- あらすじ
- 【あらすじ】
高校2年生の星野かおるは、校内で奇人変人として有名な小神先輩と腐れ縁の仲である。
新学期を迎えた日、小神が突然かおるにミッションを課す。それは、今年度からかおるのクラスメイトになった野球部のスーパー・ヒーロー、松本大輔を観察せよ、というもの。
その意図が理解できないまま松本の観察を開始し、少しずつ松本と打ち解け始めるかおるだったが、あるときから奇妙な夢を見るようになる。自分が松本になってしまっている夢である。
その夢の内容を小神に報告したところ、小神にそれは他人の夢をのぞき見るというかつて小神自身が持っていた超能力が、かおるに転移したものだと告げられる。
実はかおるが見た夢は、松本が高い野球の能力を持ち、甲子園に出たいという夢を持ちながらも、堅実な人生を歩むためそれを諦めて大学に進学しようとしていることを表わすものだった。
かおるはそんな弱気な松本を叱咤激励し、松本は転学の道を決意するのだった。また松本の悩みを心底からは理解できず落ち込む小神に、かおるは最も効果的な言葉を投げかけることで、彼をも救ったのであった。
この作品の感想ノート
何度も読ませて頂きました。作者さんの若者への温かな目線を感じる素晴らしい作品でした。
コロナ禍の今正に、経済的理由で自分の進路を断念しようとしている未来ある若者に希望と勇気を与えられる作品だと思いました。
作品に込められた『夢を諦めないで!
』とのメッセージが、前へ一歩踏み出す力を与え背中を押してくれているように感じました。
かおると小神先輩とのやりとりが面白く、思わず声を上げて笑ってしまう程でした。他人の夢をのぞき見るという設定も楽しいです。
夢を諦めようとする松本君へ掛けたかおるの言葉にとても感動し泣けてきました!
「それに、松本くんが本当に持っている稀有な才能は野球の技術じゃない。努力を続けることが出来る忍耐力や継続力だよ。才能と努力の両方を持っている松本くんは、絶対に誰にも負けない」素晴らしい❗️真の友だからこその言葉ですね。
自分の生温い生き方に喝を入れて頂いたようにも感じました。ありふがとうございます。
これからも作品を楽しみにしています。
大家 春香さん
2020/09/27 22:14