1年生最終日。
佐藤先生から貰った色紙を信じて、私は久しぶりに重い足取りで教室に向かった。
結局色紙を貰ってから今日まで、学校には一切近寄りもしなかった。何だかんだ理由を付けて距離を置いた、面倒臭がり屋な私。
一方、佐藤先生は体調に波があり、休みや早退を繰り返していたらしい。そして早退した日は必ず、わかば園まで来てくれていた。
「っあ、森野!!」
教室に入って第一声、私の名を呼ぶ戸野くんの叫び声が飛んできた。その声に釣られてクラスメイト全員がこちらを向く。そして「森野さん、やっと来た……」などと、みんなが嬉しそうに声を上げたのだ。
「森野、みんな待ってたんだよ」
「みんなが?」
「そう。みんな、君を待っていた」
自分の席に向かい鞄を置くと、ゾロゾロとクラスメイトたちが集まって来た。初めての状況に戸惑いながらも対応していると、その様子を戸野くんが嬉しそうに眺めていた。
意外にも私なんかと話したい人が居たらしい。私にいじめをしていた集団は近寄って来なかったけれど、遠くから静かに様子を眺めていた。
クラスメイトに囲まれながら修了式に参加し、その後のホームルームが終わってからも囲まれ続けた。
戸野くんから私の病気のことを聞いたってだけで、ここまで変わることもあるかと疑問に思っていた。しかし、その疑問は直ぐに払拭される。どうやら1年間、私がクラスメイトと一切関わって来なかったことが原因らしい。関わらないからこそレア感が増す。つまり関わらないからこそ、1年A組の中でレアキャラになっていた……らしい。
そして、プラスして同情。こちらはあまり良いものではないが、誰しも『病気』『余命』と聞けば、『可哀想』という思いが発動するものだ。それが原動力となり話してくれた人もいるみたい。
放課後、疲労困憊となってしまった私は、帰る前に教室で休憩していた。沢山のクラスメイトと会話をできたのは良かったけれど、病気が進行中の私にとっては少々辛いものだった。
机にうつ伏せて休んでいると、ゆっくりと教室の扉が開く。
「森野」
「佐藤先生……と、戸野くん」
静かな教室に現れた先生と戸野くん。珍しい組み合わせに首を傾げていると、戸野くんは私の隣に座り、先生は私の後ろにゆっくりと座った。
窓の外から聞こえてくる生徒の声。そちらの方に寂しそうな視線を向ける先生と、真っ直ぐ優しそうな瞳で私を見つめてくる戸野くん。黙ったままの2人は、特に何かを言うわけではなかった。
「……森野。色々と本当に申し訳なかった。陸也くんに頼まれたとは言え、森野の気持ちも考えずに勝手なことして、本当に申し訳なかったと思っている」
「本当だよ」
ごめんなさい、と呟き深く頭を下げる戸野くん。それを横目に、私も佐藤先生と同じように窓の外を眺めた。静か言葉を継ぐ戸野くんの声に耳を傾けながら、楽しそうな生徒たちに目をやる。キャッキャと男女が騒いでいる様子に、私には無い青春を感じた。
「僕が1年A組のみんなに森野の病気を話した理由は、陸也くんの願いと同じ。どうにかしてでも、僕は森野に同級生と関わりを持って欲しかった。……だけど最初クラスで話した時、酷く驚かれたし……大体、森野いじめられていただろ。だから、正直な話。異常なまでに雰囲気が悪くなった」
「……でしょうね」
戸野くんの言葉に、ずっと黙っていた先生が口を開いた。ボソッと「結局、何でいじめられていたのか、聞いてないな……」と呟いたものの、その言葉は聞こえなかったことにした。
窓の外では楽しそうな生徒の横で、鳥たちが追いかけっこをしている。妙にその様子が気になり、ジーっと見つめる。すると、同じように鳥を眺めていた先生は「俺も鳥になりたい……」とまたボソッと呟き、頬杖をついていた。
