青春・恋愛
完
- 作品番号
- 1730800
- 最終更新
- 2024/10/21
- 総文字数
- 86,319
- ページ数
- 20ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 3
“記憶能力欠乏症”
先天性はゆっくりと進行していくのに対して、後天性はあっという間に進行する。
両者とも共通しているのは、最終的に記憶が無くなり、死にゆくこと。
運命は時に残酷だ。
だけど、貴方と私。2人一緒なら、どんな“未来”も怖くないと思うのです。
(病名は架空のものです)
2024/10/18 完結
2024/08/06 更新開始
- あらすじ
- 「この学校を卒業できる確率は10%未満」そう医者に言われ望む、高校の入学式。高校1年生になった森野未来は、どうせ卒業できないならと、同級生との交流を一切しないことを心に決めた。そんな彼女、実は運動が苦手。初めての体育の授業でやったランニングでトップと6周も差がついた森野は、それを機に体育教師の佐藤にやたらと絡まれ始める。
先生と生徒。病気を巡る、切ないけど温かいお話。
この作品の感想ノート
お疲れ様です。
僭越ながら感想を残させて頂きます。
とても儚く可憐で力強い作品でした。
あと僅かな余命、しかし特異な病気から、余り実感の沸かないミク。そのミク視点だからこそ、序盤は、当たり障りない日常の中に訪れた、明るくポジティブな佐藤先生との微笑ましいやり取り。
二人だけの秘密も共有することで、必然的にもっと深い想いに変わりつつある中で、佐藤先生にも訪れた悲運。二人だけの秘密はより深くなり、記憶の欠落というおどろおどろしい足音に怯えつつも、互いに自分よりも、相手を慮るその優しさと、愛しさから、人の強さを、繋がりの強さを感じて、胸が苦しくなると同時に、温かく満たされた気持ちになりました。
二人を取り巻く人達も、それぞれが、志しや後悔を持ち、すれ違いを続けながらも葛藤していく様は、上記の強さに対して、人のどうにもならない微力さをひしひしと感じさせられたように思いました。
どんなに病気が進行したとしても、最期の最期まで、互いの記憶は残っていて、お互いにどれだけ大切な記憶として、人として、心臓として刻まれてのかが読み取れて、二人の運命を思うと胸が締め付けられました。
二人一緒に死ぬ…………。それも予想外の展開で。
最期は救われたように旅立った二人を見てれ、少し
ホッとした気持ちと、どうか来世では、例えアリでも(笑)幸せになって欲しいです。
病気を知らなかったクラスメイト。友人を作ることを拒んだミク。人対しての無関心。そして関心を持ってくれた佐藤先生。友人と兄を失った、ナベ先生と戸野くんの後悔から成るお節介。いつも明るく接してくれた朱音さん。距離を置いた両親。
こういった人の複雑な繋がりが、けしてフィクションのものではなく、今ある繋がりをもっと大切にしていきたいと思わせてくれる、素敵な作品でした!
長くなりましたが、素敵なお時間をありがとうございました!✨✨
これからもご無理のない範囲での活動、頑張って下さい!🍅
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