祈莉の病状は良くなったり悪くなったりを繰り返していて良くなる原因も悪くなる原因もまだ何も分からなかった。
 嵐山先生も少し焦っているように感じた。
 僕はと言えば絶賛期末テストの勉強中。
 祈莉との連絡を控えてる分、いい点を取って
 祈莉が喜んでくれる顔が見たくて今回はちょっと頑張っていた。
 教室で1人残って勉強を進める。
 「ねぇ、ちょっといい? 」
 聞き覚えのある声。
 「清水か。何? 」
 あの日以来かなり微妙な関係になってしまっていたけどなるべく自然に返す。
 「私ね祈莉ちゃんに会いたいの」
 「何言ってるの? 」
 「謝りたくて。祈莉ちゃんの事を何も知らないのに勝手に酷い事言った」
 「別に祈莉は知らないんだから良いでしょ。そんな事言われてたんだって気づく方がしんどいと思うよ」
 「私が嫌なの。心がムズムズする」
 黙ってしまった。
 「我儘言ってるのは分かってる。でもお願い」
 「待って。祈莉に聞いてみるから、話しはそれから」
 「うん、ありがとう。ごめん」
 祈莉からの返信はすぐだった。
 ▶勿論。梨久君のお友達ならいつでも大歓迎だよ
 「明日の放課後病院に行こう」
 清水はありがとうとだけ言って帰って行った。