「で、何か用ですか。何も用がないのなら、どっかに消えちゃってください」

「冷たい台詞ですね。これがいわゆるツンデレというもの――」

「断じて違います」

 わたしの対応のどこにデレ要素がある? ツンデレなんて言われたこともないわ!

「冗談ですよ、星野さん。……話しかけたのは貴女がこんな風に突然勉強をする気になったことに驚いたのと、勉強に目覚めた理由が気になっただけですよ。確かにゴールデンウィーク明けには全学年ともに実力テストが待ち構えているわけですが、あんなものの対策誰も本腰入れてやりませんよ。ただ休み中に気を抜くことを防止する教師陣の簡単な策なのですから。それとも、まんまと教師たちの策にはまったということでしょうか」

 冗談ですよの一言に、小神の顔面をワークで叩いてその眼鏡を叩き潰してやりたい衝動に駆られたが、それはわたしの振り絞れる最大限の忍耐力で抑えることができた。よく頑張った、わたし。