
作品番号 1527611
最終更新 2019/06/19
私はあの夜のことを
永遠に忘れることなんてないのだろう。
絶望してすがった。
きっともがいてた。
運命にじゃない。
生きたいと思ってしまった自分に。
「海月」
名前を呼ばれるたびに、心が揺れた。
けれど、きみと一緒にはいられない。
なのに、なのに……。
「でも俺、どう考えてもお前のことが好きなんだよ」
きみはまっすぐだ。涙がでるぐらい。
:
*
私の幸せの先にきみがいて、
きみの幸せの先に私がいる。
「もう、朝が嫌いだなんて言わない?」
言わないよ、絶対に。
だって、こんなにも
きみと迎えた今日は、美しい――。
原題・あの頃、きみといくつもの朝を数えた。
《2018・11月29日/完結、公開》
第3回野いちご大賞《大賞受賞》
応援してくださった皆さまのおかげです。
本当にありがとうございました!!
\2019・6月28日 単行本発売/
この作品のレビュー

とても素晴らしい作品でした。 これまでに何冊もの本を読んできたけれど、 本を読んでいて涙を流したのはこの作品が初めてです。

岸は岸でも目立たない方の海月。 クラスでは影が薄く、いつも一人。 海月は脳の病気を患っており、余命3ヶ月と告げられた。そんな中、海月が出会ったのは佐原という派手なクラスメイトの男の子。 近づいてきてほしくないから、突き放してるのにそれでもズカズカと入り込んでくる。 きっと、あの夜がなければ、二人はこんなに近しい存在になるコトもなかった。 海月の絶望する気持ちも分かるし、佐原の見離せない気持ちも分かるし、なんともいえない感情で読み勧めてました… 読み終えて再確認できる、タイトルの意味。涙無しには読めません。最高のお話でした!!ぜひ皆様もご一読ください!
この作品の感想ノート
本買いました!
10回以上読んでその1回、1回めっちゃ号泣しましたʕ•͡-•ʔ読み終わって友達にもすぐにオススメしました(//∇//) 最後は、寂しい気持ちになりましたがまた、新しい佐原さんの想いが描かれているようにも感じました。 これからも応援しています!
病気がわかってから好きな人が出来たり、人に頼ることを覚えたり、愛する愛されるという感情がわかったり、遺された時間でこんなにも充実した経験が出来た海月は本当に強いなと思います。
きっと、私なら現実を受け入れられないまま亡くなってしまうと思います。
大好きな人に弱っていく姿を見せなければいけなかった海月。大好きな人が弱っていくのをそばで見ていた佐原。立場が違えど辛いはずなのに充実した日々を過ごせたのはお互いがお互いを1番に想っていたからかなと思いました。
最後に。こんな素敵な作品に出会えてとても良かったです!!