透明な僕らと、世界を壊す青いノイズ

青春・恋愛

透明な僕らと、世界を壊す青いノイズ
作品番号
1770655
最終更新
2025/12/29
総文字数
21,462
ページ数
12ページ
ステータス
完結
いいね数
0
「世界が君を忘れても、僕のレンズだけは君を捕まえておく」

本作は、「透明感」「切なさ」「救い」をテーマに描いた、男子高校生二人のひと夏の物語です。

主人公の湊は、周囲に期待せず、感情を押し殺して生きている少年です。彼の目に映る景色には色がありません。そんな彼の前に現れた陽太は、あまりに眩しく、暴力的なまでの色彩を持っていました。

正反対の二人が、旧校舎や夜のゲームセンター、青いネモフィラの丘を巡り、少しずつ距離を縮めていく過程を丁寧に描写しました。しかし、物語は単なる友情物語では終わりません。陽太の存在が「ノイズ」のように世界から修正され、誰の記憶からも消えていくという、残酷な非日常が二人を襲います。

「触れたいのに、手がすり抜けてしまう」

「名前を呼びたいのに、世界からその名前が消えてしまう」

そんな極限状態の中で、彼らが選んだのは「悲嘆」ではなく「記録」でした。恋愛という言葉では括りきれない、一対一の人間として、あるいは「観測者」と「被写体」として結ばれた二人の強い絆。たとえ世界が残酷でも、誰かが自分を覚えていてくれるだけで、人は救われるのだというメッセージを込めました。

読後の感覚は、夕暮れ時の空を見上げた時のような、寂しさと美しさが同居するものになれば幸いです。モノクロームだった少年が、大切な存在との別れを経て、鮮やかな色彩の中で生きていく決意を固めるまでの成長物語。

最後まで、二人の「青いノイズ」を見守っていただければ嬉しいです。
あらすじ
「どうせ人生なんてモノクロだ」と冷めて生きる高校生・湊。だが、奔放な転校生・陽太との出会いで、灰色の世界は鮮やかに色づき始める。しかし、陽太には「人々の記憶から消えていく」という過酷な運命があった。物理的に触れられず、周囲が彼を忘れていく中で、湊だけはカメラを手に抗い続ける。「恋愛」ではない、魂で結ばれた二人の至高の絆。一瞬の輝きを記録する、切なくも美しい青春の物語。

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