BL
完
雨堤 心花/著

- 作品番号
- 1791636
- 最終更新
- 2026/09/11
- 総文字数
- 8,772
- ページ数
- 17ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 0
白河院が新たに設けた北面の詰所は、御所の北側、日の当たらぬ場所にあった。
清和源氏の傍流に連なる軍事貴族の三男・源朝隆は、家格と見目の良さだけで北面に召し出された。実戦経験の少ない彼にとって、そこは殺気立つ日陰の場所でしかなかった。
一方、伊勢平氏に連なる地方武士・伴輔道は、実力のみで北面に取り立てられた弓の達人だった。家格の低さを侮られながらも、院の覚えを頼りに受領への道を切り開こうとしている。
生まれも育ちも違う二人は、最初こそ反発し合った。だが過酷な勤めと稽古の日々の中で、輔道は不器用に朝隆へ手を差し伸べ、朝隆もまたその無骨な誠実さに心を開いていく。
笛の音が響く宿直の夜。賭弓の晴れ舞台。縁談の知らせ。夜討ちで交した命のやり取り。
家のための婿入りを迫られる朝隆と、功を立てなければ何も得られない輔道。
家格も、これから歩む道も違う二人は、それでも「傍にいたい」という想いだけを選び取る。
北の詰所に差す月明かりの下、日陰の武士たちが交わした、静かで確かな約束の物語。
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