1203A

ホラー

1203A
作品番号
1774635
最終更新
2026/02/08
総文字数
18,272
ページ数
9ページ
ステータス
完結
いいね数
0
新生活を始めるなら、部屋番号は“確かなもの”だと思っていました。ポストの数字、契約書の控え、鍵の受領書。四桁が揃っていれば、現実も揃う――そう信じていたんです。
ところが、管理アプリの通知に一文字が混ざりました。「1203A」。最初は誤記だと笑えたのに、宅配履歴、回覧、問い合わせの返信、入館ログ…“証拠”だけが淡々と同じ表記を繰り返していく。誰も驚かず、誰も説明しないまま、私の生活が静かに上書きされていきます。
この物語には、派手な怪物も、分かりやすい呪いの解説もありません。あるのは、正しく整った書式の文章と、均等な行間のPDFと、「正常です」という言葉だけ。だからこそ、怖さが逃げません。
読後、あなたが自分の住所や、スマホの通知や、ドアのプレートを一度だけ確かめたくなったら――この“記録”は、もうあなたの日常にも触れています。
あらすじ
新居で理想の生活を始めた緒方ミサキ。だが管理アプリの通知に、存在しない部屋番号「1203A」が混ざる。誤記と思ったのに宅配履歴、回覧、入館ログまで同じ表記が増殖し、管理会社は「台帳上は正常」と断言。証拠だけが現実を上書きしていく。

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