- 作品番号
- 1663398
- 最終更新
- 2024/06/11
- 総文字数
- 27,788
- ページ数
- 31ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 40
- ランクイン履歴
-
総合66位(2022/04/03)
青春・恋愛21位(2022/04/03)
- あらすじ
- 事故で自身の左腕と母親を亡くした高校2年生の如月 梨久(きさらぎ りく)。息をするだけの人生に嫌気がさし、病院の屋上で自殺をはかるも偶然居合わせた柊 祈莉(ひいらぎ いのり)に止められる。彼女は眼が見えない。そんな状況でも明るい彼女の裏には衝撃の事実や辛い過去があった。左腕の無い梨久と眼の見えない祈莉。そんな2人が描く切ない物語。
読み終わった後きっと「明日ももう少し頑張ってみよう」と思えるはず。
この作品のレビュー
この作品の感想ノート
くじら様
『余命×純愛』最優秀賞受賞おめでとうございます!
くじら様の他の作品は読ませていただいていたのですが、こちらの作品は未読だと気がつき、慌てて読ませてもらいました。
点字を使ったやりとり。
目が見えないからこその会話。
この二人でしか紡げない、唯一無二の物語でした……。
写真の色を言葉で表現しようとするシーンが特に印象に残っています。
見ている世界を言語化するのは難しいけれど、二人は同じ世界を共有したい、と思ったんだろうなぁ、と感じました。そこがとても『純愛』だと思います。
終わり方もとても素敵でした……!
死を選ぼうとしていた主人公が、医者になる夢を抱く。
周りの人から見たら自身にハンデがあるから、と捉えられそうですが、本当は愛する女の子を亡くしたからなんだ、と思うととても切ないです。
私では思いつきもしないような設定と展開、そして悲しい話のはずなのに優しい気持ちになれる読後感。どこをとっても素敵なお話でした!
ありがとうございました!
王道ストーリーの中に工夫があり面白かったです。
→自己紹介で敢えて点字を使うシーン
この物語の肝となる障害を患った登場人物たちの特異性を点字で自己紹介するという形で表現しているのは美しいです。
→触覚と聴覚
普通の小説だと視覚がメインでストーリーの描写が行われるけど、この作品は主人公が盲目なため、音と手触りを多用して表現しているのが印象的でした。
→気になったところ
もう少し亡くなった後の回想を鮮明に書き、梨久君の死後の脱力感を書くと感情移入が進むと思います。でも、清水さんが祈莉に言ったことを告白したタイミングや、あえて長々と語らなかった祈莉なら梨久へのメッセージはめっちゃ好きです。
ここからは余談なんですけど、僕と同じで佐野徹夜さんの影響を受けてますか? この作品を読んでいると特に『君は月夜に光り輝く』のセリフと似たものがあり親近感がありました。(夜にベットでごめんねと祈莉が謝ったシーンを医者が目撃した所や、ところどころの地の文など)僕も佐野徹夜さんの影響を受けまくっているためどこかあなたのストーリーと似ているなと思いました。
※書籍化されてない小説の中で一番共感できました。自分の作品の欠点も見えました。これからも読ませていただきます。
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