沖田 円さんのレビュー一覧
学生時代の世界ってとても狭いです。 ぎゅうっと詰め込まれたその場所で一括りにまとめられて、自分と違うものは排除して、でも本当は自分と同じ人なんてどこにもいない。 そんな世界で必死に戦う、小さな戦士たちの秘色色に輝いた青春。 人はとても弱いけど、戦い方はいくらでもある。 それは青春時代だけじゃなくいつまでだって付き纏うもので、だからこそ彼らの小さなクーデターは、負けるなと、わたしの背中を押してくれるようにも思えました。 彼らのどこかに自分がいます。 だからこそこんなにも彼らの言葉が突き刺さる。 大きな叫びが聞こえたならきっと自分の声もどこかに響くはず。 そう思える、彼らの見上げた空と同じに輝いた眩しく素晴らしい作品でした。 年代も性格も関係なく、ぜひ、青春謳歌してみて\(^o^)/
後悔しないで生きるなんて無理な話。 ああしとけばよかった、やめとけばよかった。 何度も思って、何度も足を止めて、後ろを振り返って。 今笑えないのは、全部あの時のせいだって決めつけながら。 忘れた振りだけして、前を向いてるつもりでいて。 だけど、あの時も今もこれからも。 その道を辿るのは、ぜんぶ自分の体だから。 悩んで苦しんで逃げて後悔して、それが今にも続いていたって。 すべて自分の選んだ道で、その先に、今の自分がいる。 「後悔」も、大切な自分の想いのひとつ。 ならそれも抱え込んで、反省して、これから少しずつ変えればいい。 過去を変えることはできなくても、未来ならきっと変えられる。 そしてそれに気付けば、きっと「今」も、変わるはず。 今の自分を見つめ直すきっかけをくれる物語。 最後の最後まで、大切に読んでほしい。 ぜひご一読を。
あることが原因で不登校になったまま迎えた中学二年の夏休み 千鶴は、祖母の病室で、不思議なひとりの少年と出会った そこから始まる、過去と現在、そして未来を結んだ、命と絆の物語─── もしも、明日の命さえ保障されていなかったら いつ、大切な人が消えてしまうかわからない世界なら わたしたちは一体なにを思い、生きていくのだろうか 明日があるのは当たり前のことじゃない 差しのべられた手を拒んだその瞬間に、なくなってしまう、ものかもしれない それに気付くのは難しいけど、気付いたならば、大事にしたい 苦しんで、泣いて、顔を上げられなくなったとしても、立ち止まって、考えて、涙を流し終えたら、きっとわかる 一緒に歩いてくれる人たちと、愛くるしいほどに、大切な今 命の尊さを、胸に深く沁みこむストーリーとともに教えてくれる物語 ぜひご一読を
毎日は毎日続くけれど、今日という日は二度と帰ってはこない。 当たり前のように思って見落としてきた大切なもの。 奥に隠れて気付かなかった大切な想い。 いつも隣にいたはずの、大切なひと。 なんとなく過ぎ行く日々の中にも、それらは確かにそばにあるのに。 いつだってそれに気付くのは、失ってからのこと。 だけどそれじゃ悲しいから、あと少しだけ 今を、君を、 大切にして、生きてみたいと思う。 そう、笑って。笑って。泣いても、笑って。 それだけで、空は晴れるから。 物語に込められた、優しくも強いメッセージ。 是非皆さんに感じて頂けたらと思います。 最後に、彼らの「今」が、幸せな「明日」に繋がっていることを、祈ります。