に、しても。

 小神の問いを、胸中で繰り返す。

 さて、どうしてわたしはこうして突然勉強に対してやる気を出しているのだろう? 確かに昨日の下校中に友人たちと休み明けのテストの話はしたけれど、小神の言うとおり中間テストや期末テストほどたいそうな試験ではない。

 考えるうち、ふと口を突いて出た。

「夢で、見たから、かな」

 わたしの口からほろりとこぼれ出たその一言に、小神の表情が一変した。とはいっても、普段仏頂面の小神の見せた表情の変化など微々たるものなのだが、それでも小神の目に鋭い光が差し込んでいることに間違いはなかった。

「夢、ですか」

 そういうと、小神は勝手に机上に開きっぱなしだったわたしの教科書やノートを閉じて、こういった。

「ちょっと外に出ませんか」