
- 作品番号
- 1777856
- 最終更新
- 2026/06/29
- 総文字数
- 42,716
- ページ数
- 48ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 5
- ランクイン履歴
-
青春・恋愛31位(2026/05/31)
恋愛21位(2026/05/31)
残業続きの雨の夜、碧空が飛び込んだコインランドリー。
そこにいたのは、雨に濡れた金色の髪、白いシャツ。歌を口ずさむ彼。
仕事に追われ心をすり減らす碧空と、居場所を探し孤独に押し潰される奏音。
最後に残ったのは、永遠の記憶。
♡月森 碧空
つきもり あおい
24才・社会人
☆羽山 奏音
はやま かのん
21才・ボーカル
表紙テンプレート:ヤスミヤ様
- あらすじ
- 社会人二年目の碧空は、仕事に追われ心をすり減らす日々。
雨の夜のコインランドリーで、メランコリックな雰囲気をまとう奏音と出会う。
彼の正体は、インディーズバンドのボーカル。
その心を縛りつけるメンバーとの複雑な関係、メジャーデビューのプレッシャー。
二度と会えなくても、想いは消えない。
灰になった青春の終わりと、永遠に閉じ込めた恋の物語。
この作品の感想ノート
コインランドリーという生活感のある場所が、全くの異空間に感じられました。
雨の水滴が金色の髪から滴る冒頭の場面が、とても美しいと思いました。天使に見えてしまったのは、碧空だけではないかも知れない。(私も)
歌が上手い人の鼻歌っていいですよね。何と言うか、一番お気に入りの普段着って感じで。
それと相反して、スポットライトの中、ステージに立つ彼に圧倒される雰囲気もすごく伝わりました。
天性の声に恵まれ、歌が好きで、でも、それだけでは済まされなくなってしまった奏音。
夢を追う人…それを支え共有する多くの人がいれば、その夢は、その人だけのものではなくなってしまう。
奏音の苦悩が息苦しく、それでも、物語として、傷ついている彼は美しく、とても魅力的に映りました。
碧空が、同じ空間で彼が何気なく口ずさむ鼻歌が、とても愛しくて、「今だけは自分の為に…」と願ってしまうのも分かるなぁ…と。
たまらなく心震わす歌声に惹かれたから、もっと聴きたいと願ったのに、それが許されなくなってしまった碧空。
これから表舞台に立ち、未来ある相手だから…
そう理解するしかないけど、あまりに切ないですね。
奏音にとっては、碧空だから、弱音も吐けて心を晒け出すことができたのに、唯一ハノンではなく奏音でいられたのに……。
二人の心はたまらなく共鳴し合っていたのに、もう側には居られない。
二人の大切な曲を大衆に消費させたくなくて、碧空の為だけに残してくれた。
二人の恋は実らなかったけど、『Afterglow』という曲と、二人が過ごした日々の残像が、心の中に鮮やかに残っていれば、二人は前を向いて生きていける…そう感じました。
最後、パンフレットの写真で伝えてくれた奏音の想い。
あまりに切ない……けれど、忘れることのできない一生ものの恋。
全編通して、雨や心の湿度が心地よく、色やその輝き、情景が美しく、胸を締め付けられる痛みが涙を誘い、それでも二人の未来に希望の光が差しているようで、とても感動的な物語でした。
素敵なお話を、ありがとうごさいました!
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