「……結局、改善できなくて。僕は中途半端にクラスの空気と森野の印象を悪くしてしまっただけだった。自分ではどうしようもなくなってしまった時、助けてくれたのが、佐藤先生だった」
「……え?」
頬杖をついたままの先生。
まだ鳥を眺めながら「戸野の為じゃないよ。森野の為だから」と呟き、今度は机に顔を伏せる。先生の顔が青白い。調子が良くなさそうな様子に、少しだけ焦りを覚える。
「俺は結局、森野がいじめられていた原因を知らない。だけど、戸野が悪くした空気を良くすることはできる。担任では無いけれど、教育的指導を何度も繰り返してきたクラスだ。俺の手にかかれば、難しいことなど何もない」
言葉は自信に満ち溢れているが、声色は弱々しい先生。ニコッと力無く微笑んでいる先生に「流石ですね」と言葉を掛けると「当たり前だ」とまた声を出し、小さくガッツポーズをした。
「結局、僕は沢山の人を巻き込んで困らせただけだった。陸也くんの頼みを完遂させたいとか、兄の無念を晴らせたいとか、色んなことを考えた故の行動だった。だけど結局、色んな人を困らせて、特に森野については酷く苦しめた。……僕は馬鹿だ。本当に、ごめんなさい」
私に向かって深く頭を下げる戸野くん。
視線を窓からそちらに移して姿を眺めた。
戸野くんのやったことは確かに間違っていた。けれど正直なところ、あの色紙も嬉しかったし、今日のクラスメイトの様子も嬉しかった。こんなにも同級生と会話をしたのは初めてだったし、自分が改めて高校生であり『1年A組に所属している生徒』であることを、最終日である今日、ちゃんと実感することができた。
ここに至るまでの過程は最悪だったけど、私は戸野くんをこれ以上責めようとは思わない。
「戸野くん、謝らないでよ。私が惨めに思えるじゃない」
「……森野」
「でも、結果的には良かったんじゃないかな。……とはいえ、戸野くんもナベも、2人のことは一生許さないけど」
「……」
「なーんてね」
そう言って誤魔化し「ふふーん」と軽く微笑んだが、顔を上げた戸野くんは泣いていた。
徐々に日が落ち、薄暗くなる教室。
うつ伏せたままの先生は「戸野、遅くなる。もう帰れ」と小さく呟いていた。
「……てか、先生。僕は兄貴を見ていたから分かります。佐藤先生、本当に不味いですよ」
「何が?」
「惚けないで下さい。病気のことですよ。このままでは先生は……!!」
「不味いとかどーとか言うけど、どうせ死ぬしか未来は無いんだ。……大体な、不味いのは当事者である俺が1番分かってるっつーの。バーカ」
“記憶能力欠乏症”の後天性である佐藤先生。
やっぱり、先天性の私とは比べ物にならないくらい、病気の進行が早かった。
先生は、私に会いに来てくれる度に少しずつ弱っていた。
このままでは新年度を迎えられないかも、なんて笑っていたけれど。それが現実になりそうで怖い。
私も先生と同じペースで病気が進行すれば良いのに。
病気は間違いなく進行しているけれど、先生とはやっぱり比べ物にならない。それが物凄くもどかしかった。
「戸野……とにかく帰れよ。森野にちゃんと説明したんだから。もう良いだろ」
「帰るのは先生の方です。僕は森野と帰ります」
「バーカ。森野は俺が送るんだ。お前はさっさと1人で帰れ」
「そんな青白い人が何を」
「残念。こちらは車なものでね。お前には負けんぞ」
まるで玩具でも取り合う子供かのような2人のやり取り。
その様子を呆然と眺めていると、何だか思わず笑いが零れた。
