あれから僕は定期テストや学校行事、
 祈莉は小さな検査などで何かと忙しかった。
 祈莉に出会った頃はまだそよ風が気持ちいい季節だったのに
 今じゃ蝉が必死にプロポーズ中。
 教室は冷房がガンガンに付けられ女子の中にはジャージを羽織る人もいた。
 今日もボンヤリ授業をやり過ごす。
 今日さえ乗り越えれば明日から夏休みだ。
 「なぁ、梨久は夏休み何すんの? 」
 「友達の所いくかな」
 「友達? だれだれ。もしかして彼女? 」
 「彼女なんかいないよ。普通の友達」
 なんで高校生ってすぐ彼女とか彼氏っていうワードに変換したがるのだろうか。
 意味が分からない。
 「プールとか行かねぇの? 」
 「プール? 」
 「ちょっと辻岡、如月にプールは、あれだろ」
 「え? あ、あぁそっか。ごめんな梨久」
 「全然大丈夫だよ」
 ''あれ''ってなんだよ。
 なんでお前も''あれ''で通じるんだよ。
 別にプールくらい普通に行こうと思えば行くさ。行こうと思わないだけで。

 なんだか視線を感じた。
 彼女か彼女じゃないのかの話辺りから。
 そっちの方を向くと1人の女子と眼があった。すぐにそらされたけど。
 あれは確か清水...なんだっけ。
 考え事をしているとチャイムがなって高校2年生の一学期が終わりを告げた。