Afterglow ー名称未設定のプレイリストー

 少しだけ、奏音の心を覗くことができた気がした。

 私の目に映った確かなきらめきは、数日経った今でも、瞼の裏で蘇る。

 彼の金色の髪が朝の光に溶けて、淡くあいまいになっていく。まばたきすら惜しいと思って、息を呑んだ。どうやって息を吸ったのかすら覚えていないのに、胸の奥がゆっくりと満たされていく感覚だけは、はっきり残っている。

「もうすぐツアーが始まるんだけど、ファイナルは東京だから。よかったら来て」
「うん、もちろん! がんばってね」

 笑って彼を見送ったけれど、胸の奥が静かに波立った。

 会えない時間がさみしいとか、そんなきれいな感情じゃない。
 奏音の声や歌は、私だけに向けられるわけじゃないと、わかっていることを突きつけられただけ。
 
 でも。

 私は夢に満ちた現実を生きるヒトがステージに立った時のまばゆさも好き。
 誰かの瞳に映る光になることができる、特別な存在だから。

 それなら、奏音の奥底にある暗闇は消せなくても、彼の前に広がる世界が少しでも美しいといいなと願った。