「……戸野くん、先生と話すことがあるんだ。私、先生と帰る」
「僕、振られたってこと?」
「うん。バイバイ、戸野くん」
何の躊躇いも無く手を振り、戸野くんに別れを告げる。彼は物凄く不満そうだったが、私と先生の意思を汲んで1人で帰ってくれた。
教室に先生と2人きり。椅子を先生の方へ引き寄せて座り、そっと頬を寄せた。呼吸音が聞こえるほどの至近距離で顔を覗き込み、優しく頬に自身の唇を重ねる。音を立てないように離れて再び顔を覗き込むと、嬉しそうに微笑んでいた先生は「幸せ」と呟いてニコッと更に口角を上げた。
「……未来」
「……先生、大丈夫ですか」
「うん、大丈夫。めちゃくちゃ元気が出た」
ゆっくりと体を起こした先生の顔色は、やっぱり青白かった。だけどしっかりと微笑み、「まだ死なんぞ!」と小さく声を上げた。
暗くなってしまった教室に差す僅かな光。それだけを頼りに教室から出て、先生は職員室に荷物を取りに行った。
そこから移動する際、手摺りを握りながらも時折バランスを崩す先生が心配だった。結局のところ、佐藤先生はどうしようもないくらいに弱っている。大丈夫だと言う言葉とは裏腹に、身体は限界に近そう。
「……しかし、未来は強いね」
「唐突になんですか」
「いや、どうしても伝えたくなった。あんなに同級生とは関わらないって言っていたのに、ちゃんと受け入れて凄い」
「……強いのは、先生です。てか、先生のお陰で穏便に済みました」
「俺は何もしていない。未来の努力だよ」
「違いますよ。先生変なの」
先生の車に乗り込んですぐ、シートベルトを嵌めた先生はそう呟く。ふぅ……と溜息を吐き「行くね」と声を発した先生は、少しだけ口角を上げて微笑んでいた。
すっかり暗くなってしまった外。
窓の外に見える真っ暗闇に目を向けると、ちょうど校門の辺りに咲いている桜が視界に入った。
この前の菜の花もそうだったけれど、今年は花の開花が早い。そう思ったのは佐藤先生も同じだったようで、「森野が筋トレ出来ずに怒り狂った去年の4月。あの日も、桜が咲いていた」と言った。
「……私、怒り狂っていませんよ」
「でも、あの時が1番最初だったな。2人で見つめた中途半端な桜。今の桜を見ても、あの頃の記憶が鮮明に蘇ってくる。いつ消えるか分からない記憶なのに、俺の中で大切な記憶として今でも綺麗に色づいているんだ」
「……先生。今度、桜を見に行きましょう」
「桜、見に行く?」
「はい。先生と一緒に桜が見たいです」
先生の方は向かずに窓の外を向いたまま、そう言葉を投げかける。運転中の先生は「ふふっ」と1回微笑んで「良いね、絶対行こう」とまた笑顔で答えてくれた。
他愛のない話をしながらも、やっぱり辛そうな先生。
青白さは変わらないままの顔で微笑み続け、どうにか川内総合病院に辿り着く。そして外来駐車場に入って車を停めた先生は「……未来、着いたよ」と一言呟いたのを最後に、そのまま意識が無くなってしまった。
「えっ、先生?」
「……」
「先生!?」
真っ先に心音を確認するも、音は変わらず聞こえ続けていた。それにひとまず安心しつつ、今度は軽く体を叩いてみる。それでも佐藤先生は目を覚ます気配が無かった。
「……う、嘘でしょ」
車から飛び降り、わかば園の玄関に向かう。
私自身も体力が低下しているというものの、今はそんなこと気にしていられない。今の私が出せる精一杯の力を振り絞ってナースステーションに向かい、朱音さんを呼んだ。
「朱音さん、朱音さん!」
「未来、おかえり」
「おかえりじゃない!! ねぇ、朱音さん! 助けて!!」
「どうしたの!?」
