プロフィール

馳月基矢
【会員番号】694619
離島育ちの野生児。
京都修行を経て今に至る。

2020年1月、ペンネームを変更しました。

氷月あや
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馳月基矢(はせつき・もとや)

レビューリスト

いとおしいその色に、輝き続けてほしいから
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鮮やかに澄んだ茜色。 それは自分とは違う色だと、茜は思う。 マスクに依存して顔を隠し、本心を隠し、言いたいことを言わず、やりたいことを見付けられない。 優しく瑞々しい青磁色。 それは彼らしい色だと、次第に気付いていく。 初めて会ったはずなのに茜の何もかもを見抜く目をして、嘘つきだ嫌いだと言い切り、茜を傷付けた彼だったけれど。 我が強くて自由な青磁に引っ張り回され、茜の目は、身のまわりに溢れる美しい色と風景を知り始める。 絵を描く青磁の目に映る世界は、なぜこんなにも輝いているのか。 その理由に触れたくて、ただ青磁の側にいたくて、茜の心が大きく動き出す。 美しい情景と絵、怯えて揺れる茜の心、芽生えていく初めての恋を、細やかに描写する筆致が魅力的。 誰もが皆、茜のように、わずらわしいけれども嫌いになれない日常の中で生きている。 茜への共感が、頑張る元気をくれた。

2017/05/03 06:06
恋愛・青春 300ページ ・総文字数169,361
窓越しに憧れた青空を、今、きみと。
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ひたむきに空を飛ぶ彼はとても美しい生き物で、一目で好きになった。 次の瞬間、彼こそが、親友が想いを寄せる人なのだと知った。 親友と一言で済ませられないくらい大切な彼女のために、「私」は、恋する想いを消そうと決めた。 人とコミュニケーションをとるのが苦手で少し臆病な遠子が、絵を描くことを通して、恋のキラキラした気持ちや切なさ、嫉妬、苦しみ、いろんな感情に気付いていきます。 色鮮やかなその文章表現が美しく、胸に迫ります。 遠子が恋する彼方の棒高跳びのシーンもまた、遠子の目に映るままに丁寧に、自由に、輝かしく描写されています。 彼方という少年と棒高跳びという競技の魅力が語られ、ストーリーに圧倒的な説得力を与えているように感じました。 切なくてまっすぐで爽やかな、始まったばかりの恋の物語です。

2016/11/18 17:04
恋愛・青春 140ページ ・総文字数71,241
年齢差、15歳。ふしぎで優しい同居生活。
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無精髭を生やして、ぶっきらぼうで、無愛想。 でも、本当はとても優しくて不器用。 柔らかな染め物をする、32歳のおじさん。 学校が楽しくない祈は、不登校を続けるある日、唐突に、デザイナーの母の元部下だというそのおじさんのもとで生活することになった。 高校生にとって日常であるはずの「アッチ側」と、新鮮で居心地がいい「コッチ側」。 2つの価値観を見比べながら、ときに胸の痛くなる出来事に遭遇しながら、祈は自分と向き合っていく。 学校に行かないのはワルイコトなのか、仕事ばっかりの母への正直な気持ちはどこにあるのか、将来が何も見えない不安をどうすればいいのか。 おじさんは祈の疑問に丁寧に答えてくれるわけではないけれど、祈はおじさんのそばにいることで、自分なりの答えを探していく。 後悔は、必ずある。 だから、有意義な後悔を。 でこぼこな二人が少し切なくて、けれどとても爽やかな物語でした。

2016/09/23 01:04
恋愛・青春 183ページ ・総文字数126,567
あの日、来なかった君を、今も思い出すよ
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大学一年生のころ、「僕」は渡に出会った。 どこか斜に構えて不機嫌そうで、影を背負ったような、独特な雰囲気の渡。 純文学をきっかけに次第に仲良くなった「僕」と渡は、ありふれた友達同士として、ひと夏をともに遊ぶ。 海へ行こう。 朝からママチャリを漕いで。 約束を交わす二人に訪れる悲劇に、胸を締め付けられました。 渡の背負った罪悪感と因縁、祈り、愛、悲しみは、彼自身の口からは決して饒舌には語られません。 本質的には明るい渡の諦めきった表情は、だからこそ、なおのこと強く印象に残ります。 一人の女性を愛した二人の青年の、ともに過ごした短い青春の記録です。

2016/09/12 13:52
恋愛・青春 146ページ ・総文字数82,894
廃墟の教会に、切なさの調べが重なって
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何かとても大切なことを忘れている。 高校生になって充実し始めた日々の中で、美冬は気付いた。 知っているはずのことを思い出せない。 知らないはずのものを大事にしている。 読み進めるごとに、美冬の消えた記憶、雪夜の背負った十字架の謎が明かされていきます。 クラスメイトの嵐や梨花の明るさと強さに背中を押されながら、悲しみに向き合う美冬の心の成長が、胸に残りました。

2016/09/11 00:37
恋愛・青春 303ページ ・総文字数168,668

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