第49回キャラクター短編小説コンテスト「ワンナイト・ラブストーリー」

受賞作発表

最優秀賞

この関係には名前がない

ねじまきねずみ / 著

【講評】

<編集部>

25歳会社員の心は、ひょんなことから隣人の大学生・仁とベランダの仕切り板越しに晩酌する仲になる。お互いの名前と住所は知っているけど、連絡先は知らない。毎日のように顔を合わせるけど、タイミングと気分が合わなければベランダで乾杯することもない。名前のない、不安定で頼りない二人の関係は…。

友達、恋人、家族、生きていく中では誰かと名前のある関係性になることもあるかなと思います。名前があることでいいことももちろん沢山ありますが、一方で「恋人なら――」とか、「友達として――」とか、「家族だったら――」とか、その名前に縛られてしまい、窮屈な想いを感じてしまうこともあるかもしれません。本作はその逆、そういった名前のない、だからこその居心地の良さ(ただしその分儚く、持続的でない)のある二人の男女の関係を描いた物語で、その空気感、そこに至るまでのきっかけ、主人公の気持ちの変化、惹かれ合うにつれ生じる葛藤の描き方が絶妙で等身大で、強く惹きこまれました。名前がないからこそ居心地がいいのに、居心地がいいとその関係に名前を付けたくなってしまうジレンマには痛く共感させられながらも、ラストは二人が選ぶ選択に前向きで爽やかな読後感で読み終えることができました。”ワンナイトラブ”という持続的でない恋を描く上で、だからこその“名前のない関係“としての懐かしさ、憧れ、尊さ、全部が詰まっていました。切れ味鋭い、素敵な物語を本当にありがとうございます。素晴らしいなと感動しました。

冬野夜空賞

この関係には名前がない

ねじまきねずみ / 著

【講評】

<冬野夜空>

なにより、関係性が素敵すぎる。ベランダの仕切り板越しに晩酌して、日常には介入しない相手だからこそ話せることがあって、それなのに気づいた時には意識してしまう。名前のない関係は不安定ではあるものの自由で、だから良い距離感でいられるのに、相手を意識した途端にその不安定さが気になって、名前のある関係になりたくなる恋愛のジレンマの描写の巧さがこの作品の魅力です。自分の人生経験の中に、そんな瞬間があればいいなと、とても思いました。ワンナイトというテーマで審査員をする上で一番求めていたのは、その感覚でした。

優秀賞

初恋の終着点

結祈みのり / 著

【講評】

<編集部>

結婚を控えた琴音は、独身最後の一人旅で訪れた街で初恋の人であり、大学生時代の元カレである優斗と偶然再会する。再会すると、六年の時間は一気に引き戻されるかのようだったが、元カレの優斗もまた、既婚者で――。


まず、二人は大人になってそれぞれの幸せを掴んでいるけれど、美化された学生時代を羨んでしまうという心理描写が丁寧に描かれていて、とても惹き込まれました。

まさに、今回の「ワンナイト」というテーマとして求めていた作品です。


優斗も元カレという存在でありながら、優しくて魅力的なキャラクターで素敵でした。

ラストは、ただ過去の思い出に浸るだけでははなく、大人になった自分を肯定しているところは共感性が高く希望感のある読後感でした。

優秀賞

青い月だけが、知っていた。

りた。 / 著

【講評】

<編集部>

夜になると不安に襲われ、不眠に悩んでいた陽依は寂しさから人肌を求めてマッチングアプリを登録した。そこで見つけた「#ソフレ募集」のハッシュタグでマッチした誠二に、ソフレになる条件としてあるお願いをされてーー。


まず、出会いのきっかけとなるソフレ(添い寝フレンド)という題材が他の作品にはなく新鮮で、かつキャッチーでした。

「ワンナイト」というテーマ通りしっかりと一夜限りの関係でしたが、陽依が誠二に惹かれる理由、そして誠二が断る理由もその一夜の中で描かれていたと思います。


作中で出てくるキーワードをラストで回収するのもお見事でした。重くなりがちなテーマでしたが、爽やかな読後感もとても良かったです。

今回のテーマは『ワンナイト・ラブストーリー』です。


切ない恋を描いた、たった一夜のラブストーリーを募集します。


誰しも経験したことがあるような、忘れられない一夜の恋の記憶。大好きだったけど報われなかった恋、傷ついて別れを告げた夜、はたまた恋の始まりを予感するプラトニックな一夜など…。読者が過去の自分の恋を重ねて共感できるようなラブストーリーをお待ちしています。


テーマに沿ったものであれば、既存作品でのエントリーもOK。

今回は特別審査員として「すべての恋が終わるとしても」シリーズの著者・冬野夜空先生も参加! また、受賞作は短編集として書籍化を検討させていただきます!!

