モキュメンタリーホラー小説コンテスト

結果発表

【総評】

この度は、「モキュメンタリーホラー小説コンテスト」へ多数のご応募をいただき、誠にありがとうございました。

今回のコンテストでは、「モキュメンタリー形式のホラーストーリー」をテーマに非常に多くの作品が集まりました。さらに、コンテストを通じて、多くの新規作家の皆様にもご参加いただきました。


応募作品の中には、都市伝説や行方不明事件、呪いのビデオなど、多彩なテーマが取り上げられ、フィクションと現実の境界線を揺るがす不気味な作品が多数見受けられました。また、既存の枠にとらわれない斬新なアイデアや、リアリティを追求した描写が光る作品も多く、従来のスターツ出版文庫にはない新鮮な作品に出会うことができました。


最終選考では、テーマの独自性や物語の完成度、読者を惹きつけるエンターテインメント性など、多角的な視点から審査を行いました。その結果、受賞は大賞作1作、長編賞1作、短編賞1作、特別賞1作となりました。受賞作品への講評は以下の通りとなります。


改めまして、皆様からのご応募に感謝いたします。

大賞

『ファウンド・フッテージ 観てはいけない映画のレビュー』 海藤文字/著

【講評】

ホラー映画とモキュメンタリー小説が大好きな編集者として、本作を拝読しながらとてもテンションが上がってしまいました…。まずは、このジャンルへの深い理解と愛情が伝わる、素晴らしい作品を本当にありがとうございました。


「観たら死ぬ映画」のレビューというシンプルかつ強烈な導入から始まり、そのレビューを通して少しずつ広がっていく“呪い”の輪。単に一人の人物が映画を観てしまった、という話で終わらず、ネット上でのレビューやコメント、メールなどを通じて徐々に巻き込まれていく人々の存在が浮かび上がってくる構成に、思わず感動してしまいました。まさに今回私たちが求めていた「モキュメンタリーらしさ」と「現代的ホラー」が融合した作品でした。レビューそのもののリアリティの高さも素晴らしかったです。実在しそうな低予算ホラー映画『ファウンド・フッテージ』の描写は、「ありそう」と思わせる細部へのこだわりが随所にあり、映画ファンとしてはとにかく楽しく、そして怖かったです。そんな様々な不穏なディテールが、静かに、しかし確実に不安感を増幅させていく仕立てにゾっとしてしまいました。


また、SNSやコメント欄のやり取り、メールなど、物語に使われている形式が多層的で、読者がどこまでを“現実”として捉えてしまうのかギリギリのラインをついてくる様子もとてもゾクゾクしました。この情報形式により、読者自身が作品世界に巻き込まれていくような没入感が生まれ、気づけば“観てはいけない映画”に対する恐怖が自分の中にも入り込んでいることにゾッとしました。


『ファウンド・フッテージ 観てはいけない映画のレビュー』は、モキュメンタリーホラーというジャンルの可能性を活かした素晴らしい物語でした。映画ファンもホラーファンも唸る、“本当にあったかもしれない”恐怖をぜひ多くの人に味わってほしいと心から思わせてくれるそんな一作でした。

長編賞

『K島発祥の「瘡ビゑん」信仰に関する蒐集資料』 四ツ谷/著

【講評】

本作は、架空の民間信仰「瘡ビゑん」をテーマに、K島に伝わる奇怪な風習や歴史を、多彩な資料や記録を通じて追っていく物語――。

サイトで読むことを想定し、古文書、SNS投稿、ブログ記事、メッセージのやり取り、新聞記事など、多岐にわたる媒体を巧みに組み合わせることで、まるで実在する資料を読み解いているかのような錯覚に陥りました。特に、古文書や郷土史の記載、手紙などが非常にリアルで、作者のモキュメンタリーホラーへの深い愛情が伝わってきました。資料が積み重なることで、「瘡ビゑん」という信仰が現実に存在しているかのような不気味さと説得力がありました。また、SNSやブログといった現代的なメディアを取り入れることで、過去の伝承と現代社会との接点が生まれ、時代を超えた恐怖と向き合うことになり、物語の深みと広がりを感じることができました。

