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Nia.
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ネタバレ
隠された夢と優しい嘘
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柔らかくて、痛くて、愛おしい思い出がここには眠っていた。どんでん返しと散りばめられた“優”しい嘘には思わず息を呑みました。もう一度題名を咀嚼した時、言葉の一つ一つに籠められた想いに気付き、心揺さぶられました。優と希衣に触発され、物書きの原点に立返ることができて。この出会いに感謝でいっぱいです。自分にとっても大切でかけがえのない小説となりました。“君”になり切って綴るからこそ見えてくる世界線があって、改めて、彼女は“君”の代わりにはなれないのだと知った。そのどうしようもない悲しさと喪失感を否定することなく、纏められたラストに胸を強く打たれました。人は誰しも夢を持って生まれる。けれど前に向かって歩かないとそれが見つからない仕掛けになっている気もして。その隠された夢と“希”望を見つけに行くことの尊さに背中をそっと押されたような心地になっています。切なくも温かい素敵な作品をありがとうございました。

2020/12/29 16:58
青春・恋愛 15ページ ・総文字数20,197
最後はあなたに託された
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最後は私たちに委ねられた。読了後の今、直感的にそう思いました。人々の感性を色で表すのなら、まるで白は何色にでも変えられるかのように。だからきっと、この物語は、読者一人一人によってラストが違う。 白が溶ける。 なんて綺麗な表現なのだと、いつしか心奪われていた。短い作品なのにも関わらず、ずっとこの世界に浸っていたい、冬が待ち遠しい、そう恋焦がれてやまなくなってしまう本作品。 一つ一つの描写が細かく、読み返せば読み返すほど、白が深まる。何とも言えない不思議な世界観と彼らの繊細な心情の変化に心揺さぶられました。 何と言っても雪を表す言葉の粒が洗練されており、それがたまらなく心地良い。一つの音楽のように頭の中に広がり溶け込む。そんな紡ぎ出された文章に圧倒されるばかりでした。 お気に入りのフレーズを最後に書かせていただきます。 『春に触れられて、君に触れられて 私たちの冬は──白が溶ける。』

最後は私たちに委ねられた。読了後の今、直感的にそう思いました。人々の感性を色で表すのなら、まるで白は何色にでも変えられるかのように。だからきっと、この物語は、読者一人一人によってラストが違う。

白が溶ける。
なんて綺麗な表現なのだと、いつしか心奪われていた。短い作品なのにも関わらず、ずっとこの世界に浸っていたい、冬が待ち遠しい、そう恋焦がれてやまなくなってしまう本作品。

一つ一つの描写が細かく、読み返せば読み返すほど、白が深まる。何とも言えない不思議な世界観と彼らの繊細な心情の変化に心揺さぶられました。

何と言っても雪を表す言葉の粒が洗練されており、それがたまらなく心地良い。一つの音楽のように頭の中に広がり溶け込む。そんな紡ぎ出された文章に圧倒されるばかりでした。

お気に入りのフレーズを最後に書かせていただきます。

『春に触れられて、君に触れられて
私たちの冬は──白が溶ける。』

2020/08/03 03:19
青春・恋愛 9ページ ・総文字数3,860
ネタバレ
愛の込められた嘘と共に
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衝撃のラストに思わず息を呑む。そして気づけば頬を伝った涙。久しぶりに流したそれは温かかった

殻を破って羽ばたきたいと思った時、読み返したい作品。玲生の台詞の一つ一つに心揺さぶられ、まるで私に向けて放たれた言葉のような気もし、何度も何度も励まされました

本作品は描写表現が非常に細かく、ページを捲った瞬間から登場人物たちに魅了され、虜にさせられます

お嬢様という理由から、小さな鳥籠から抜け出せなかった円香の目の前に、自分の好きなことを後悔ないよう果たしていく玲生が現れた。彼に影響されて、失敗も重ねていきながら、少女だった円香が一人の女性として成長していく姿には胸を打たれました

美文で綴られた本作品を只の恋愛小説、と片づけることはあまりに失礼な気がしています。彼らと出会えて良かった。生について考えさせられる。まさに示唆に富んだ作品でした

円香のように、私も進もう。愛の込められた嘘と共に

2020/07/13 16:29
青春・恋愛 117ページ ・総文字数129,969
ネタバレ
本を開けば、ほっこりする温かさに包まれる
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"僕なんか"が口癖になっていたユキオの世界を変えてくれたのは紛れもなく、アイナだった
一見完璧に見えるが、手先が不器用で料理が苦手なアイナ。料理以外の分野において劣弱意識を持っているユキオ
性格もスタイルも得意分野も、全てにおいて正反対の二人。しかし互いのブランクを埋め合う理想の関係なのではないか、と思い自然と笑みが零れました
憧れと共に芽生えた劣等感や自己嫌悪。それを乗り越えて、その先にある想いに真っ直ぐ進む。そんなユキオを見ると、思わず声に出して応援したくなりました
読み進めていくうちに、じんわりと胸に温かさが広がっていく。それと同時に、色んな立場の人の悩みに直面していく。まさに示唆に富んだ作品でした
リズミカルに話が進んで行き、ページを捲る速さがどんどん加速していく、というのも本作品の魅力だと感じます
少し休みたい時、ほっこりする時間が疲れたあなたの元に訪れる。ぜひ、ご一読ください

2020/04/22 13:28
青春・恋愛 3ページ ・総文字数18,833
ネタバレ
"うそ"に詰まった"真実"と"恋心"
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うその手紙から始まる本当の恋。。。

「でも、手紙のなかには、真実があったんだよな」

有り得ないはずの奇跡が幾つも重なり、ほつれた糸が交じり合い、二人のストーリーが始まった。
これは"始まりの物語"のように感じました。

互いに送り合う春のおすそわけ。なんてロマンティックな、優しさ溢れる恋文なのだろう…

暖かい春の日差しと共に芽生えたのは恋心と微かな罪悪感。それがコントラストになって、美しく映えていました。

最後の展開には騙されましたが…
こころ洗われる素敵な美文で綴られた本作品。

"好き"って、こんなに純粋なものなのだと、
相手の真心に惹かれることなのだと、
それを思い出させてくれたのは彼らでした。

たまには、メールではなく、文を送ろうと思います。春の贈り物が、大切なあの人のもとへ届きますように。。。

2020/04/09 11:32
青春・恋愛 21ページ ・総文字数12,589
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