- 作品番号
- 1718105
- 最終更新
- 2024/10/21
- 総文字数
- 129,995
- ページ数
- 12ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 886
- ランクイン履歴
-
総合1位(2024/04/20)
青春・恋愛1位(2024/04/20)
- あらすじ
- 「私がもう来ないで!!って言っても君は会いに来てくれる?」
「常陵君のせいで私......生きたくてしょうがない!!!!! 死にたくない」
そう言った彼女の美しく苦しい声を僕の脳が何度も再生してしまう...
彼女と出会ってなかったら僕は今頃どうなっていただろうかー。
余命わずかのクラスメイト一ノ瀬来夏と、僕相模原常陸の送ったたった一度の青春ストーリー。彼女の死期が近づく中オモイが募っていく。
この作品のレビュー
この作品の感想ノート
情景描写が圧倒的で感動よりも尊敬が勝ちました。
特に第一章の職員室と校舎の説明のシーンが天才的です。どこからその言葉が出てくるのか教えて欲しいくらいです。
一見普通のストーリーかと思いきや、伏線やハッとする展開があり、楽しく読めました。素敵な物語ありがとうございます
たった2人の文学部。
他人との関わりを絶ってしまっている常陸君と、来夏の出会いは偶然のようで、運命的で。
教室にいるときの儚げな感じを覆すほどの、明るく強引な来夏に振り回されながら、常陸君が少しずつその殻を破っていく様子が丁寧に描かれていて、思春期の成長を感じました。
まるでコントのようにテンポの良い会話は、読んでいて微笑ましかったです。
明るめの来夏はこんな感じで話して、常陸君はクールに返してるんだろうな、なんて声を想像してしまうくらいでした。
そして常陸君を元気よく振り回す来夏が抱えている過去。
もし自分がその立場だったら。
想像するだけで、背筋が凍りました。
盗作疑惑がかけられて、ネットでも学校でも噂の的になって。それだけでなく、不治の病、余命宣告。
どうしたって、消えてしまいたくなることが重なってしまったのに、それでも好きに生きてやる!と死に背を向けた来夏は、とても素敵な少女ですね。
人と関わることに興味を抱かない常陸君が惹かれるのもわかります。
夏の太陽よりも眩しい来夏を、好きにならない人はいないでしょう。
そして恋心を自覚してからの、恋人ターンが“お互いの距離を探ってしまう”という、幸せに溢れたものではなかったことから、不治の病の残酷さを思い知らされました。
しかし唐突に訪れた別れには、驚かされました。
後悔のないように生きていても、後悔してしまうものなんだなと思いました。
終始丁寧な描写が多く、気付かされることもたくさんありました。
青春、余命ものとしての切なさ、そして前向きになれる言葉。
素敵な要素が詰まった物語を、ありがとうございました。
ランキングを漁っていたら上位に出てきたので読ませて貰いました。私は今40代なのですが、このような青春をしたかったなと思いました。ただの恋愛小説かと思いきや、視点を変えれば人間としての成長や葛藤を描いているのが魅力的でした。
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