- 作品番号
- 1715262
- 最終更新
- 2024/01/27
- 総文字数
-
5,222
- ページ数
-
5ページ
- ステータス
-
完結
- いいね数
- 3
「私、夜になると見えなくなっちゃうんだ」
夕日が沈むとともに、だんだんと消えてしまう君に出会った僕。
君は、夜を知らない。
だから僕は、君にある嘘をついた―。
この作品のレビュー
ネタバレ
優しい嘘
「私、夜になると死ぬの」
その言葉は衝撃的で。
抽象的でもなんでもなく、彼女は本当に夜に存在しなくなる。
夜に憧れを抱きながら、彼女は1つの願いを少年に託す。
“花火が見たい”
いつの間にか自分の中で彼女の存在が大きくなっていたことで、彼は彼女のために懸命に写真を残す。
不器用な距離感は、まさに青春そのもの。
後ろ向きな彼女のために、簡単にバレてしまうような嘘をつくあたりも、それを表していた。
嘘は良くない。だけど、この物語の嘘は、他者を傷つけるものではなく、彼女を前向きにするもので。
そんな嘘を、許したくなる気持ちになりました。
その真意に気付きながらも口にせず、密かに前を向いて進もうとする少女の姿も素敵でした。
2024/02/07 01:06
この作品の感想ノート
面白かったです。
夜を知らない少女とのひと時は、青春の甘酸っぱさがありつつ、とても切なくなりました。
嘘を契機とした変わり始めの一歩から、幸多き未来を紡いでいってほしいです。
素敵な物語をありがとうございました。
2024/02/02 10:00
この作品のひとこと感想
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