野々さくらさんの作品一覧

最期に見た夕陽が、君を優しく照らしてくれるなら

総文字数/6,063

青春・恋愛1ページ

スターツ出版小説投稿サイト合同企画「第2回1話だけ大賞」ノベマ!会場エントリー中
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『お前は、ある人物の身代わりとなった。まもなく、死ぬ運命だ』  漆黒の暗闇が広がる、虚無の空間。  記憶も、肉体も、体の機能すらも失われた私は、死神を名乗る人物にそう告げられた。  助かる方法はただ一つ。その人物を言い当て、「その命を返せ」と叫ぶこと。  こうして始まる、死神の気まぐれという名のデスゲーム。命を賭けた戦いが。 1.期間は一ヶ月。10月12日から、11月12日の間。本来、死を遂げる予定だった人物の命日であり、私の命日になってしまう今日まで。 2.死神の力で、私が死ぬ一ヶ月前の時間に戻る。私の記憶は死神に奪われたままで、知っているのは名前と年齢。そして、私が生きてきた世界の常識。 3.私は過去の自分に関与は出来ず、幽霊みたいに後を付いていくことしか出来ない。その中で、死の運命を押し付けてきた人物を探しだす。 4.3回だけ、自分の体に取り憑くことができる。自由に行動が取れ、調査を許される。一回、一時間。死神の承認が必要。 5.3回だけ死神に質問ができる。死神が承認した問いだけ、偽りない答えが返ってくる。 6.死の運命を押し付ける条件は、互いに面識が必要。 7.死の運命を戻せる期間は一ヶ月、チャンスは一度だけ。タイムアウト、指名する人物を間違えたその瞬間、魂は握り潰されて死神の養分となる。  こんな理不尽な話に、反発はできない。  死神の手の平で転がされている私は、拒否した瞬間に死の運命が確定する。  ゲームを受け入れられなければ死。間違えた瞬間に訪れるのも死。時間切れでも死。  味方なんて誰も居ない。  ここに感情論や、倫理観なんてない。  生き残るか、消されるか、ただそれだけだ。  開かれていた空間より放出される魂は、ただ流されるまま前へと進んでいく。  私、篠崎茜は、いわゆる普通の女子高生だった。  流行りのメイクをして、友達と学校に通って、SNS映えを意識して、推し活が好きな、今どきの16歳。……と、思いたかった。  何か違和感を覚える毎日。不自然なSNSの書き込み。クローゼットの奥に厳重に仕舞ってある、ナンバーキー付きの箱。何かを隠し、誰かを忘れようとしている、過去の私。  そんな私の後を付けてくる、男子高生。  ねえ、教えて? 私は善人、悪人、どっちだったの?  誰かに身代わりにされるぐらい、妬まれるような人間だったの?
さよならの記憶写真館

総文字数/0

ヒューマンドラマ0ページ

スターツ出版小説投稿サイト合同企画「第2回1話だけ大賞」ノベマ!会場エントリー中
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 私の願いは、ただ一つ。夫と、私の妹が結婚すること。  32歳と2ヶ月。私は病によって、この世を去った。  26歳で夫と結婚し、二児をもうけ、家族に看取られて最期を迎えた。  幸せな人生だった。……私はね。  だけど夫は4歳と2歳の娘を育てる責任があり、子ども達は母を恋しがる年頃。  私の妹は自分の人生より、私が残した家族を守ろうとしてくれている。  自分の気持ちを押し込めて。  夫、妹、私は幼馴染。しっかり者の妹に、頼りっきりだった夫と私。  それは大人になってからも同じで、私の病気が発覚して泣いていた夫の背中を、優しくさすってくれたのは妹だった。  妹は夫に、好意を抱いている。いつからだったなんて分からない。同級生だった二人は、私が知らない時間を共に過ごしてきたのだから。  妹と夫が結婚するべきだった──。  その未練により、私の魂は一軒の写真館に辿り着いていた。  記憶写真館。  私の悔いに関連する写真が貼り出された、異質な空間。  そこを管理する主人と、助手だと名乗る黒猫のクロ。  ここは悔やみながら死を迎えた、彷徨える魂が辿り着く場所。  時間を巻き戻し、記憶写真を修正出来る、不思議な写真館。  時間の巻き戻しには約束があった。 1.期間は成仏する49日間 2.生まれた時に巻き戻し、一から始めないといけない 3.時間の流れを速めるリモコンで、時を進められる 4.私は、過去の私に関与は出来ない 5.過去を変えたい場面だけ、過去の私を乗り移り、自分の意思で行動が取れる 6.過去を変えられるのは、写真に写っている場面だけ 7.過去の自分に乗り移ること、感情の揺れは、私の魂に大きな負担がかかる。極限を過ぎると魂は砕け散り、生まれ変わることができなくなる  過去を変えることは当然未来にも繋がっていくことであり、私の子ども達は妹の子に修正される。  四人で写る、家族写真。そこに居るのは私ではなくなってしまう。  覚悟を決めて手を伸ばしたのは、一枚の写真。制服姿に身を包む、過去の夫と私。  年頃故に離れてしまった私達が、同じ時を過ごすキッカケとなった日の、思い出写真。  あの日、夫と会わなければ未来が変える一つの因果になるかもしれない──。  こうして始まる、手探りの模索。四十九日間の彷徨い。  そして、32年間の人生を否定する虚無の旅が。
片付けられない私と不思議な猫の話