モキュメンタリーホラーの魅力を引き出した素敵な作品をありがとうございました。

短編賞

『感想欄にコメントをください※コンテスト用作品ではありません』 皐月なおみ/著

【講評】

まず物語としての完成度が高くとても面白かったです。

そして何より、本作は”小説投稿サイト”という、本コンテストの募集媒体を効果的に活用した見事な作品でした。

”恐怖”や”刺激”が感じられるエンターテイメントは、安全圏からそれを見るからこそ、楽しめる一方で、安全圏でありすぎると今度は刺激が足りずに退屈になってしまうと感じるのですが、本作はその際、安全圏との外と内、現実と非現実の境目をついた作品で、安全圏を侵犯してしまいそうな危うさ、恐ろしさが魅力的でした。

面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。

特別賞

『[下書き]ゲーム業界の七不思議.docx』 drikara/著

【講評】

本作は、ゲーム業界にまつわる「七不思議」をテーマに、フリーランスのライターがまとめたdocxファイルという形式で進行する物語――。

この設定自体が非常に興味深く、短編でありながら工夫された斬新な仕掛けがとても素晴らしかったです。各章ごとに異なるゲームタイトルに関する不思議なエピソードが紹介されており、その多様性と具体性も絶妙でした。また、物語全体を通じて、ゲーム業界の裏側や都市伝説的な要素が織り交ぜられており、ホラーファンのみならず、ゲームファンにとってもワクワクする内容となっていました。

独創的な形式と構成で、思わず物語の世界に引き込まれてしまう作品をありがとうございました。

最終審査選出作品

< 長編部門 >

< 短編部門 >

コンテスト テーマ

背筋が凍るようなモキュメンタリーホラーストーリーを募集します。

モキュメンタリー(ドキュメンタリー形式で書かれたフィクション)の形式で、フィクションと現実の境界線を揺るがす不気味な作品をお待ちしています。


ホラーとは何か――それは単に恐怖を感じるものにとどまりません。

私たちが信じている「現実」の脆さを感じさせるものでもあります。

恐怖はどこに潜んでいるのか、それは日常の何気ない出来事の中に紛れ込んでいるのかもしれません。

キーワード

#フェイクドキュメンタリー #行方不明 #都市伝説 #怪異 #呪い #呪いのビデオ #遺品 #儀式 #死 #異界 #探しています #浸食 #封印 #情報提供を待っています #怪談 #厄災 #樹海 #自己責任 #安否不明 #地名 #エレベーター #禍 #事件 #闇バイト #SF #恐怖 #ミステリー #先入観

上記キーワードなどを組み込んだ、目に見えないもの、不可解な現象、説明できない恐怖がじわじわ入り込むような…そんなあなたが感じる身近な「ホラー」を、ぜひ作品を通して表現してください。


例えば、都市伝説に迫るフェイクドキュメンタリー、行方不明事件を巡るミステリー、SFと恐怖が融合した物語、街中のXXやマンションの隣人にまつわる奇妙なエピソード、投稿サイト「ノベマ」の中で起こる恐怖の体験、間取りや地図などの画像を使ったゾッとする物語…など、日常と地続きだからこそ身近に感じられる、リアリティを持ったモキュメンタリーホラー作品を募集します。

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『近畿地方のある場所について』背筋/著(KADOKAWA)

『かわいそ笑』梨/著(イースト・プレス)

  • 『近畿地方のある場所について』背筋/著(KADOKAWA)
  • 『かわいそ笑』梨/著(イースト・プレス)

上記作品のような、読んでいくうちに現実と物語の境界線があいまいになっていき、物語にちりばめられた違和感が最後に繋がっていくような、ゾッとする恐怖のモキュメンタリーホラーをお待ちしています。

応募要項

大賞(1作)

スターツ出版から書籍化確約+賞金30万円


長編賞(作品数未定)

スターツ出版から書籍化検討+賞金5万円


短編賞(作品数未定)

スターツ出版から書籍化検討+賞金5万円

応募方法

  • 事前にノベマに会員登録の上、作品を投稿してください。
  • 【作品編集】の【表紙】のキーワード設定で「モキュメンタリー」をキーワードに追加してください

STEP1

エントリーしたい作品の【作品編集】から、【設定】画面のコンテスト応募モキュメンタリーホラー小説コンテストを選択します。

STEP2

エントリーする部門を選択し、あらすじを入力してください。

  • あらすじとは、ストーリーの全容、登場人物の設定や大きな流れを簡潔に明記したもので、この内容を元に審査を進めさせていただきます。
  • このあらすじは、他のユーザーには公開されません。(エントリー締め切り日まで編集できます。)
  • あらすじの文字数(400字程度)は、審査時はカウントいたしません。

