分を変えようと必死になった。
もうこれ以上の未練を残したくなかった陽菜世は、等身大の青春を晴彦と過ごしたいと考え、恋人になってほしいと晴彦に告白する。
陽菜世の気持ちを受け止めて交際を始めた二人。すると晴彦は、陽菜世の声がどんどん出にくくなっていることに気がつく。
声が失われるのを恐れた晴彦は、彼女の声を一音一音記録し、サンプリングすることで永遠にその声が失われないよう手を打つ。
文化祭ライブは無事開催され、陽菜世は最後のステージを全力で歌い通した。しかしその後すぐ入院することになり、陽菜世は帰らぬ人となった。

陽菜世の死後、晴彦はなんのために生きていけばいいのか変わらなくなり、引きこもるようになる。
彼は自室で黙々と曲を作り、サンプリングした陽菜世の声をベースにしてまるでボーカロイドのように歌を歌わせていた。現実逃避と言わんばかりに曲を量産し、本当にボーカロイドであるかのように陽菜世の声のアバターとなるキャラクター――『ヒナ』までデザインした。
そんなことをしても陽菜世は帰ってこないことは十分わかっている晴彦だったが、辛さを忘れるためにただただ曲を作り陽菜世の声に歌わせ続けた。
再び春がやってきそうになった頃、晴彦がデザインしたキャラクター『ヒナ』に陽菜世の魂が宿ったのだ。
ヒナに支えられ、晴彦は再び紡、凛とバンドを結成し、陽菜世が叶えられなかった目標を一つずつ果たしていく……
あらすじ
コミュ障の主人公晴彦が、陽菜世に才能を見出されバンドを通して人々と通じ合っていく。しかし陽菜世の命はもう長くなく、夢半ばで彼女はこの世を去る。
絶望の縁で苦しむ晴彦だったが、ある時自作のキャラクターに陽菜世の魂が宿ってしまった。
これは陽菜世の死で絶望する晴彦が周囲に支えられ、再びバンドをやり直そうとする成長物語。

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