帰りのショートホームルームが終わり、後方の私の席に振り返ってくれた亜美と渚に小さく手を振った私は、鞄を強く握り一番に教室より出て行き玄関に辿り着く。
昨日みたいなことは絶対に避けたい。それに今日はバス停まで走る体力も気力もない。
だからこそ早く出て、歩いてバス停まで行きたかった。
「おい」
「……え?」
低く機嫌の悪そうな声に振り返ると、そこには目を尖らせてブスッとした表情を浮かべる五十嵐くんが居た。
何? 何かしたっけ?
昨日同様に心拍が速まっていくと、五十嵐くんは私より目を逸らし一言。
「昨日のようなこと、すんなよ」
ボソッと呟き、私の返事を待つこともなく顔を背けて靴箱よりローファーを出す。
……見てたんだ。
「ごめんなさい、迷惑かけて。気を付けるから……」
昨日姉を道路に飛び出させてしまい、周りに迷惑をかけてしまった。その失態を思い出し、言葉に詰まってしまう。
「俺が言いたいのは、お前のことだから!」
途端に眉をピクッとさせたかと思えば口を閉じ、そのまま走り去ってしまう。
私?
何が言いたいのか分からず呆然となるも、それを立ち止まって考えている時間はない。
行かないと、姉が待っている場所へ。
やらないと、私の役目を。
そうしないと、いけないのだから。
昨日みたいなことは絶対に避けたい。それに今日はバス停まで走る体力も気力もない。
だからこそ早く出て、歩いてバス停まで行きたかった。
「おい」
「……え?」
低く機嫌の悪そうな声に振り返ると、そこには目を尖らせてブスッとした表情を浮かべる五十嵐くんが居た。
何? 何かしたっけ?
昨日同様に心拍が速まっていくと、五十嵐くんは私より目を逸らし一言。
「昨日のようなこと、すんなよ」
ボソッと呟き、私の返事を待つこともなく顔を背けて靴箱よりローファーを出す。
……見てたんだ。
「ごめんなさい、迷惑かけて。気を付けるから……」
昨日姉を道路に飛び出させてしまい、周りに迷惑をかけてしまった。その失態を思い出し、言葉に詰まってしまう。
「俺が言いたいのは、お前のことだから!」
途端に眉をピクッとさせたかと思えば口を閉じ、そのまま走り去ってしまう。
私?
何が言いたいのか分からず呆然となるも、それを立ち止まって考えている時間はない。
行かないと、姉が待っている場所へ。
やらないと、私の役目を。
そうしないと、いけないのだから。



