「まさかあの松本大輔くんと縁があったとは。
 これぞまさしく奇縁。

 あなたという人間はやはり何かをお持ちのようですね、星野さん」



 時刻は正午を三十分過ぎたところだった。

 校内の食堂には生徒が溢れかえっており、男女それぞれの嬌声が鼓膜を刺激する。

 堅苦しく退屈な始業式の空気から解放されただけで、わたしたちはこんなにも幸せになれるのだ。

 それと同時に、カレーや豚カツやラーメンなどの混じり合った匂いが嗅覚をくすぐる。
 この場にいるだけでお腹が鳴ってしまいそうだった。

 わが高校の食堂はいつも通り大盛況だ。