
- 作品番号
- 1743528
- 最終更新
- 2025/01/27
- 総文字数
- 31,642
- ページ数
- 11ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 37
- ランクイン履歴
総合46位(2025/01/27)
ヒューマンドラマ2位(2025/01/27)
感情表現が苦手で、口を開いても言葉がつっかえてしまい、うまく人と話せない櫻井あやめ、高校二年生。
そんなあやめにとって唯一安らげる場所は、誰も来ない第二美術室だった。
しかし、最近、その第二美術室へやってくる者がある。
昨年赴任してきたイケメン教師、氷坂真白だ。人当たりもよく女子生徒にも絶大な人気を誇る彼だが、あやめは彼の秘密を知り、驚愕する。
彼は……第二美術室で密やかに死体の絵を描き続けているのだ。
しかも彼が最近手掛ける絵は、数か月前に自殺した女子生徒のもので……。
――先生が殺したんですか?
問うあやめに氷坂は微笑んで言う。
――そうかもしれませんね。
気味悪い彼を敬遠する気持ちと共にあやめが抱いたのは、こんな綺麗な死体になりたい、という願望だった。
表紙はかんたん表紙メーカーさまにて。
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- あらすじ
- 女子生徒に絶大な人気を誇る化学教師、氷坂真白。
そんな彼の秘密を櫻井あやめは偶然知ってしまう。彼は放課後、ひっそりと死体の絵を描き続ける”ヤバい教師”だったのだ。
しかしそんな彼の絵を見て、あやめの胸にある感情が。
この作品の感想ノート
あやめと氷坂の二人を中心に綿密に創り込まれたお話で、一つ一つのシーンを読むたびに気づきがあり、唸らされ、引き込まれてました。
なぜあやめは死体に憧れ、氷坂はそんな死体を描く"ヤバい教師"になったのか。一歩ずつ近づく事に何か見てはいけないものを覗き込んでしまっているような、実在の人物に対するような感情を抱くほど、台詞や心情描写で人物像が確立していきました。
21グラムを自らの意思で投げ出そうとした氷坂は、一般的に見れば悲劇なのでしょうが、1年後、あやめは花屋で向日葵を買っている。
それはもしかしたら、21グラム分の救いなのだろうかと考えさせられる読後感でした。
〆切が過ぎるまで読むのはやめておこうと思った自分の判断を褒めようと思います。先に読んでたら、確実に書けなくなってました…!
読み終えた衝動のままの散らかった感想にて恐縮ですが、ヤバいお話をありがとうございました!
序列を作ってしまう人の愚かさや、人の命の重さの捉え方、そういったものをテーマにして書かれている作品のように思えました。目が覚めない先生に間違っていると伝えるために今日を生きていくことを決めた彼女ですが、彼女自身にもう少し救いがあれば良かったかなとも思いました。義兄に執着してしまう心からの脱却や、義母との関係性、自分の居場所の探し方など、まだまだいくつか課題が残ったまま終わってしまったように思えます。なのでいつか、短編ではなく長編でこの後の顛末も含めて読みたいです。それくらい惹きこまれました。情景描写も卓越ですし、心理描写もくどくないのにこちらに伝わってくる書き方がされていて、最初から最後まで飽きることなく読み続けることができました。とても素晴らしかったです。
明さん!こんにちは……!
ううう、感想もらえてうれしいです(泣)お返事ここであっているのかしら……。わからないけれど、お礼をどうかどうか言わせてください……!
丁寧にお読みいただき、心のこもった感想をくださり、本当にありがとうございます!!!
当たり前の感情が本当に当たり前なのか。倫理観から外れたことがそのまま忌避されるべきことなのか。そこに理由はないのか。常識って、優しさって形は皆、違うのではないのか。
ヤバい教師、というお題をきいたとき、ヤバいの意味から考えて、過ったのはそんなとりとめのない疑問でした。だったら徹底的に常識も、倫理観も、思いやりも、当たり前も排除して書いてみよう、という思いから書き始めたことでしたが、あやめ同様、先生に翻弄されてしまってすごく苦戦して……。
伝えたいことが伝わらないかもしれない、という不安、恐怖がすごくて……。
でも、明さんの感想を拝読し、ああ、よかった、私が伝えたいこと、伝わっているな、と思えてめっちゃ号泣しちゃいました(泣)
明さん、本当にありがとうございます!
表現、大好きと言ってくださって(泣)ああ、もう……!胸いっぱいです……!
また頑張れそうです。たくさんの力を、本当に本当にありがとうございます……!