※以下は参考イメージです。

STEP3

ページ最下部の【設定を保存する】ボタンを押すとエントリー完了です。

作品文字数

「ノベマ!」上で、以下の文字数におさめてください。

■ 短編部門 20,000字以内

■ 長編部門 40,000~100,000字

(1ページの最大入力可能文字数は10万字です。)

画像アップロードについて

ノベマ!では、画像をアップロードし、作品の表紙や、本文内に挿入してご利用いただけます。コンテスト応募作品についても、画像使用可能となりますので、ご活用ください。


◆画像のアップロード方法

  1. 作家メニュー >(該当作品の)作品編集 > 本文 にて、テキスト入力欄上の画像追加アイコンをClick
  2. 「新規アップロード」ボタンを押し、画像を選択、アップロード。
  3. アップロード済みの画像が表示されるので、「ページに追加」ボタンを押すと、本文内に画像が追加されます。
  4. 「保存する」ボタン → 「プレビュー」ボタンを押すと、文中にアップされた画像が確認できます。


◆アップロード可能な画像形式・容量

  • 画像形式:jpg, png, gif
  • 1枚あたりの容量上限:6MB

※アップロード後、長辺750pxのjpgに変換されます。


※著作権者・肖像権者からの許諾なしに画像をアップロードすると、罰金を課せられる場合があります。

※画像はアップロードされた時点で運営局の確認対象となり、著作権、肖像権など、権利侵害の可能性がある場合、運営局によって通告なく削除させていただきます。


画像アップロードについてのヘルプを見る

スケジュール

  • 2024年11月11日(月) エントリー受付開始
  • 2025年1月27日(月)13:00 エントリー締め切り
  • 2025年3月下旬 結果発表

※スケジュールは変更になる可能性があります。

応募資格

不問(プロ、アマ、年齢等一切問いません)

但し、専属マネジメント契約等を交わしている場合は、担当会社様への事前のご確認をお願いいたします。

対象

小説投稿サイト「ノベマ!」に投稿された作品。

コンテストテーマに沿った作品であれば、複数エントリーしていただけます。

以下に該当する作品のエントリーは不可となります。

  • 「ノベマ!」の規約に反するもの
  • 過去に書籍化されたもの
  • 書籍化の予定があるもの
  • 本人以外に著作権及び著作隣接権があるもの
  • 現在開催中である他の文学賞に応募しているもの
  • そのほか当編集部が不適切と判断したもの

注意事項

  • 複数作品のエントリーを可とします。
  • 新作を推奨しますが、テーマに沿った作品であれば、既存作品の応募も可能です。
  • 他の公募コンテストに応募中の作品は、選考対象外となります。 
  • 電子書籍も含め書籍化されていない、もしくは書籍化の予定がない、また小説、映画、コミック、アニメ、ゲーム等商業用途で二次利用されていない、日本語で書かれたオリジナル作品に限ります。
  • シリーズ作品や続編、サイドストーリーなど、その作品だけでは物語が完結していない場合、原則として審査対象外となります。ただし「第1巻」などとして、その巻だけでもストーリーが完結している場合は審査対象となります。
  • 締め切り後の作品内容編集は、誤字脱字の修正のみ可といたします。番外編等の追加を含む大幅な内容の編集をされた場合、失格となります。なお、締め切り後に作品掲載ポリシー違反が発覚した場合も同様に失格となります。
  • 選考対象外になる事実が認められた場合、結果発表後であっても受賞が取り消される場合があります。
  • 文字数不足など当社出版基準に満たない場合は、出版できないことがあります。
  • 出版の際には、当社編集方針により作品を編集させていただくことがあります。

審査について

審査員

スターツ出版 書籍編集部


審査方法

すべての作品を読んだ上で、総合的観点から審査いたします。

諸権利

受賞作品の出版権、雑誌掲載権、インターネット上への掲載権、コミカライズ権、映像化権等はスターツ出版株式会社に帰属します。受賞作品の全部または一部を、スターツ出版が発行・運営する紙面、インターネット、スマートフォン向けサイトに掲載することがあります。

最後に一つ質問です――。

あなたが読んでいるこのページは、フィクションだと思いますか?それとも現実でしょうか?あなたが今読んでいる「これ」こそがその一部だったとしたら…?


ページのどこかに、見えない恐怖が潜んでいるかもしれません。

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