圓谷愁さんのレビュー一覧
『我々は、反乱軍である』 代わり映えのない納得行かない日常をぶっ壊したのは、ヒエラルキーの最下層 弱い者 強い者 隠さなきゃいけない過去 隠さなきゃいけない関係 穏やかなようで崩れそうな偽物の平穏を壊した先にあった、青春の色は…… 現在の学生、そして大人になった人の学生時代、多くの人が疑問に思い、それでも変わらなかったヒエラルキー ぶっ壊した勇気も、本音も、行動も、全部が胸にストレートに来るような作品でした。 いじめや立ち位置、今の現状。 そんなものに悩む人にも、学生時代に悩んだり違和感を持った人にもオススメ出来る作品です。 読んだ後に感じるこのスッキリとした想いは、是非一読して味わってみて下さい。
頭脳明晰な姉・晶 バスケ部エースの弟・燿 正反対のようで、磁石のように反発しあう二人。 勝手にチャンネル替えんなよ 人の歯磨き粉使うなよ 口を開けば汚い言葉の喧嘩ばかり。 だけど、反発しあう二人は、実はいつもどうしようもなく寄り添い合う、可愛くて、どうしようもなくて、尊く愛おしい姉弟なのです。 思春期の、姉や弟を煩わしく思いながらも結局一番大切にしている想いの溢れたハートフルなコメディ。 読後は優しい気持ちでいっぱいになれる、素敵な作品でした。
大好きな幼馴染みを奪われた。 奪った女の子は、軽くていい加減で大嫌い。 消えてしまえば良いのに……そう、思ってた。 この物語は人間味のある感情がたくさん溢れている、と強く印象を受けました。 物語にのめり込めばのめり込むほど、時に目を逸らしたくなるほどにキャラクター達の心情が溢れていて。 『好き』『嫌い』『本当の想い』『嘘の言葉』 まるで数多に広がる星のように散りばめられた感情の数々に、読後は沢山考えさせられてしまいました。 大嫌いな者同士なのに。 何故彼女は彼女の前にだけ現れたのか。 読み終えた時には、何となくその意味が分かったような気がします。 想いと、命と、この言い表せない不思議な感覚。 是非、一読して味わってほしい作品です。
ある日、机の中に入っていた小さな小さな『好きだ』の手紙。 ここから始まった、小さな嘘の交換日記。 知るたびに切なくなり、愛しくなる彼に、本当を知られたくなくて……。 メールやラインが普及している今の時代だからこそ、なんだかとてつもない甘酸っぱさに支配されてしまう、文字と文字とのやり取りに、じりじり、焦がされるような作品でした。 柔らかな空気に包まれた作品だけど、是非、メタルを聴きながら読んで欲しい…何ていうのは、作品を最後まで読んだからこそ思うこと、なのかもしれませんね。 切なくて、だけど、それ以上に優しさにあふれた作品でした。 是非、嘘の中の本当を探しながら一読あれ。
人間でいう、49日の間に 死ん者は、未練を晴らさなければならない。 主人公、蛍の、そんな、未練を晴らす、短く、長い、ストーリー。 名の知れた作家様であります、いぬじゅんさんの描く、至極切ない、青春ストーリー 終わりと始まりの交錯するこの物語に、きっとのめり込み、きっと涙するでしょう。 是非、一読してください。