ご応募お待ちしております。


※作品本文を文字数3,000~1万字以内(推奨)に収めてください。

※十代向けスタ文での書籍化ではなく、二十代向け単行本での書籍化を検討しています。(2024/6/10追記)

30秒で泣ける超短編“すべ恋”シリーズ

SNSで超話題、シリーズ累計49万部突破!

切ない恋の参考図書♡ 創作のヒントが見つかるかも!?

第1弾『すべての恋が終わるとしても―140字の恋の話―』

第2弾『すべての恋が終わるとしても―140字のさよならの話―』

第3弾『すべての恋が終わるとしても―140字の忘れられない恋―』

著者プロフィール

冬野夜空(ふゆのよぞら

埼玉県在住。10代から執筆活動を続け、大学在学中の2019年『満月の夜に君を見つける』にてデビュー。同書は累計10万部を突破。2020年『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』が大ヒットし、累計25万部を突破。著作に『あの夏、夢の終わりで恋をした。』『100年越しの君に恋を唄う。』などがある(すべてスターツ出版刊)。

応募要項

最優秀賞(1作)

商品券1万円


優秀賞(作品数未定)

商品券3千円

さらに、受賞作品については書籍化の検討もさせていただきます。

また受賞作家様に今後サイトに投稿いただく作品は、書籍編集部にて優先的にチェックさせていただきます。

応募資格

不問(プロ、アマ、年齢等一切問いません)

応募方法

STEP1

エントリーしたい作品の【作品編集】から、【設定】画面のコンテスト応募ノベマ!第49回キャラクター短編小説コンテストを選択します。

STEP2

エントリーする作品のあらすじを入力してください。

STEP3

ページ最下部の【設定を保存する】ボタンを押すとエントリー完了です。

  • 事前にノベマに会員登録の上、作品投稿をお願いいたします。
  • あらすじとは、ストーリーの全容、登場人物の設定や大きな流れを簡潔に明記したもので、あらすじの内容を元に審査を進めさせていただきます。
  • コンテスト応募のあらすじは、他のユーザーには公開されません。(エントリー締め切り日まで編集できます。)

原稿枚数

「ノベマ!」上で、作品本文を文字数3,000~1万字以内(推奨)に収めてください。

(1ページの最大入力可能文字数は10万文字です。)

※あらすじの文字数(400字程度)分については、審査時はカウントいたしません。

対象

応募サイト「ノベマ!」に投稿された作品

以下に該当する作品のエントリーは不可となります。

  • 「ノベマ!」の規約に反するもの
  • 過去に書籍化されたもの
  • 書籍化の予定があるもの
  • 本人以外に著作権及び著作隣接権があるもの
  • 現在開催中である他の文学賞に応募しているもの
  • そのほか当編集部が不適切と判断したもの

注意事項

  • 複数作品のエントリーを可とします。
  • 新作を推奨しますが、テーマに沿った作品であれば、既存作品での応募も可能です。
  • 完結締め切り後の作品内容編集は、誤字脱字の修正のみ可とします。番外編等の追加を含む大幅な内容の編集をされた場合、失格となります。なお、完結締め切り後に作品掲載ポリシー違反が発覚した場合も同様に失格となります。

スケジュール

  • 2024年5月31日(金)17:00 エントリー開始
  • 2024年7月1日(月)13:00 エントリー及び完結締め切り
  • 2024年7月下旬頃 結果発表

※スケジュールは変更になる可能性がございます。

審査について

審査員

特別審査員 冬野夜空、スターツ出版 書籍編集部

審査方法

すべての応募作品を読んだ上で、総合的観点から審査いたします。

諸権利

受賞作品の出版権、雑誌掲載権、インターネット上への掲載権、コミカライズ権、映像化権等は、スターツ出版株式会社に帰属します。受賞作品の全部または一部を、スターツ出版が発行・運営する紙面、インターネット・スマートフォン向けサイトに掲載することがあります。

今後の開催テーマ

8-9月 祝・50回記念! 人気イラストレーターまかろんKさんとコラボ(仮)

※テーマは変更になる場合があります。

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