総文字数/31,994

ヒューマンドラマ20ページ

第62回キャラクター短編小説コンテスト「心癒される、猫小説」エントリー中
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「タス……ケテ」  ザァァァと冷雨が降り注ぐ、仕事からの帰り道。  自然公園より聞こえてきた、今にも消えそうな声。  誰かが助けを求めていると公園中に入っていった私は、木の枝に尻尾が引っ掛かり、降りられなくなってしまった黒い成猫を見つけた。  雨でびしょ濡れになった猫をワンルームの自室に連れて帰り、バスタオルでパサパサと拭いていく。  すると猫はウトウトし、丸くなって眠りだす。  今にも引きちぎれてしまいそうな、脆い首輪。スラっとした、痩せ細り具合。  その姿から野良猫だと察した私は、猫を飼う決意をした。  次の日。私は猫に、自分が飼い主になると伝える。  だけど猫は毛を逆立て、尻尾を膨らませ、明らかに威嚇してきた。  意味が分からなくて必死に引き留めようとすると、「埃がいっぱいニャ! 白猫になりたくないニャアアアアアー!」と怒らせてしまった。  ポカンとなってしまうと、やってしまったと後悔する声が聞こえて、猫は背を向けてテケテケと歩きだす。  だから一緒暮らそうと提案をした。  だけどツンツン猫は、部屋を片付けたら遊びに来るぐらいなら良いとプイッとする。  こうして始まる、私と猫とのお片付け大作戦。  ──だけど、物が捨てられない私にとって、それは簡単なことではなかった。
十年越しの雪解け

総文字数/14,945

青春・恋愛8ページ

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 全てを投げうって去った、生まれ故郷。  あれから十年間。ひたすらに走り続けていた。  だけど、もう限界で。息切れを起こしてしまった私は戻って来た。  もう二度と帰らないと決めた故郷に。
私達が綴る物語

