感想ノート


  • コインランドリーという生活感のある場所が、全くの異空間に感じられました。
    雨の水滴が金色の髪から滴る冒頭の場面が、とても美しいと思いました。天使に見えてしまったのは、碧空だけではないかも知れない。(私も)

    歌が上手い人の鼻歌っていいですよね。何と言うか、一番お気に入りの普段着って感じで。
    それと相反して、スポットライトの中、ステージに立つ彼に圧倒される雰囲気もすごく伝わりました。

    天性の声に恵まれ、歌が好きで、でも、それだけでは済まされなくなってしまった奏音。
    夢を追う人…それを支え共有する多くの人がいれば、その夢は、その人だけのものではなくなってしまう。
    奏音の苦悩が息苦しく、それでも、物語として、傷ついている彼は美しく、とても魅力的に映りました。

    碧空が、同じ空間で彼が何気なく口ずさむ鼻歌が、とても愛しくて、「今だけは自分の為に…」と願ってしまうのも分かるなぁ…と。

    たまらなく心震わす歌声に惹かれたから、もっと聴きたいと願ったのに、それが許されなくなってしまった碧空。
    これから表舞台に立ち、未来ある相手だから…
    そう理解するしかないけど、あまりに切ないですね。

    奏音にとっては、碧空だから、弱音も吐けて心を晒け出すことができたのに、唯一ハノンではなく奏音でいられたのに……。
    二人の心はたまらなく共鳴し合っていたのに、もう側には居られない。

    二人の大切な曲を大衆に消費させたくなくて、碧空の為だけに残してくれた。
    二人の恋は実らなかったけど、『Afterglow』という曲と、二人が過ごした日々の残像が、心の中に鮮やかに残っていれば、二人は前を向いて生きていける…そう感じました。
    最後、パンフレットの写真で伝えてくれた奏音の想い。

    あまりに切ない……けれど、忘れることのできない一生ものの恋。

    全編通して、雨や心の湿度が心地よく、色やその輝き、情景が美しく、胸を締め付けられる痛みが涙を誘い、それでも二人の未来に希望の光が差しているようで、とても感動的な物語でした。
    素敵なお話を、ありがとうごさいました!

    碧(Aoi ) 2026/07/11 00:23

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