全力で朱音さんを外に呼び、佐藤先生の車まで連れて行く。そして、今も変わらず意識が無い佐藤先生を見てもらうと、スマホを取り出して速攻どこかに電話を掛けた。
「…………あ、渡邊? 至急、大至急でわかば園付近の外来駐車場まで。君の患者がピンチだ」
それだけを告げた朱音さんは、今度は急いで座席の背もたれを倒して先生の体を横にした。楽な体勢を取らせる。何が原因であっても、それがコツなのだと朱音さんは教えてくれた。
焦っている私を横目に、至って冷静であった朱音さん。聞いた話によると、少し前までは看護師をしていたらしい。今でこそわかば園の受付担当というイメージが強いが、かつては病院でバリバリ働いていたみたい。
その頃の記憶と知識が役に立っているんだ、と微笑みながら流れる汗を拭っていた。
暫くすると、飛んでくるようにやってきたナベ。
いつもの白衣を適当に羽織っただけのナベは、佐藤先生の様子を見て一瞬で表情を曇らせた。「急いで処置をする必要がある」と呟くと、脳神経内科の看護師に連絡をしてストレッチャー持ってくるよう指示を出していた。
男数人で車の中から佐藤先生を運び出して、持ってきたストレッチャーに乗せる。そうして向かう先は、病院側の救急だ。
「ナベっ、先生は大丈夫?」
「今はまだ分かんない。未来ちゃんはわかば園に戻ること。明日以降、容体については教えるから」
「ナベっ……」
「……けれど、大丈夫。佐藤さんはそんなにヤワじゃないでしょ」
カラカラと音を立てながら移動していくストレッチャー。その上に乗っている佐藤先生と、隣で走っているナベを見送ると、そっと朱音さんが私の肩を叩いた。そして何も言わず、ただただ遠くなるナベたちを眺めながら「今日のところは、部屋に帰ろう」と小さく呟いたのだった。
その日の夜、私はあまりにも眠れなかった。
意識を無くした佐藤先生の様子があまりにも衝撃で、不安で……怖くて。できればもう二度とその様子は見たくないんだと、素直に思った。
「……とかいう私も、いつそうなるか分からないけどね」
結局、私も佐藤先生と同じ病気なのだから。私自身だって、いつ急に意識が無くなるのかわからない。生と死。私と佐藤先生。色々なことを想像し、勝手にモヤモヤしながら静かに布団の中に潜り込んだ。
「私……いつ悪化するのかな」
先に病気を抱えていた私の方が軽いなんて、やっぱり理解できない。とはいえ、それがまた現実であり避けられない。私も佐藤先生と同じように病気が進行すればいいのに……。そう考えるとやるせない気持ちになってしまう。
翌日、ナベに呼ばれて病院側に向かった。
東棟の6階、625号室。
ここが佐藤先生の病室らしい。
【脳神経内科 佐藤未来】と書かれている部屋の前に立ち、小さく深呼吸。扉の取っ手を掴むも……開く勇気が出ない。意識が無かったらどうしよう。病気が更に悪化していたらどうしよう。考えても仕方ないことを永遠と考え立ち尽くしていると、背後から声がかかった。
「未来?」
「……え、せ……先生!!」
「未来~!! 元気か、おはよう!」
「お、おはようございます!?」
振り向くと、薄い青色の病院着を着ている佐藤先生が立っていた。無邪気な笑顔を浮かべて「朝早いな!」と声を上げた先生は、ゆっくりと扉を開いて「まぁ、入れば?」と私の肩を叩いた。
「……てか、え?」
私の想像を遥かに超える先生の姿。
昨日の苦しそうで辛そうだった先生はどこへ行ったのか。青白かった肌にも血色が戻っており、仄かに頬が赤らんでいた。
昨日は夢だったのか。そう思うくらい、先生は生き生きとしてきた。
「未来、座りなよ」
「……先生、元気になったのですか」
