騎月孝弘さんのレビュー一覧
文章がきれいでうまく、すらすらと入ってきます。サマーアップルパイとサイダーと、夏にまつわるガジェットが絶妙で、思わず引き込まれて一気読み。そして先入観を覆す構成もうまい。とてもステキなお話でした。
川名くんがイケメンすぎます。 大切なことなので、もう1回。 川名くんがイケメンすぎます。 自然体で優しさあふれる川名くん。いやあ、ほんとイケメンですね。カッコつけてない素朴な感じだけどその行動力に惹かれます。 そして文章がうまい。流れるような文章。
ここ一年の間に初めて出会った人は、一緒に食事でもしない限り、みんなマスクの下の顔を知りません。 コロナによる今の状況、いったいいつまで続くんだろう。そんな不安と、鬱屈とした思いと、また早く素顔で笑いあい、語り合える日が来てほしいっていう願い。近未来SFのテイストに、きらめく青春のコラボ。なんとも絶妙な組み合わせ。 短編映画のような、鮮明にその風景を思い描くことのできる素晴らしい物語でした。
タイトルどおり、初めての恋とその終わりまで。ほんと、きれいな文章で読み心地がよかったです。主人公が女の子で、彼女の繊細な心の揺らぎが伝わってきました。失恋しても、こんなに清々しく前を向けるヒロイン、素敵です。
秘めざるをえない、それぞれの思い。ごく短い短編のなかで、戦時中の恋がとても瑞々しく描かれていました。リズムがあってきれいな文章と等身大のセリフが、この物語をキラキラと輝かせてくれます。ラストシーンが印象的で、秀逸でした。
どうしよう。迷子なのに、迷子を拾ってしまった。 戸惑う主人公からこのフレーズがでて、すごくほっこりしました。不思議な世界に迷い込んだ女の子が、思い出の断片に触れながら前を向いていくお話に、短編映画を観ているような感覚。表現がうまいなと思いました。予想されたラストとは違った物語の閉じ方もすてきです。
僕の気になる彼女は、なんでいつもビニール傘をさしてるんだろう? そんな些細な疑問を軸に展開していくふたりのお話。彼女――井原さんの聡明でいて愛嬌のある性格と言動がとってもいい! 主人公のドキドキ感が手に取るように伝わってきました。描写も世界観もきれいで、本編にもあるように、心が洗われました。
小さな町で囚われたように暮らす息苦しさと、それに抗う高校生ふたりの淡い恋模様。文学的で美しい文章と、瑞々しい会話。まるで短編映画を観ているかのような気分。すべての登場人物に作者さんの温かいまなざしが向けられ、優しさに包まれた素敵な物語でした。