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 すべてを失った青年は、神に「お前は無能だ」と告げられ、異世界の最下層に投げ捨てられた。与えられたのは誰も価値を見出さない “影潜り” というスキルだけ。だが彼は知る――影こそすべてを覆い隠し、繋ぐ道であると。盗賊団を出し抜き、魔物の群れを影から切り裂き、やがて王都に迫る陰謀さえ飲み込む。無能の烙印を押された男が、世界の闇を力に変え、英雄へと駆け上がる物語。
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朝、目を開けた瞬間、世界は変わっていた。 父も母も妹も、私を「知らない」と言い放ち、婚約者の隣には別の女性が笑っていた。まるで自分の存在だけが、この世界から削り取られたように。 必死に縋っても、誰も思い出してはくれない。 「昨日まで一緒にいたはずなのに」 「一緒に未来を語ったはずなのに」 私の存在を証明する唯一のものは、薬指の婚約指輪だけ。指輪に宿るかすかな温もりが、確かに“私がここにいた”ことを示していた。 孤独に突き落とされながらも、私は消えた記憶と真実を探す決意をする。 ——なぜ、誰も私を覚えていないのか? ——なぜ、私だけがこの指輪を持っているのか? やがて浮かび上がるのは、家族や婚約者の裏切りと、この国に隠された禁忌の魔術。そして私の存在を抹消しようとした“誰か”の意図だった。 これは、存在を奪われた一人の令嬢が、孤独の中で愛と真実を取り戻す物語。 消された記憶を追う果てに、彼女は“もう一度生まれる”のか、それとも本当に消えてしまうのか——。 読了後に残るのは、切なさと、もう一度愛したいという願い。 。。。 ★面白かったら次はここ(リンク集)★ ■SF/不思議な話/ブラックユーモア https://novema.jp/member/n1320225/bookmark-list/n10005
誠の旗、五十の刃 ―新選組血風録―

総文字数/362,015

歴史・時代60ページ

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京の市街を震わせた池田屋の夜。 燃え上がる御所を背に戦った禁門の変。 仲間を斬るしかなかった油小路の泥。 そして北の果て、五稜郭に翻る「誠」の旗。 彼らは恐れられ、憎まれ、讃えられた。 彼らは剣で秩序を刻み、血で仲間を失い、 やがて時代の奔流に呑まれていった。 しかし――敗北の先にも物語は続く。 降伏の事務机に走る筆先。 村に帰った名を囁く土の匂い。 女たちが塩壺を守り、糸を結んだ夜。 旗の一字を解剖した学者の手。 歪んだ銀塩に焼き付けられた残照。 新選組の歴史は「戦い」で終わらない。 剣と文、血と生活、誠と沈黙が織り重なり、 百五十年を越えてなお、 読む者の胸にひとすじの糸を渡してくる。 全五十話、十万字を超える歴史小説。 「誠」とは何かを問い、旗を掲げ、旗を畳み、 最後に余白だけを残してくれる物語。 その余白に、あなた自身の「誠」を書き込んでほしい。
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断罪の広間——王妃教育で磨いた微笑は、今日ほど役に立たなかった日はない。「婚約破棄だ」と古びた言葉が響いたその瞬間、重厚な扉が音を立てて開き、銀の外套の王子が私を抱き上げた。「その令嬢、隣国が保護する」。  誰もが凍り付く中、私だけが動いた。だって、この国で私は“飾りの婚約者”。黙っていれば、家も名誉も踏みにじられる。ならば、賭けるしかない。  目覚めた先は国境の砦。政略の香り、剣と書状の擦れる音、王子の瞳に宿る静かな焦燥。「あなたは駒じゃない。あなた自身の意志で、ここに来たことにする」——その嘘は、私を守るための最初の真実だった。  互いの国で蠢くのは、王位継承、密約、そして旧婚約者の逆襲。逃避行はやがて“国境整備計画”という名の共同戦線へ変わり、私の得意な家政・帳簿術が砦を生かす。食糧配給を組み直し、布地の流通を繋ぎ、宿舎を快適に。兵は笑い、砦に灯が戻る。  恋は、役に立つときに芽吹く。私を“抱えて”連れ出した彼は、今度は私の選んだ道を“支える”と誓う。過去の断罪も、未来の国境も、超えるのは二人。ざまぁの音は、剣ではなく、幸福な生活音で響かせる。
玉座プロポーズ—婚約破棄の瞬間、国王陛下が「では私が」