「俺はいつも元気だよ。っていうかさ、さっきから気になっているんだけどさ」
「ん?」
「俺のことを“先生”って呼ぶの、何で? 俺、医者か教師だったっけ?」
「………………え?」
記憶欠乏……その言葉が真っ先に思い浮かんだ。それと同時に、無邪気な笑顔の先生の様子に涙が滲む。私のことは覚えているようだけど、教師だった自分自身のことは忘れているような様子だった。
体が震えるのを抑えられない。小刻みに震える手を握りしめていると、不思議そうな表情をした先生が首を傾げながら私の元に近付いて来た。
「未来? どうしたの」
「あっ……いや」
溢れるように涙が零れた。元気いっぱいの先生の様子が嬉しい反面、昨日とはまるで違う状況が猛烈に悲しい。「未来?」と優しく名前を呼んでくれる先生だったが、先生と私がどこで出会ったのか、それは分からないみたいだった。教師という仕事に紐づく記憶の殆どが無くなっているのかもしれない。
先生と雑談をしていると、様子を見に来たというナベが部屋に入ってきた。「渡邊先生、おはようございます」と姿勢良く頭を下げた佐藤先生。容体を確認したナベは「体は昨日よりマシだね」と小さく呟いていた。
ナベによると、やっぱり“記憶能力欠乏症”の悪化らしい。
昨日意識が消失したことが原因となり、佐藤先生の中にあった記憶が一気に欠乏していった。
両親のこと。友達のこと。
学校のこと。同僚、上司のこと。生徒たちのこと。
そして、ナベのことも。
佐藤先生の場合、とにかく人のことを忘れていたみたい。
意識が戻った時の第一声が「未来……未来、どこ!?」だったみたいで、それを聞いて記憶は大丈夫かと安心したのも束の間。私以外の人のことが一切分からなかったのだ。
沢山の人を忘れているのに、佐藤先生の中に唯一残る私の存在。それが今後のキーポイントとなるはずだと呟いたナベは、何故か少しだけ複雑そうだった。
「佐藤さん、今日は昼から脳の検査をしますから」
「分かりました」
すっかりナベに対して丸くなった先生。
ペコッと頭を下げる様子が新鮮だったけれど、それ以上に悲しさが勝る。
その後、ナベは佐藤先生に関する現状を教えてくれた。
今の先生は“記憶能力欠乏症”の症状を抑える薬を飲んでいるらしい。この薬は身体的な体調不良を改善するものであって、病気の進行を止めるとか、記憶欠乏を改善するとか、そう言った効能は一切無い。
失った記憶を取り戻すことはできないし、体力の低下も抑えられないけれど。薬さえ飲んでおけば、最低限元気よく過ごせるはずだと、ナベは呟くように言った。
「————じゃあ、佐藤さん。お昼過ぎにまた来ますから。ここでゆっくり過ごしておいてください。未来ちゃんも、お昼ご飯が配膳されるまでに、わかば園に戻ってね」
「……はーい」
小さく頷き、去っていくナベ。
急に訪れた静けさの中、先生と私は2人で椅子に座って窓の外を眺めた。
雲1つ無い青空。名前の分からない鳥が飛び交う様子を黙って眺めていると「……違和感なんだ」と、先生は突然呟いてそのまま顔を伏せた。
「未来。本当に違和感なんだよ。さっき渡邊先生も言っていたけれど、俺は未来とどうやって出会ったのか、今まで何をして過ごしていたのか。正直な話、ここ20数年の記憶が一切無い。……ていうか、俺って一体何歳だっけ。それすら、分からない」
先程まで笑顔だったのに、急に真顔になり頭を抱える先生。
椅子から立ち上がった私は、先生の背後に回ってそっと抱きしめる。そうして不安そうな様子の先生の腕を優しく撫でながら「……大丈夫です。大丈夫」と、一切根拠のない言葉を繰り返し先生に聞かせた……。