総文字数/31,889

ヒューマンドラマ30ページ

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 普通って何だろう?  「推し」と呼ぶ人が居ない私は普通じゃないの?  SNSに興味がない私は普通じゃないの?  友達がいない私は普通じゃないの?  「普通」を求められ、自分を押し込めて生きてきた私は本当の自分が分からなくなっていき、息をするのが苦しかった。  私の好きなことは誰も認めてくれない。  誰も分かってくれない。  それは、普通しないことだから。  そんな私は、自分を殺して死んだように生きていくしかないのだと、そう言いかせていた。  だけど。高校二年生の夏、私はあなたと出会った。  美しく、凛として、気高い、あなたと。
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 校舎にカップル七組が閉じ込められ、左手薬指に指輪をはめられていた。  それはルール違反により爆発する。  自身をデスゲーム主催者と名乗る人物に、そう宣告された。 【指輪が爆発するルール違反】 1.学校の校舎外に出ること 2.自分の指輪を外すこと 3.他人の指輪を外すこと 4. 5. ※その他二つのルール違反は、各々で考えてください。 【ゲーム説明】 1.このゲームはカップル対抗戦です。 2.一時間毎に、一組ずつカップルを指名します。呼び出された二人は、死の指輪を互いに外してもらいます。 3.呼ばれなかった皆さんは、指定されたカップルの行く末を見守っていただきます。 4.無事に死の指輪を外せたカップルは、校舎から出られます。 ※その他のゲーム攻略法は、各々で考えてください。 【特記事項】 1.指輪を抜けるのは、主催者の指定があった時のみです。 2.カップルの指定順は、主催者の独断と偏見で選出しております。 3.立会人の皆さんの中で、このカップルは永遠の愛で繋がるべきではないと思われる方がいれば、密告してください。その内容が受理された際はそれは暴露となり、お相手に伝えさせていただきます。 【密告のやり方】 1.密告は専用アプリで受け付けています。証拠も送付してください。 2.一組のカップルに対して密告出来るのは、一回のみです。カップルの指定は、直前の発表とさせていただいております。密告は、カップルの順番を予想して行いましょう。 登場人物 全員、高校二年生。 ○3軍 地味カップル 片桐慎吾(かたぎり しんご) 佐伯小春(さえき こはる) ○2軍下位 スポーツカップル 斉藤 翔(さいとう しょう) 大林 凛(おおばやし りん) 四人は中学からの友達。 ○1軍 配信カップル 神宮寺 翼(じんぐうじ つばさ) 西園寺 愛莉(にしじょうてら あいり) ○1軍 生徒会役員カップル 北条爽太(ほうじょう そうた) 音霧紗栄子(おときり さえこ) ○1軍 大人しいカップル 成宮 真(なるみや まこと) 三上 華(みかみ はな) 一軍同士、友達。 ○2軍上位 標準カップル 小田圭祐(おだ けいすけ) 内藤 南(ないとう みなみ)
もしも、巡る季節が止まってくれたら

総文字数/123,085

ヒューマンドラマ70ページ

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「将来は何になりたいの?」 「好きな人、できた?」 「本当は、どうしたいの?」  その問いかけはいつも柔らかくて。優しくて。  だからこそ、私は答えられなかった。  その気持ちを言葉に乗せたら、みんなが困るから。  その気持ちのまま行動したら、みんなが困るから。  その気持ちに気付いてしまう、自分が怖いから。  「求められている私」になってしまえば、全てが丸く収まる。だから私は自分の心をペットボトルだと思って、ギュッとフタをした。  揺すっても、振っても、開けない限りは溢れない心の栓。  もし炭酸ジュースのようにシュワシュワと音を鳴らして感情が立ち上がっても、開けなければ大丈夫。そっとしておけば、やがて消えていき決して溢れることなんてない。  感情なんて、初めからなかったみたいに。  そうやって生きれば、楽だった。  悩みも、葛藤もないふりをして。ただ巡る季節に身を委ねて、時の流れに乗ればいい。  桜が美しくて咲いて、新たな命の息吹を感じても。  夏の太陽が眩しくて、海がキラキラと輝いていても。  小さくなっていく入道雲に切なさが過ぎっても。  手の平で消えていく雪が、私の人生と重なっても。  心は少しも揺れないふりをして、風に背中を押されながら歩く。  ──感情なんていらない。だって、必要ないのだから。
八十年越しのラブレター