総文字数/5,533

異世界ファンタジー1ページ

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 王都の大広間。婚約者の軽い舌が、私の未来を切り捨てた。「婚約破棄だ」。貴族席がざわめいた次の瞬間、空気が変わる。玉座から落ちたたった一言。「——では私が娶ろう」。  王の言葉は法より速い。驚愕、嫉妬、打算が駆け巡る中、私だけが現実的な問題を数えていた。衣装は? 住まいは? 役目は? 国王の花嫁は、コストも伴侶も“責任の塊”だ。  私は地味令嬢。社交は苦手でも、宮廷家政、倉庫管理、宴の原価率には強い。王はそれを知っていた。「この国に必要なのは、正確な帳簿と、やさしい手」。求婚の言葉にしては渋い。でも私には、一番刺さる。  噂と圧力の宮廷で、私たちは“生活を良くする政治”から始める。宮廷料理の買付先を見直し、下働きの賃金を適正化。王妃教育は“現場同行”と“市井ヒアリング”。数字は嘘をつかない。王もまた、嘘を嫌う。  元婚約者? 彼には礼儀正しい“ざまぁ”を用意しよう。公正な査定、堂々たる決算、そして王の花嫁としての幸福で。  これは、玉座から始まる恋。権力は甘美に見えるが、甘さを支えるのは地味な仕事だ。私たちの愛は、仕事の手触りと、生活の温かさで証明される。
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 毒殺の濡れ衣で処刑台へ。最後に見た空は青かった——次に見たのは、ふわふわの腹毛。森の守り手、猫獣の“ココ”が私を蘇生したのだという。  薬師に必要なのは、嗅覚と観察。“ココ”の鼻は名医級。私の知識と相棒のセンサーで、村の不調は面白いほど見える。塩の取り過ぎ、寝不足、湿った寝具。魔法の毒なんて、生活の歪みの前では影が薄い。  足湯場を作り、乾燥庫を設け、甘い菓子を少しだけ。森の薬草は、台所と一緒に使うのが一番効く。  私を陥れた人たちは、今も王都で忙しそうだ。むくみ、胃痛、頭痛。自業自得の不調は、“整える”だけで暴かれる。真実は医学的に、そして優しくざまぁ。  旅の途中、子どもが“ココ”に顔をうずめて寝た。それが一番の処方箋。命を壊すのは簡単だけど、整えるのは時間がいる。だから私は今日も、もふもふと一緒に処方箋を書く。
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 夜のオフィスで攻略Wikiを閉じたはずが、目覚めた先はギルドの作戦室。求められたのは“参謀”。社畜ゲーマー歴=実務経験で殴る世界線が始まる。  戦術はレイド、補給は在庫管理、人心掌握は評価制度。まず会議を15分に短縮し、タスクボードを導入。現場の声を拾い、リスクをチケット化。  “勝ち”の定義を変えた。「誰も死なない」「現場が疲れない」「定時で帰る」。甘い? いや、疲弊は敗北の前段。  敵国は情報戦に弱い。ならば“可視化”で勝つ。地図にルート、在庫に余剰、兵の疲労を色分けするだけで、将は迷わない。  やがて王が呼ぶ。「軍師になれ」。私は笑う。「定時で帰れるなら」。  戦争と仕事の共通点は、リソース管理と人の尊厳だ。最強の策は、現場が明日も笑って出社(出陣)できること。参謀の矜持は、勝つことより、続けることにある。
追憶と時の天秤

