感想ノート

  • あやめと氷坂の二人を中心に綿密に創り込まれたお話で、一つ一つのシーンを読むたびに気づきがあり、唸らされ、引き込まれてました。
    なぜあやめは死体に憧れ、氷坂はそんな死体を描く"ヤバい教師"になったのか。一歩ずつ近づく事に何か見てはいけないものを覗き込んでしまっているような、実在の人物に対するような感情を抱くほど、台詞や心情描写で人物像が確立していきました。
    21グラムを自らの意思で投げ出そうとした氷坂は、一般的に見れば悲劇なのでしょうが、1年後、あやめは花屋で向日葵を買っている。
    それはもしかしたら、21グラム分の救いなのだろうかと考えさせられる読後感でした。

    〆切が過ぎるまで読むのはやめておこうと思った自分の判断を褒めようと思います。先に読んでたら、確実に書けなくなってました…!

    読み終えた衝動のままの散らかった感想にて恐縮ですが、ヤバいお話をありがとうございました!

    粟生深泥 2025/01/31 18:58

    アオミドロさん……!感想くれてる(泣)お返事がこんなに遅くなってごめんなさい……!
    しかもめちゃくちゃ褒めていただいている……!
    難産中の難産でちっとも形になろうとしてくれなかったこの子にこれほどの賛辞をいただけてめちゃくちゃ幸せです……!
    今回、実は「書きすぎない」をかなり意識したのです。私、書きすぎてしまうのですよ……。いらんことまで全部……。ということでできるだけ書かずにどこまで伝えられるのか、この作品で挑戦しておりました。
    ですから一歩ずつ、ひとつずつ見えてくる、と感じていただけたことはもうもう!大成功じゃない?私ってば!の気持ちです。ありがとうございます(泣)
    21グラム分の救い……!素敵過ぎる解釈です……!そうだったのかも……!氷坂は間違っていますが、あやめは間違いなく前に進めたのでしょうね。21グラム分はきっと。。
    もったいないお言葉の数々をいただけ、また頑張れそうです。わりとすぐ凹む燃費の悪いタイプなのですが、アオミドロさんはよく給油しにきてくれて(泣)めちゃくちゃ感謝です……!
    温かいお言葉をたくさん、たくさん、ありがとうございました……!

    作者からの返信 2025/02/06 19:03

  • 序列を作ってしまう人の愚かさや、人の命の重さの捉え方、そういったものをテーマにして書かれている作品のように思えました。目が覚めない先生に間違っていると伝えるために今日を生きていくことを決めた彼女ですが、彼女自身にもう少し救いがあれば良かったかなとも思いました。義兄に執着してしまう心からの脱却や、義母との関係性、自分の居場所の探し方など、まだまだいくつか課題が残ったまま終わってしまったように思えます。なのでいつか、短編ではなく長編でこの後の顛末も含めて読みたいです。それくらい惹きこまれました。情景描写も卓越ですし、心理描写もくどくないのにこちらに伝わってくる書き方がされていて、最初から最後まで飽きることなく読み続けることができました。とても素晴らしかったです。

    葛城騰成 2025/01/22 20:45

    葛城騰成さま!とても丁寧な感想をいただき、本当にありがとうございます……!

    仰る通り、今回、この作品で私がお伝えしたかったのは、ひとつは「序列」。そしてもうひとつは「命への捉え方」についてでした。
    命は重い、尊い。それも大前提にあるけれど、その使い方、捉え方は人それぞれ違うこともある。私たちはそれぞれに違い、その違いによって救い、救われることもあるし、一方でその違いがお互いを遠ざけることもある……といった葛藤が私の中にはずっとあって……その思いからこの作品を書きました。正直、自分の中でもまだ解決がついていない部分が多々あります。また、ご指摘いただいた通り、あやめの環境はまだなにも変わっていません。彼女自身に変化は生まれたけれども、この先、彼女がどう周りと関わっていくのか、それによって周囲に変化はもたらされたのか。それももう少し書きたかった……。あと二万文字はほしい……と書きながら思いました……。ですから長編で読みたい、と言っていただけたこと、とてもとても嬉しく感じました。作品に寄り添って読んでくださったことがお言葉からすごく伝わってきて本当にうれしかったです……!
    丁寧にお読みいただき、深く、深く、お礼を申し上げます。
    このような感想をいただけ、書いてよかった、と思えています。
    葛城騰成さま、本当にありがとうございました……!

    作者からの返信 2025/01/23 13:15

  • 明さん!こんにちは……!
    ううう、感想もらえてうれしいです(泣)お返事ここであっているのかしら……。わからないけれど、お礼をどうかどうか言わせてください……!
    丁寧にお読みいただき、心のこもった感想をくださり、本当にありがとうございます!!!

    当たり前の感情が本当に当たり前なのか。倫理観から外れたことがそのまま忌避されるべきことなのか。そこに理由はないのか。常識って、優しさって形は皆、違うのではないのか。
    ヤバい教師、というお題をきいたとき、ヤバいの意味から考えて、過ったのはそんなとりとめのない疑問でした。だったら徹底的に常識も、倫理観も、思いやりも、当たり前も排除して書いてみよう、という思いから書き始めたことでしたが、あやめ同様、先生に翻弄されてしまってすごく苦戦して……。
    伝えたいことが伝わらないかもしれない、という不安、恐怖がすごくて……。
    でも、明さんの感想を拝読し、ああ、よかった、私が伝えたいこと、伝わっているな、と思えてめっちゃ号泣しちゃいました(泣)
    明さん、本当にありがとうございます!
    表現、大好きと言ってくださって(泣)ああ、もう……!胸いっぱいです……!
    また頑張れそうです。たくさんの力を、本当に本当にありがとうございます……!

    緒川ゆい 2025/01/21 14:13

  • ゆいさん、こんにちは!
    こちら、あらすじが気になって読ませていただきました。
    ヤバい教師。まさに、ヤバかった。
    けど、ヤバい、なんて軽い言葉で表してはいけない人でした。
    彼の抱えるものを知ったとき、彼の放った言葉たちが、ぐさりぐさりと後から後から重く刺さってきました。
    人は間違える生き物で、愚かで、どうしようもない。
    だけど、抱えきれないほどの苦しみや悲しみや憎しみに押しつぶされそうになった時、悲鳴を上げる身体にそっと手を添えてくれる人がいなければ、誰だって彼みたいに間違えてしまう。
    あやめも間違えてしまう一歩手前だったけど、彼が手を添えてくれたから間違えずに済んだのはこの物語の唯一の救いでした。
    家族、いじめ、自死遺族、いろいろなことを考えさせられるお話でした。
    ゆいさんの表現大好きです。
    これからも応援しています!

    紀本明 2025/01/21 10:17

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