捕食者は爪先立ちで、

BL

完

捕食者は爪先立ちで、
作品番号
1792600
最終更新
2026/09/29
総文字数
54,732
ページ数
11ページ
ステータス
完結
いいね数
0
 畳に身体を押し付けられる。
 俺の腕を頭上でまとめあげる手は、細くて頼りない。



「依弦、俺がその気になればお前なんて簡単にひっくり返せること、
忘れてんじゃねぇだろうな」

「でもしねぇだろ?
お前、オレのこと大好きだもんな」



 得意気に片側の口角をあげて笑う男が、そっと俺に口づける。




「チビの張った罠にかかってんの、誰だよ」




 捕食者が爪先立ちで張り巡らせた罠に、
 俺は気付けなかった。








春日井泰斗《かすがいたいと》
身長185センチ。強面。体格が良いということ以外、特に目立つことはない。ある一件から依弦の世話係のようなポジションに収まり、毎日翻弄されている。

木爪依弦《きづめいづる》
身長162センチ。成績優秀、スポーツ万能、社交的だが決して優等生ではない。授業中は大抵寝ているし悪戯ばかりしている。泰斗に並々ならぬ執着あり。




自作の短編『真綿の檻』を長編にしたものです。
小さい攻め×大きい受けの良さは、大きな受けはいつでも攻めのことひっくり返せるのに愛ゆえにボトムとなり接触や執着を甘んじて受け入れているところにあると思います。小さな攻めもそれを分かっていて積極的に仕掛けに行くのが愛おしいです。
あらすじ
泰斗は体育の授業中に依弦に怪我をさせてしまったことへの償いとして、一時的に依弦の世話係となっていたが、とうに怪我が完治した今でも関係は続いている。泰斗は依弦の好意に気付かないまま毎日を共に過ごすが、ある日依弦が倒れてしまったことをきっかけに執着の片鱗に気付き始めて──。

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