総文字数/43,541

現代ファンタジー7ページ

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 目を開けた瞬間、そこは白い部屋だった。  中央には黒檀の台座、その上に一つの天秤。片方には「時」を刻む砂時計、もう片方には「詞」と名付けられた羽根。死者に与え られる最後の選択――〈時〉を選べば十二時間だけ過去に戻り、〈詞〉を選べば誰か一人の心に言葉を刻むことができる。ただし死の運命は変えられない。選んだ行動は「上書き」となり、別の記憶を失わせる代償を伴う。  そこに集められたのは四人。母に「ありがとう」を言えなかった女子高生。出場要請の優先判断を悔いる救急隊員。婚約者に嘘を重ねてしまった女性。友の事故から逃げた少年。彼らの後悔は、それぞれ別の形をとりながらも、一つの交差点で交わっていた。  消える記憶と引き換えに、何を残すのか。後悔を抱えたまま沈んでいくか、それとも小さな言葉を明日に残すのか。  天秤が下りるその瞬間まで、四人の選択が織りなすのは――切なくも温かな奇蹟の物語。 ※一年ほど前に2023/08/05投稿「君の運命を食べたい」(https://novema.jp/book/n1703718)をオリジナル要素軸に改編したものです。
婚約破棄されたけど畑チートで第二の人生は大豊作です!

総文字数/45,990

異世界ファンタジー1ページ

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“役に立たない”と断じられたのは、舞踏会の所作ではなく、数字を読む癖だった。婚約破棄のあと、私は土に戻る。畑を歩けば、すべてが見える。水は高い場所から低い場所へ、貨幣は必要な場所から必要な人へ。 私のスキルは土を肥やし、作物の生育を可視化する。けれど本当に効くのは、人間関係の水はけを良くすること。高すぎる税、曲がった流通、塞がった倉。数字と汗で直すたび、芽は素直に伸びていく。 収穫祭の夜、辺境は光の海になる。焼き立てのパン、甘い果実酒、子どもの笑い声。元婚約者は遠くから噂を聞くだろう。私が“貴族に向かない”のではなく、“暮らしを向上させることに向いている”のだと。 隣で土を触る彼は、不器用に手を貸す。手に残る泥の温度が、言葉より温い。恋は天気に似ている。雨も風もある。だからこそ、収穫のときは胸がいっぱいになる。大豊作は、人生にも降る。
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 夏祭りの夜、彼は帰らぬ人となった。  病院の白い廊下、消えない蝉時雨、机に残されたシャープペン。泣きたいのに涙が出ない少女・結衣の前に残されたのは、一冊の〈共通日記〉だった。  白紙のページに浮かび上がった文字――「また夏に会おう」。  それは彼の筆跡に酷似していた。  次の瞬間、彼女は「去年の夏」へと引き戻されていた。  生きている彼に再び会えた奇跡。汗の匂い、笑う声、額に触れる温度。すべてが夢であってほしくないと願う。  しかし、過去は美しいだけではない。運命を変えようとするたびに別の場所に“ひずみ”が生じ、罪悪感と責任が彼女の胸を締め付ける。  「もしも君を救えるなら、私は何を差し出せばいい?」  問いかける相手は、彼なのか、日記の向こうのだれかなのか。  迫る夏の終わり。灯籠の光、橋の刻み文字、祠の青い糸。  それらが繋がるとき、結衣は選ばなければならない。  救いとは、運命を変えることか。  それとも、“失っても残るもの”を見つけることなのか。  涙なしには読めない、青春タイムリープ×恋愛の決定版。  ――「愛してる、それだけでいい」  その言葉は、過去と未来を越えて、彼女の胸に生き続ける。
君のいない夏を、君と歩く

