青春・恋愛
完

- 作品番号
- 1179797
- 最終更新
- 2021/03/18
- 原題
- 可視光の夏-特攻隊と過ごした日々-
- 総文字数
- 107,803
- ページ数
- 220ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 10,705
それでも私は走った
声のかぎりに叫んだ
そして祈った
私の大切な人を見殺しにする
残酷な神様
せめて最後くらいは
私の願いを叶えてよ――
*
2016年7月スターツ出版文庫
原題
『可視光の夏-特攻隊と過ごした日々-』
- あらすじ
- うだるように暑い夏の日、
母親と喧嘩して家出した翌朝、
目を覚ますと、そこは
1945年、戦争の真っ只中だった。
そこで私が出会ったのは、
特攻隊員の彰。
穏やかで、あたたかくて、
何度も何度も私を助けてくれた、
強くて優しい人。
でも、好きになってはいけない。
好きになっても報われない。
だって、彰はもうすぐ南の空へ
『死にに往く』んだから……
この作品のレビュー

なんとも言えない気持ちで胸がいっぱいになる作品でした。みんなに読んでほしい作品です。人を愛することの幸せ、愛してもらえる事の幸せ、好きなことを学べる幸せ、わがままを言える幸せ、安心して眠れる幸せ、ご飯をお腹いっぱいに食べれる幸せ、いろんな日常に転がってる幸せを改めて実感できた作品です。今ある当たり前だと思っていた生活が全く当たり前ではない事。この先もこの気持ちを大切にしていきたいと思える作品でした。
この作品の感想ノート
初めまして、通りすがりの社会人です。
実は以前からこの作品の映画が気になってはいたのですが、なかなか観に行く機会がなく、せめて小説だけでもと思って、このアプリで見つけて読み始めました。普段、小説は嫌いではないものの、どちらかというと軽く読む程度で、夢中になってページをめくるタイプではありません。ですが、この小説は読み始めた瞬間から物語に引き込まれ、気がつけば時間も忘れてずっとページをスクロールしていました。
正直なところ、私はこれまで戦争を題材にした話は重たすぎて苦手で、あまり自分から手に取ることはありませんでした。でも、この物語はただ戦争の悲惨さを描くだけでなく、その中で人と人が支え合い、互いを思いやる優しさやぬくもりが深く描かれていて、読んでいるうちに胸がじんわりと温かくなりました。特に、百合が彰に「行かないで」と何度も泣きながら訴える場面では、胸が締めつけられるような苦しさと同時に、彼女の純粋な想いが痛いほど伝わってきて、思わず涙がこぼれました。
そして、物語の終盤、彰が百合へと残した手紙を百合が読むシーンでは、もう感情が溢れてしまって大号泣してしまいました。切なくて、辛くて、でもとても美しくて、読み終えた後もしばらく心が熱くなるような、そんな不思議な感覚に包まれました。
気がつけば、最初は「少しだけ読んでみよう」という気持ちで始めたのに、最後にはこの物語に完全に夢中になっていました。これまで戦争の話は敬遠しがちだった私にとって、この作品はそれを覆すほどの強い力を持っていて、心の奥深くに大切な何かを残してくれたと思います。
こんなにも素晴らしく、切なく、温かい物語を届けてくださって、本当にありがとうございます。この作品に出会えて心からよかったと感じています。
はじめまして。華と申します。
私はこの作品の主人公(百合)と同じ女子中学生です。
私は汐見さんの作品がずっと好きで、今回もこちらの作品を読ませていただきました。
この作品を私は書籍で好きになりました。
一つ一つの言葉や、文の構成、登場人物の些細な心情に勉強の間も惜しんで熟読しました。
野いちごでもう一度見直しました。
戦争というものがどれだけ悲しいことか、大切な人が幾日も経つ内にいなくなってしまうことがどれだけ苦しいことか、嫌というほど思い知らされました。
このお話はあくまでもフィクションですが、こういう恋模様が戦時中に本当にあったかもと思うと胸が張り裂けそうな思いです。
そして私、この作品の中で一番心に刺さった言葉があります。
それは第三章盛夏の彰から百合への手紙の最後に綴られている、『君の幸せだけを願っている。それだけを俺は今、願っている。』(省略)というところです。彰は、自分が散ってしまうたった一月ほど前に出会った短い関わりだった百合に、そのまで想いを馳せていたということ。そんな百合を自分じゃない誰かを、そんなにも大事にできるということ。それがどれだけ凄いことか。たとえ、戦時中の人々の暮らしを体験することはできないけれど、現代に生きている私たちでもそれだけは考えることができるのではないでしょうか。
そんな風に思わせてくれる大事な言葉を彰は発してくれました。
ただのどこにでもいるような女子中学生の私でも、それだけは自分の冴えない頭で懸命に考えることができました。
私はこの作品の登場人物と汐見夏衛さんに感謝します。寺岡さんにも、加藤さんにも、石丸さんにも、千代ちゃんにも、板倉さんにも。そして、百合と彰に。私は心から感謝申し上げます。
大切な人を想い続けることの感動を知ることができました。
それと同時に戦争の悲しみも知ることができました。戦争はというものは、命を奪う。関係のない、罪のない命を奪ってまでして取得するものに価値があるのか。そう百合は言いました。
私もそう思います。戦争なんてもの、世界から消さなければならない。もう二度とあってはならない。戦争をなくそう、そう思い動く人が集まれば、いつかきっと戦争はなくなると思います。
いつかきっと戦争をなくして、あのとき若くして散った命たちが、なにも考えることなく、ただ静かに安らかに、眠れる世界になることを、私は願います。
初めまして
鹿児島県内に住んでいる女子中学生です。
この作品はずいぶん前に読んでいて、ふと気になったことがあったのでこのメッセージを書くことにしました。
私は現在学校で平和についての学習をしています。
その中で特攻隊について習いました。
私は幼い頃に知覧にある特攻平和会館に行った時のことを思い出しました。
昔のことなのでよく覚えていませんが、たくさん泣いたことだけは覚えています。
父がまだ幼くて遺書が読めなかった私に読んでくれました。
この作品では、百合が過去から戻ってきた時特攻資料館に行きますよね。
その資料館は知覧にある特攻平和会館がモデルになっているのでしょうか?
ただの憶測ですので、間違っていたらすみません。
長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
汐見先生の本が本当に好きなので、これからも楽しみにしています(* ˊ꒳ˋ*)
お返事くださると嬉しいです。