これまでの話を整理しよう。とりあえず、新作のパフェのことも、それから小神と被らせまいと考えた末に注文した鯖の味噌煮定食(女子高生らしからぬとは言わせない)のことも、今は忘れよう。

 小神が言っているのはこういうことだ。鞄の中に入れていたノートを破り、わたしは簡単にメモを取る。



・小神は以前から他人の夢の中に入り込み、その人の無意識にある願望や欲望なんかを垣間見ることのできる超能力を持っていた。
・それが最近になってわたしに転移した(原因は不明)。
・この能力を図らずもわたしは使用し、松本くんの夢の中に入り込んだ。
・わたしは夢の中で自分が松本くんになっていることを自覚していた。
・松本くんの「願望」が何かは不明。