総文字数/74,343

青春・恋愛17ページ

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12:00/19:00/23:30 更新 季節は巡る。けれど、大切な人はもういない――。 「春夏秋冬シリーズ」は、それぞれの季節に訪れる喪失と再生の物語を描く連作青春ストーリーです。 春には出会いと別れ、夏には涙の恋、秋には失った絆を探し、冬には未来を選ぶ――。 たとえ泣きながらでも、人はまた歩き出せる。 その証を季節ごとに描いていきます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 去年の夏、最愛の幼なじみ・陸を突然の事故で失った結衣。 胸に残ったのは取り戻せない思い出と、「来年も一緒に花火を見よう」という約束だけだった。 叶わぬ約束を抱えたまま、結衣の時間は止まり、友達の前で笑っても、心の奥には涙しかなかった。 そんな彼女の前に現れたのは――陸の弟、空。 横顔も声も仕草も驚くほど陸に似ているのに、違う。 似ているから苦しくて、違うからこそ心が揺れてしまう。 そして空の手にも、同じ日記帳が握られていた。 そこには、結衣が知らなかった陸の最後の一文が残されていたのだ。 「結衣を頼む」 その言葉に導かれるように、結衣と空は互いの存在に惹かれ、支え合いながら歩き出す。 けれど――陸を愛していた日々は消せない。 友情は壊れ、周囲の視線は冷たく、罪悪感は胸を締めつける。 それでも、空と共にいると「生きたい」と思える。 涙で始まる夏。 許されない恋と、失われた約束。 泣きながらでも未来を選ぶ少女の、切なくも温かな再生の物語。
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断罪され、処刑台で命を落とした侯爵令嬢エリス。目を開ければ、そこは冥界の玉座。待っていたのは冷酷無比と恐れられる“魔王”だった。「お前は今日から、我の花嫁だ」――死の絶望から始まる第二の生。だが魔王は意外にも優しく、彼女を尊重する存在だった。迫る人間界との戦争を止めるため、エリスは知略と外交術を武器に、冥界と人間界の架け橋となっていく。悪役令嬢の逆転劇、ここに開幕!
婚約破棄された王子、捨てられた街で闇の英雄になる

総文字数/36,964

異世界ファンタジー1ページ

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 王国第二王子・レオンは、兄の陰謀によって「反逆罪」をでっち上げられ、婚約者の王女にも裏切られ、追放される。  流れ着いたのは――「罪人の街」と呼ばれる最果ての辺境都市《ノクティス》。  貧民、盗賊、落ちぶれた元兵士たち。腐敗した治安と、裏で動く闇商人。  だが、レオンはそこで気づく。 「この街は、俺の国よりも“まっとう”だ」  彼は身分を隠し、闇の顔役として改革を始める。  誰もが信じない希望を、闇の中に灯すために。  ――やがて噂される。“ノクティスの夜王”が、王国を動かし始めたと。
嘘を分け合った夏

総文字数/5,135

BL1ページ

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 夏の体育館は、暗くしても熱が消えない。  演劇部・夏公演『八月の残響』。男子ふたりが恋人役を演じる。台詞にある「好き」は、稽古のための“合図”で、嘘で、練習用の鍵。  成瀬は笑って言う。「嘘くらい上手にやるよ」。相模は眉を上げるだけで、「嘘は稽古の燃料だよ」と返した。  舞台袖の匂い、照明の埃、板の軋み。何度も言い合う「好き」は、やがて重さを変え、気づけば喉に引っかかる。稽古だから触れる、稽古だから見つめる、稽古だから心拍を揃える――そう言い聞かせれば言い聞かせるほど、成瀬は台詞の軽さを失っていく。  相模は気づいているのかいないのか。合図の握手は毎回同じ強さなのに、終わったあとだけ指先が遅れて離れる。  本番前日、ふたりは台本の一行「好きだ」をめぐって衝突する。成瀬は“ほんとう”に寄りそうとし、相模は“役”に後退する。  迎えた本番。―。 成瀬 湊(なるせ・みなと):2年。軽口で場を回す主演タイプ。嘘は得意だと思っていた。 相模 陽(さがみ・はる):2年。台詞を丁寧に積む実直派。嘘を嫌わないが、嘘の熱を怖れている。 顧問・橘:現実的な采配。舞台は“約束の場所”だと教える。 一年・桐野:小道具。二人を観察している目。
友情~2025 秋

総文字数/127,861

青春・恋愛16ページ

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 昼の校舎に、二人だけの屋上があった。  クラスに居場所を失い、不登校になった僕は、毎日こっそり屋上へ通っていた。  ある日、同じように学校を避ける誰かがいた。互いに本名を名乗らず、「アオ」と「ミドリ」とだけ呼び合うようになった。  名前のない友情は、嘘も過去も関係なく、まるで雲の上を歩くように自由だった。  けれど、ある日ミドリの正体が明かされた瞬間、屋上の風が変わる――。  “名前を捨てた”僕らが取り戻そうとしたものは、ほんとうの自分か、それとも失われた青春か。  匿名社会の現代を切り取る、心の距離と名前の物語。 他
疲労税控除

