- ランクイン履歴
ヒューマンドラマ15位(2025/01/18)
- 作品番号
- 1737040
- 最終更新
- 2025/04/25
- 総文字数
-
105,115
- ページ数
-
20ページ
- ステータス
-
完結
- いいね数
- 5
- ランクイン履歴
ヒューマンドラマ15位(2025/01/18)
※第9回スターツ出版文庫大賞特別賞受賞作
——君がいた夏に、何度だって恋をする。
- あらすじ
- 「殺しちゃった」と逢野昭は言った。蝉の轟音が鳴り響く夏休み最初の日。扉を開けるとそこには血まみれの幼馴染が立ち尽くしていた。無理して作ったようなぎこちない笑顔で。父親を殺したと、そう確かに言った。気づくと僕はその手を引いて走り出していて、そうして中学生二人、あの夏の逃避行が始まったのだ。行き着く先など初めからわかりきった、最低最悪のバッドエンドに向かって。
この作品のレビュー
ネタバレ
致死量の恋情がここにある
不穏さを秘めた素敵なタイトルですね。冒頭のシーンから心掴まれ、あっという間に作品の虜になりました。夏、田舎、少年少女の逃避行、白いワンピース。そんなノスタルジックな要素が詰まっていて、訳もなく泣きたくなるような感慨に浸れます。何と言っても、諦念を纏った匂坂くんの語りが魅力的でした。言葉で壁をつくることで自分を守ってきた彼の性格が、一人称の文体に表れているのだという感じがして良かったです。また、後半パートでは彼の成長も見られ、予想外な展開が続き、とても楽しめました。
ところで、主人公がヒロインに向ける想いに対して、形容する言葉を上手く思いつけません。それは時に、究極の自己愛のようにも映るし、神を崇めるような崇拝にも映ります。けれど、そんなあまりにも重たい感情を抱える彼は、確かに彼女に恋をしていたんですよね。最後に。どうかあなたも本作を読んで、致死量のノスタルジーと一途な感情に溺れてください。
2025/01/11 09:32
この作品の感想ノート
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