母さんがよく言っていた。
 「友達は大切にしなさい」
 まぁ、友達って呼べるほどじゃなくても周りに人が居れば何かと便利だから変に一匹狼にならずに過ごしてきた。
 でも、普通の関係じゃない。
 皆僕の事を腫れ物のように扱う。
 別に1人で出来ることにも「やろうか? 」とか「出来る? 」とか「如月君が出来ないからやめとこうよ」とか要らない気を使われてそれに「大丈夫だよ」「気にしないで」でと笑顔で返すのにも疲れた。
 僕には左腕が無い。
 肩から指先までの腕が無い。
 皆から見て僕は異物、新種。どう扱うのが正しいのか誰も分からないから毎日変な気を使わせる。僕にだって正解は分からない。
 だからしょうがないんだ。しょうがない事が分かっていても
 腫れ物のように使われる毎日にもう疲れた。