総文字数/5,486

SF・冒険1ページ

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疲れほど、国はやさしい。 疲れが通貨になった。眠らない人はやさしく、眠る人は高くつく。企業は“最大疲労”を設計し、国は過労死を「高効率な節税」と呼ぶ。数字が輝くほど、体は静かに沈む——そんな静謐な地獄のすべり台。
放課後の図書室で、僕らは世界を作った

総文字数/10,548

青春・恋愛1ページ

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友情は、創作という名の神話だった。  放課後の図書室には、いつも夕陽が差していた。  埃を舞わせながら机を照らす光の中で、僕と綾は「世界を作っていた」。  一冊のノートに綴る物語。交互に書き込む言葉の連なりが、僕らの友情そのものだった。  綾は奔放で、明るく、才能にあふれていた。  僕はただ、彼女の世界の端で、文字を整えるだけの存在だった。  ――けれどある日、綾がプロの小説家としてデビューした。  その新作のタイトルは、あのノートに書かれた物語と同じだった。  “放課後の図書室で、僕らは世界を作った”  誰も知らない“共作”の記憶。  読者が歓声をあげるたびに、僕の中の世界は少しずつ崩壊していった。  創作という行為は、友情を育てるのか、それとも壊すのか。  ノートを閉じた手の中には、もう二度と戻らない時間と、言葉と、君がいた。  書くことに救われ、書くことで失われていく青春を描く――  友情と創造の喪失譚。
君を埋めた場所で、桜が咲く。

総文字数/6,628

ミステリー1ページ

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友のための嘘が、桜の下で暴かれる。  中学の卒業式の日、俺は親友を“埋めた”。  ――あの事故は、俺のせいだった。  10年後、ダム建設予定地から「遺体が見つかった」とニュースが流れる。  名前を聞いた瞬間、胸の奥が凍った。  “高原祐真”。  俺が埋めたはずの、あいつの名前だった。  現場に向かった俺を待っていたのは、祐真にそっくりな青年。  彼は言った。  「君が俺を埋めた場所で、また桜が咲いたよ」  罪と友情、そして“入れ替わった人生”の真実。  あの日止まった時計が、静かに動き出す――。
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 高校三年の冬。  引っ越しを控えた私は、部屋の片隅にある古いクローゼットを整理していた。  奥の箱から出てきたのは、三年前の手紙。差出人は「私」ではなかったけれど、宛名は――“彼”の名前だった。  誰も知らない初恋。  誰にも言えなかった気持ち。  彼は今、別の誰かと付き合っている。  それでも、クローゼットの中で止まった時間が、どうしても動き出してしまった。  ――あの頃の「好き」は、まだここにある。  閉ざした扉を開けるたび、思い出がこぼれていく。  でも、それは痛みではなく、もう一度恋を信じたい心の証だった。  「忘れたはずの恋を、もう一度拾いに行こう。」  卒業を目前にした少女が、かつて置き忘れた恋を取り戻す物語。  切なさの中に、春の光が差す。  ――これは、クローゼットの中に閉じ込めた“恋”を、外に出すまでの話。
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生贄にされた少年、裏切られた女たちと手を取り、神も世界も焼き払う復讐譚。  クラスごと異世界転移――  だが俺だけ「魔王復活の生贄」に選ばれ、仲間に差し出された。  血にまみれた石壇の上で息絶えたはずの俺は、  “神に捨てられた空間”〈虚無界〉で再び目を覚ます。  そこには二人の女がいた。  ひとりは、婚約破棄され追放された悪役令嬢リュシア。  もうひとりは、信仰を裏切ったとして堕とされた聖女ミリア。  「……あなたも、捨てられたのね」  「なら、今度は私たちが奪う番よ」  三人で組んだ〈虚無の徒〉。  復讐のため、滅びかけた世界を喰らいながら力を集めていく。  最弱だった俺は、“神の贄”の力を反転させ、  魔王の権能を奪い、勇者を屠り、王を屈服させた。  ――これは、世界に捨てられた者たちが、  世界を作り替える物語。
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