「やだ、学校行かない!」
そう叫んだ姉は、ピンクのタオルケットをガバッと被る。
翌日の朝六時、姉を起こす時間。いつもなら目覚めも良くニコニコしているけど、昨日より表情が硬く食事も半分残していて、寝る時もシクシクと泣いていた。
気持ちの崩れはその時々で全然違い、一、二時間で落ち着く時もあれば、寝てようやく忘れられる場合もある。だけどこうやって、日にちを跨いでも切り替えが出来ないことがあり、そんな時はこうやって布団から出られなくなってしまう。
あまり言うと姉は追い詰められ、余計に辛くなる。そう思い自分で布団から出て来れないかと待つけど、当然ながら時間は待ってくれず気付けば六時半を過ぎていてた。
今から学校に行く準備しても間に合わず、私はそっと寝室を出て行く。
すると視界に入ってきたのはベランダに干した洗濯物、それから目を逸らすと次は準備された朝食二人分と中身の詰まったお弁当箱二つだった。
「……はぁ」
張っていた気が緩み、一気に脱力していく。
朝食、お弁当準備、洗濯がスムーズでもこうやって生活は簡単に崩れてしまう。
昨日からこうなるんじゃないかと身構えて予防線を張っておいたけど、よりによって今日か……。
窓より見える青々とした空を眺め、あまりにも違う気持ちとの落差にまた大きな溜息を溢す。
予定通りにいかないことなんて、よくあること。
最初から期待しなければ落ち込まない。
だけど、どうせムリだろうと分かっていても、もしもの為に準備をしなければならない。都合よく時は止まってくれないのだから。
だから、今日という日を生きないといけない。上手くいかない日だって。
……今日は、球技大会だった。
一学期にクラスの係を決める時にこれなら放課後の集まりとかないし、当日朝のショートホームルームの間に準備、昼休みに片付けと決まっているから立候補したのに。
その事実に、また私は大きな溜息を吐く。
同じ係の斉藤くん、絶対迷惑だと思ってるよね。なんでよりによってこんな日に。
ソフトテニス。渚と亜美がやろうと誘ってくれ、難しかったけど練習頑張ったのにな。
私も部活を一緒にやってる気分で楽しくて、二人と一緒に練習出来たのが嬉しくて、知らなかった世界を知れたようで自信がついて、今日大会だったのに。
どうしようもない感情が、全身に駆け巡っていく。
そう叫んだ姉は、ピンクのタオルケットをガバッと被る。
翌日の朝六時、姉を起こす時間。いつもなら目覚めも良くニコニコしているけど、昨日より表情が硬く食事も半分残していて、寝る時もシクシクと泣いていた。
気持ちの崩れはその時々で全然違い、一、二時間で落ち着く時もあれば、寝てようやく忘れられる場合もある。だけどこうやって、日にちを跨いでも切り替えが出来ないことがあり、そんな時はこうやって布団から出られなくなってしまう。
あまり言うと姉は追い詰められ、余計に辛くなる。そう思い自分で布団から出て来れないかと待つけど、当然ながら時間は待ってくれず気付けば六時半を過ぎていてた。
今から学校に行く準備しても間に合わず、私はそっと寝室を出て行く。
すると視界に入ってきたのはベランダに干した洗濯物、それから目を逸らすと次は準備された朝食二人分と中身の詰まったお弁当箱二つだった。
「……はぁ」
張っていた気が緩み、一気に脱力していく。
朝食、お弁当準備、洗濯がスムーズでもこうやって生活は簡単に崩れてしまう。
昨日からこうなるんじゃないかと身構えて予防線を張っておいたけど、よりによって今日か……。
窓より見える青々とした空を眺め、あまりにも違う気持ちとの落差にまた大きな溜息を溢す。
予定通りにいかないことなんて、よくあること。
最初から期待しなければ落ち込まない。
だけど、どうせムリだろうと分かっていても、もしもの為に準備をしなければならない。都合よく時は止まってくれないのだから。
だから、今日という日を生きないといけない。上手くいかない日だって。
……今日は、球技大会だった。
一学期にクラスの係を決める時にこれなら放課後の集まりとかないし、当日朝のショートホームルームの間に準備、昼休みに片付けと決まっているから立候補したのに。
その事実に、また私は大きな溜息を吐く。
同じ係の斉藤くん、絶対迷惑だと思ってるよね。なんでよりによってこんな日に。
ソフトテニス。渚と亜美がやろうと誘ってくれ、難しかったけど練習頑張ったのにな。
私も部活を一緒にやってる気分で楽しくて、二人と一緒に練習出来たのが嬉しくて、知らなかった世界を知れたようで自信がついて、今日大会だったのに。
どうしようもない感情が、全身に駆け巡っていく。



