“死ね”なんて
簡単に言うな。
“死にたい”なんて
簡単に言うなよ。
そう言って、
彼は悔しそうに泣いた。
泣きながら、怒っていた。
あたしも、
泣いていた。
生きていることを、
初めて愛しいと思った。
□ ■ □ ■
反抗期真っ只中の中学二年生・千鶴は、ある出来事が原因で不登校となり、そのまま夏休みを迎えていた。
「親も学校も人間関係もウザイ」
ある日、大好きな祖母が突然倒れてしまう。
そして千鶴は不思議な少年と出会うのだった――。
□ ■ □ ■
“命”
“生きること”
“明日があるという幸せ”
時をこえた約束を通して、千鶴が知っていく大切なこと――。
過去・現在・未来を繋ぐ
壮大な命の物語――。
※この物語は実際の出来事を題材としている部分が一部ございますが、実在する人物、場所等とは一切関係ありません。
誹謗・中傷は、ご遠慮願います。
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第6回日本ケータイ小説大賞受賞、書籍化しました!
本当にありがとうございました!
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2011年9月24日……完結
この作品のレビュー

私も、『死ね』とか『バカ』とか冗談で言ってるけど、この作品を読んで、(あぁ、私、今までバカだったなぁ)とか(私、優しくなれたなぁ)とか、泣いたから、ボーってしながら考えていました。この作品を読んで、(私、変わったな)って思えて…本当にこの作品は、『あの夏を生きた君へ』は、人の人生を変える作品だと思いました。

こんなにも‘命’や‘戦争’について書かれた小説を初めて読みました。 自分が生まれるずっと前。 苦しい戦争を必死に生き抜いて、命を繋げようとした人がいる── 幸生や明子の姿を読んで、涙が止まりませんでした。 戦争はずっと前のことで、誰かから直接体験を聞いたことも無く、ただ教科書やニュースで知識として知っているだけのものでした。 だからこの小説で初めて戦争を自分に引き寄せて考えました。 もうすぐ広島・長崎に原爆が投下された日や、終戦の日が訪れます。 去年まで以上に、戦争について深く考える夏になりそうです。 そして、どんなにつらいことがあっても生きていかなければいけないと強く思いました。 ‘生きていることの素晴らしさ’というあたりまえだけれど大切なことに気づかせてくれたこの小説に出会えたこと、感謝しています。 ありがとうございました。

明子さんの戦争のくだりで。 幸生くんとの出会いで。 悠とカプセルを探した夜。 愛美と仲直りして親友になった夜。 とにかく、何回も泣きました。 千鶴の辛い学校生活から、戦争の話になり、 というのは全く想像がつかず。。 明子ばあちゃんが体験した戦争。 私はいま中2で、一昨年?長崎に修学旅行に行っています。 戦争は、とても怖いものですが、今を生きる私たちに たくさんのことを伝えてくれるもので、 そのことを題材にした小説。 実際に体験したわけではないけれど、 怖くて、哀しい情景が浮かんできました。 「死ぬ」「死ね」って言葉、 今日も使ったくらい。小説を読んでなかったら、 明日もいうかもしれない。 戦争について。命について。 友情について。恋愛について。 たくさんのことを教えてくれるものでした。
この作品の感想ノート
最初は、(まぁ、暇潰し程度にはなるでしょ)何て軽い気持ちで読みはじめたんですけど、心奪われていきました。
本当に、産まれてきてくれてありがとうございます。
水野ユーリ様
夜中に、眠たくなくて、読み始めた、所謂暇潰し。
そんな感じで読み始めました。
でも、適当に選んだ訳ではありません。
題名に心惹かれたんです。
読み進めていくうちに、眠気なんて何処かに飛んでいきました。
私も、千鶴のように、よく、「死」という言葉が口癖のように出てきます。本当は、言ってはいけない。分かってるんですけど、自分の思い通りに行かなかったら、つい、出てしまいます。
戦争時の苦しみも伝わってきました。会いたい人にも会えない、十分な食事が取れない、欲しいものが手に入らない、そして、生きたくても生きられない。幸生と千鶴がタイムカプセルを探しているシーンは、胸が締め付けられました。息苦しかったです。でも、いい意味で苦しかったです。
この本を通して、中学生になっても、諦めず、前に向かって、進みます!
感動の涙を流すことができて、幸せな気持ちでいっぱいです。自分の名前の意味を理解し、その名にふさわしい生き方をしようと思いました。
この本に出会えて良かったと思えました。
私自身祖母が大好きで千鶴のように特別なイジメは受けたことはないけど傷つく嫌がらせを受けたことがあり、周りにウンザリしていました。
でもこの本を読んで、たくさん涙し、頑張って立ち向かって行くことが誰よりも強くすごいことなんだと思いました。
戦争の惨さ、1日1日を生きていくことがこんなに尊いこと。たくさんの大切な事を教えて下さったこの書籍、水野ユーリさんに深く感謝致します。
最後のまさかの奇跡が分かった時は鳥肌がとにかく止まりませんでした。共に奇跡は存在し希望は持つものなのだと深く感じました。
こんな素敵な本に出会えた今夏。特別なものになりました。
ありがとうございました。