「おや、奇遇ですね、星野さん。まさか市立図書館などという文化的な公共施設で星野さんの愛らしいお姿をお目にかける日がくるなどとはこれまで夢にも思ったことがなかったせいで、感動に胸がうち震えるばかりです……おや、それは私たちの学校の第二学年で毎年使用されている英文法のワークブックではありませんか! ああ、ついに星野さんが自主的に勉学に励む日が来るとは! しかしこういってはお勉強に水を指すようですが星野さん、公共図書館では持ちこみによる教材による自習は一般的に認められておらず――ん? そこにあるのはこの図書館のラベルの貼られた英和辞書ではありませんか! ならばよいでしょう。それさえ机上にあればいくら大学で司書資格を取得した職員といえどあなたの学習行為に口出しすることは――」
「うっるせえええええええええええええ!!!!!」
「うっるせえええええええええええええ!!!!!」