総文字数/31,954

青春・恋愛23ページ

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「私は、どんな人生を生きたいのだろう?」  高校三年生の十七歳。進路を決めないといけない夏。  手元には進路希望表の紙があり私は地元の大学名を書き込んだけど、本当にその勉強がしたいのだろうか?  でもお母さんはそうした方が就職に有利だって言ってるし、きっとそうなんだよね?  参考書の奥に隠しておいた一冊の冊子を手にした私は、それをゴミ箱にポイっと捨てる。  ザラザラとしたものが胸の奥に立ち込めるような気配がした私は、気付かないフリをする為に憧れのSF作家、菅原平成先生の本を読みながらウトウトしていると黄金色に輝く黄昏時の光りが差してきた。  目が覚めると私は別の場所で眠っており、目の前には見知らぬ男性。誘拐されたと逃げ出すも、町並みがおかしい。  私はどうやら1944年(昭和19年)、終戦一年前の日本にタイムスリップしてしまったようだ。  元の世界に帰る手段がない私は、保護してくれた男性、立花大志さんの好意により下宿させてもらうことになる。  生きる為に飯の炊き方を教えてもらい、タライでの手洗い洗濯。大志さんの農業を手伝わせてもらい何とか生活は出来るが、元の世界に帰る方法が分からない。  私はこの先多くの人が亡くなる未来を知っているけど、何も言わない。運命を変えることなんて出来ないから。  だけどそれは想像以上に辛くて、苦しんでいた私に寄り添ってくれたのは大志さんだった。  この人と共に生きていく。そう思っていた矢先、ついに恐れていたことが起きてしまった。
飛べない蛍は二度目の恋をする

総文字数/14,993

青春・恋愛11ページ

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 私が負った心の傷を理解してくれたのは、あなただけだった。
君のギャップに惚れた!

総文字数/26,979

青春・恋愛13ページ

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一軍女子ギャル(ボカロP)×真面目男子(歌い手)  憧れの歌い手は、同じクラスの真面目くん!?  しかも私がJKボカロPだと、知られてしまった。
君と僕との三十日間

総文字数/19,549

青春・恋愛1ページ

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 私は四月八日に閉じ込められた。  楽しみにしていた高校生活。新しい友達、新しい環境、新しい先生。これから始まる学校生活を胸に眠りについたが、私には明日が来なかった。  初めてのように話しかけてくる友達に先生、何度も繰り返す入学式。それは私にだけ降りかかっているようだった。  行動を変え続けた、十二回目の四月八日。私はやっと四月九日に行けた。やっとループから抜け出せ、新たな人生を生きられると思ったが、朝目が覚めるとまた四月八日入学式の日に戻っていた。 ※1話だけ大賞の作品です。
たとえ消えゆく運命だとしても

総文字数/21,200

青春・恋愛13ページ

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「初めまして、渡辺くん。私は同級生の吉永 詩織です」  目の前に現れたのは、高校のクラスメイトを名乗る女性。  しかしどう見ても、そこには大人の美しさがあり。そして何より、俺が知っている吉永さんではない。 「私は十年後の世界から来たの。渡辺くんにお願いがあって」  そう言い差し出してきたのは、蒼い一冊のノート。  それは、彼女とやっていた「リレー小説」だった。  俺と渡辺さんは河川敷で共に過ごし、共に小説を書いていたが、その関係は途絶えてしまった。  それは、俺が弱いからだった。
真夜中に散った恋の花

総文字数/10,000

青春・恋愛6ページ

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 初恋とは花のようなもの。  一度散ってもまた根付き、新たな花を咲かせてくる。  だけど。もう二度と、その花を咲かせたくないから。  今夜だけ、あなたの彼女にしてください。
本当の愛をあなたに

総文字数/10,000

青春・恋愛9ページ

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 虫の声が響く真夏の夜。  私は一人不安を抱えて、重過ぎる現実に震えていると、優しく手を差し伸べてくれたのはあなただった。  お願い、助けて。私、どうして良いか分からないの。
宇宙人が学校を侵略してしまった

総文字数/9,999

ヒューマンドラマ6ページ

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 宇宙人が、学校を侵略しに来たらいいな……。  そう思ったことない?  「誰だってある」とまでは言わないけど、私以外にもそう妄想したことある人いるよね? 「こんな世界ぶち壊してしまえ!」とか考えたことあるよね?  ……今、それが現実になった。
子供の恋からの卒業

総文字数/31,955

青春・恋愛5ページ

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「首から上を触る男は真心。首から下をやたら触る男は下心」 そう話す、後輩くんの真意は?
変わってしまった十年後の未来

総文字数/8,957

ヒューマンドラマ4ページ

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今が不安。未来を知りたい。 そんな願いを、神様が叶えてくれたら? それを実現させた25歳の女性は、未来を見たことにより、その運命が変わってしまう。
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