「はぁ、別に全キャラクターの恋愛フラグを立てる必要はないんじゃない?」
「攻略するキャラクターを1人に絞ってしまうと、破滅エンドに迎えますよ」
「それは、私の前に異世界転移をした主人公ちゃんたちのことでしょ?」
「俺は、ハッピーエンドでクリアする確率を少しでも上げたいんです」
私、長柄六花は数時間までは日本で暮らす女子高生だった。
ただのクラスメイトでしかなかった国居透真の正体は、乙女ゲーム『エンドレス・エタニティ』に登場するトウマ・ルーファーだったという謎な展開を迎えた。
「リッカ、お茶が入りましたよ」
「攻略対象の情事を見せられたら、飲めるものも飲めなくなると思うよ……」
「飲んでください。体の健康を維持するためにも」
「……はーい」
トウマの導きにより異世界召喚……乙女ゲーム転移? をした私は、トウマに『エンドレス・エタニティ』をハッピーエンドで終わらせることを依頼される。
「こっちはもう、バッドエンドもメリーバッドエンドも迎えたくないんです」
「それは承知しております」
私が異世界転移という展開を迎える前にも、何人もの女性が異世界転移をして『エンドレス・エタニティ』のクリアをトウマに依頼されたらしい。
けれど、トウマの訴えによると、みんながみんな攻略キャラクターとの両想いエンディングを迎えてしまったとのこと。
「『エンドレス・エタニティ』は、恋愛と世界の平和を両立させてこそ真のエンディングを迎えることができます」
「はい……それも承知済みです……」
『エンドレス・エタニティ』における恋愛重視のエンディングは、メリーバッドエンドに該当する。
ハッピーエンドを迎えたかったら、世界を救うという面倒くさい条件が追加されるらしい。
「大量の命が失われるところを、もうかれこれ何百回見せられていることか……」
「……すみませんでした」
トウマは、世界が滅びるたびにゲームをリセットしている。
そのたびに現世からプレイヤーを連れて来てゲームのクリアを依頼をするけれど、みんながみんな恋愛街道一直線。
つまり、トウマが生まれ育った世界は何百回も破滅を迎えている。
「でも、前向きに考えたら、リセットできる人生って最高……」
「リッカ……」
「すみません、冗談です!」
ゲームの世界では温厚な性格のトウマの声が、1音下がったような気がした私は彼の機嫌を損ねる前に謝罪という選択をする。
「攻略するキャラクターを1人に絞ってしまうと、破滅エンドに迎えますよ」
「それは、私の前に異世界転移をした主人公ちゃんたちのことでしょ?」
「俺は、ハッピーエンドでクリアする確率を少しでも上げたいんです」
私、長柄六花は数時間までは日本で暮らす女子高生だった。
ただのクラスメイトでしかなかった国居透真の正体は、乙女ゲーム『エンドレス・エタニティ』に登場するトウマ・ルーファーだったという謎な展開を迎えた。
「リッカ、お茶が入りましたよ」
「攻略対象の情事を見せられたら、飲めるものも飲めなくなると思うよ……」
「飲んでください。体の健康を維持するためにも」
「……はーい」
トウマの導きにより異世界召喚……乙女ゲーム転移? をした私は、トウマに『エンドレス・エタニティ』をハッピーエンドで終わらせることを依頼される。
「こっちはもう、バッドエンドもメリーバッドエンドも迎えたくないんです」
「それは承知しております」
私が異世界転移という展開を迎える前にも、何人もの女性が異世界転移をして『エンドレス・エタニティ』のクリアをトウマに依頼されたらしい。
けれど、トウマの訴えによると、みんながみんな攻略キャラクターとの両想いエンディングを迎えてしまったとのこと。
「『エンドレス・エタニティ』は、恋愛と世界の平和を両立させてこそ真のエンディングを迎えることができます」
「はい……それも承知済みです……」
『エンドレス・エタニティ』における恋愛重視のエンディングは、メリーバッドエンドに該当する。
ハッピーエンドを迎えたかったら、世界を救うという面倒くさい条件が追加されるらしい。
「大量の命が失われるところを、もうかれこれ何百回見せられていることか……」
「……すみませんでした」
トウマは、世界が滅びるたびにゲームをリセットしている。
そのたびに現世からプレイヤーを連れて来てゲームのクリアを依頼をするけれど、みんながみんな恋愛街道一直線。
つまり、トウマが生まれ育った世界は何百回も破滅を迎えている。
「でも、前向きに考えたら、リセットできる人生って最高……」
「リッカ……」
「すみません、冗談です!」
ゲームの世界では温厚な性格のトウマの声が、1音下がったような気がした私は彼の機嫌を損ねる前に謝罪という選択をする。