あと何回、って泣き暮れる君の隣で生きたい。

青春・恋愛

あと何回、って泣き暮れる君の隣で生きたい。
作品番号
1733278
最終更新
2024/11/28
総文字数
129,617
ページ数
111ページ
ステータス
完結
いいね数
0
赤、橙、やまぶき、黄緑、黄。
カエデやモミジなどの木々が色鮮やかな紅葉に染まり始めた頃。
凄まじい轟音が黄昏時の道路に響き渡った。
事故の翌日、低い声の男性アナウンサーが報道でこう述べた。

『10月10日午後4時30分、飲酒運転のドライバーがトラックを運転中に30代の妊婦を轢くという悲惨な交通事故が発生しました。妊婦は腹部に重傷を負い、胎内にいた子どもは命を落としました。母親も頭部に強い衝撃を受け、現在も意識が戻っていない状態です』

私はその交通事故に関わる犯人の一人であるという事実を知っているのは、私と父、そして母を轢いた佐竹暁則だけだ。
これは、「人殺し」と非難されるのを防ぐため、ある条件と引き換えに事実の一部を隠した事件だった。
ただ、その罪が帳消しになることは永遠にない。どれだけ時間が経っても、その重さは心に残り続け、終わりのない負のサイクルが巡る。
私の世界はその時から真っ暗闇に染まった。
けれどそれから3年の月日が経とうとしていたある日、
そこに突如として射し込んだ一筋の光。
それが、君だった。
あらすじ
人殺しの罪を隠蔽した暁の過労により聴覚過敏になってしまった楓音は周囲の目と音の苦痛に悩んでいた。そんなある日奏翔に1週間だけつきあうことを押し切られる。まっすぐな奏翔の優しさに触れ、すべてを吐き出す楓音。楓音は前を歩けるようになった矢先、奏翔は別人のように楓音を拒絶するようになり……。

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