第三章 盛夏
第1節 真夏の夜の夢
*
「………まぶし……」
瞼に明るい陽射しを感じて、あたしは目を開けた。
ゆっくりと上半身を起こして、ぼんやりと周りを見る。
あれ………どうなったんだっけ?
たしか、飛行場で倒れて。
誰かが運んでくれたのかな………。
そう思った瞬間、掌に触れる湿った土の感触に気がついた。
ツルさんの家じゃない。
じゃあ、ここはどこ?
視線を巡らせると、光の洪水に目を射られた。
あまりの眩しさに、反射的に俯く。
しばらくして目が慣れたとき、あたしは自分の姿を見て息を呑んだ。
学校のジャージを着ている。
………え、なんで?
いつの間に?
ぱっと横を見ると、枕にしていたのは、学校のカバン。
おかしい。
ツルさんの家の押入れにしまいこんでいたはずなのに。
よろよろと立ち上がる。
光のほうへ歩いていくと、一気に視界が開けた。
「…………うそ」
掠れた驚きの声が出た。
そこには………モルタル外壁の一軒家や、マンションやアパートがあった。
見慣れた、懐かしい街の風景。
………現代に戻った………?
第1節 真夏の夜の夢
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「………まぶし……」
瞼に明るい陽射しを感じて、あたしは目を開けた。
ゆっくりと上半身を起こして、ぼんやりと周りを見る。
あれ………どうなったんだっけ?
たしか、飛行場で倒れて。
誰かが運んでくれたのかな………。
そう思った瞬間、掌に触れる湿った土の感触に気がついた。
ツルさんの家じゃない。
じゃあ、ここはどこ?
視線を巡らせると、光の洪水に目を射られた。
あまりの眩しさに、反射的に俯く。
しばらくして目が慣れたとき、あたしは自分の姿を見て息を呑んだ。
学校のジャージを着ている。
………え、なんで?
いつの間に?
ぱっと横を見ると、枕にしていたのは、学校のカバン。
おかしい。
ツルさんの家の押入れにしまいこんでいたはずなのに。
よろよろと立ち上がる。
光のほうへ歩いていくと、一気に視界が開けた。
「…………うそ」
掠れた驚きの声が出た。
そこには………モルタル外壁の一軒家や、マンションやアパートがあった。
見慣れた、懐かしい街の風景。
………現代に戻った………?