その後すぐに嵐くんもやって来たので、四人で図書館に移動した。

ここの公立図書館は、このあたりの町では一番大きな図書館で、蔵書の数も多いので、お父さんに何度か連れてきてもらったことがあった。


中に入ると、紙とインクのにおいがする。

私はこの埃っぽいような黴くさいような図書館のにおいが大好きだ。


背の高い本棚がたくさん立ち並び、その間を埋めるように広いテーブルが置かれていて、そこに座って読書をする人たちがちらほらと見える。

南側には大きなガラス窓があって、そこから射し込む光が、静まり返った図書館の中を満たしていた。

私の大好きな雰囲気だ。


久しぶりにここで本を読みたいな、と思ったけれど、今日の目的は読書ではないので、私たちは本棚の間をすりぬけて二階へと続く階段を上っていく。


目的の場所は、『フリーワーキングスペース』という部屋だ。

広々とした大きな部屋に、大型の机と椅子がたくさん並べられていて、そこで仕事や勉強をしてもいいという場所。

本棚がある場所とは防音壁で区切られていて、この中では話をしたり音を立てたりしてもいいことになっている。

グループで勉強をする学生たちに人気だ。


連休ということもあって、フリーワーキングスペースにはすでに何組かの学生グループがいたけれど、まだ空席は残っていた。