ウツシアイ

青春・恋愛

ウツシアイ
作品番号
1791881
最終更新
2026/09/15
総文字数
82,592
ページ数
86ページ
ステータス
完結
いいね数
1
ひとつの肉体を分け合い、決して同時に存在することはできない二人の高校生。少年・サクと、その内側に宿る少女・アキ。日常のすれ違い、ささやかな事件、そして心の機微。姿の見えない二人は、一冊の大学ノートを介した「交換日記」だけを命綱にして、不器用にお互いの輪郭をなぞり合っていた。「勝手にアイス食べてごめんね」から始まった、奇妙な二人の同居生活。いつしかサクは、鏡の向こう側にいる、決して触れることのできない「彼女」に狂おしいほどの恋を抱いていく。そしてアキもまた、日記に遺される彼の文字の裏側から、温かい想いを受け取っていた。手を繋ぐことも、抱きしめることも、言葉を直接交わすことさえ叶わない――それは、世界で一番近くて、世界で一番遠い、究極の「叶わぬ恋」。そんな二人の不器用な日常が、文化祭の舞台劇『星の王子さま』をきっかけに大きく動き出す。演じるのは、砂漠に不時着した「飛行士」の役。「もし本番の日、私じゃなくてサクが舞台に立つことになっても、私の代わりに完璧に演じてほしいな」二人の飛行士は、ノートを通じて必死に心とセリフのバトンを繋ぎ、完璧なひとつの役を作り上げようとする。アキのために過保護なまでの優しさを隠すサクと、彼の想いを背負ってステージに立つアキ。しかし、眩しいスポットライトが照らし出したのは、舞台の上の二人だけではなかった。彼らを全肯定してくれる唯一無二の親友。図書室の片隅で見つけた、アキだけの初めての友達。そして、過去の傷を抱えたまま、姿を隠し続けていた家族。幕が上がる瞬間、彼らを取り巻く世界の裏側に隠されていた「目に見えない真実」の鎖が、静かに、だけど劇的に繋がり始める――。孤独な水底に差し込む、本物の光。これは、ひとつの体を分け合う二人が、周囲の優しさに守られながら、自分たちの足で未来へ飛び立つための自立と再生の物語。ノートを閉じたとき、あなたの胸にも、決して消えない温もりが灯る。
あらすじ
ひとつの体を共有する高校生のサクと、その中に宿る少女アキ。姿の見えない二人は、ノートの交換日記を通じて互いに切ない恋心を抱いていく。そんな中、文化祭の劇『星の王子さま』で主役を演じることになり、二人は必死に演技のバトンを繋ぐ。しかし、舞台の幕が上がると同時に、彼らを取り巻く日常の裏に隠された「ある真実」が動き出し――。二人の飛行士が紡ぐ、美しくも切ない愛と絆の物語。

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