『星砂の降る船で』 桜井ジン

その他

『星砂の降る船で』 桜井ジン
作品番号
1778326
最終更新
2026/04/02
総文字数
19,960
ページ数
12ページ
ステータス
完結
いいね数
1
星砂が、ずっと降っています。
その上に、古い宝船があって、七柱の神様が乗っています。
だいちゃん、えびやん、べにたん、ほてい、ロクさん、びしゃん、おじい。
どの神様も、あまりちゃんとしていません。忘れっぽかったり、すぐ拗ねたり、少し見当違いなことを言ったりします。
船がどこへ向かっているのか、誰もよく知りません。
それでも、なんとなく進んでいます。
毎日、たいしたことではないけれど、少し困ることが起きます。
お供えが足りなかったり、霧で前が見えなくなったり、急に嵐が来たり、クジラがぶつかってきたりします。
神様たちは、そのたびにうまくできません。
言い合いをしたり、黙りこんだりして、きれいに解決することは、ほとんどありません。
それでも、誰かがお茶を出します。
誰かが、ぽん、と音を鳴らします。
誰かが、何も言わずに掃き始めます。
そうして、船はまた、少しだけ進みます。
もし、そのような船の上で、
ほんのひとときでもご一緒いただけましたなら、
大きな奇跡は起きませんが、
人生が急に良くなることも、たぶんございませんが、
それでも、どこかで少しだけ、
肩の力を抜いていただけるようなことがございましたなら、
これに勝る喜びはございません。
お手すきの折に、そっとお開きいただけましたなら、
それだけで、じゅうぶんに存じます。

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